違う夏空の下で

違う夏空の下で

所用があって、8月初めに田舎に行ってきた。こちらで暮らす両親や親戚はこれでも暑いと言うが、埼玉や東京の灼熱地獄と比べればふつうの、昔懐かしい暑さだ。 着いたのはちょうど夕暮れどきで、裏手の山でヒグラシがうるさいほどに鳴いていた。翌朝も未明のうちに盛大に鳴いて、夜が明ける頃にはすっかり大人しくなって他のセミたちに取って代わられていた……って待てよ?うちの周りってこんなにヒグラシいたんだっけ?鳴き声聞いた記憶がないんだけど… 例年の帰省はお盆頃だから半月ほど時期がズレている。でもヒグラシは晩夏まで鳴くからお盆頃に鳴き止んでました、というのは早すぎる。とすると、私が耳では聞いても意識していなかっただ…