電車に乗って
たまに、何もかも捨てたくなる。 仕事も趣味も人との付き合いも家も物も。 捨てたところで、どうなろう。 そうは思うが、長く持ち続けると 澱のようなものが少しずつ溜まっていく 息苦しさがある。 別に嫌いになった訳じゃない。 でもそういうときはあるし、 誰かの顔に同じような色が しゅっと浮かぶのをみることもある。 淋しい共感は少し温かい。 だからだろうか。時折、電車に乗る。 一応の行き先はあるが、目的は乗って 移動することだ。なんのつながりもない ところへ無性に行きたくなる。 街行く人を眺めて、二度と会わない んだろうな、などと思う。 それでいて、自分が景色になったような 軽さを感じる。考える主体で…
2019/11/11 07:32