決断主義に陥らないために/『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎)
暇と退屈の倫理学(新潮文庫) 作者:國分功一郎 新潮社 Amazon 「人は退屈とどう向き合うべきか」との問いを切り口に、多くの哲学者の考えてきたことや経済史の知見を追いながら、著者と一緒に思索の旅をする一冊です。話題になった本なので、読んでいなくてもタイトルは聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。 著者も言うように、通読することに楽しみや意味がある本だとは思いま須賀、結論に近い部分だけをかいつまんで言うと、ハイデガーの決断主義的な退屈論の枠組みを批判的に用いつつ「退屈だからといって決断(すること/した内容)の奴隷になるのではなく、うまく気晴らしを楽しめたり、外部のいろんな刺激を…
2024/07/29 22:01