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2017/11/29

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  • 防衛費シーリングの先祖返り

    令和4年に策定された安保戦略3文書において、防衛装備の抜本的強化に着手し、向こう5年間で総額43兆円の経費を支出することとされた。計画策定時の為替レートは1㌦108円内外であったが、現在では150円程度に推移しているので当初計画の装備が調達できるのかと危ぶんでいたところ、木原防衛省が「必要な防衛力強化を(43兆円)範囲内で行うことが防衛省の役割」、鈴木財務相も「政府としてこの水準(43兆円)を超えることは考えていない」とそれぞれに述べていることが報じられた。為替レートの変動で円の価値が2/3に下落すればドル建依存度の高い自衛隊装備にあっては調達できる装備も2/3になるのは必定で、200発装備予定の長射程ミサイルも140発しか保有できないことになる。かっては、防衛関連予算には「対GDB比〇%以内」というシー...防衛費シーリングの先祖返り

  • 便益を知る

    原価・利潤意識の希薄な職に半生を送ったためであろうか。便益と云う言葉を知らなかった。ネットで調べると、「便利で、利益があるようにすること。また、そのさま。(精選版日本国語大辞典)」、「便宜と利益。都合がよく利益のあること。(Weblio)」とあった。今朝の産経新聞「東日本大震災あす13年」の記事中、防潮堤の功罪を論じる一環として東大大学院の学生がある地区の「防潮堤建設計画に関する費用便益分析」という論文を書いて、便益から建設費や失われてしまう景観などの「費用」を差し引いた「純便益」が大きなマイナスになると試算しているとしていた。ある事象を数値化することで、損得勘定を定量的に示すので理解しやすい半面、一つの方向性を持たせるために数字を利用することも多いように思うが、今回の論述者は大学院生であるので、色眼鏡で...便益を知る

  • 老衰の復活

    メディアが伝える訃報で、再び”老衰”という言葉に接する機会が増えたように思う。昭和末期までは確たる死因が特定できない高齢者の訃報は”老衰”とされていたが、平成以降は”多臓器不全”と報じられていたように思う。両者の字面を自分としては、”多臓器不全”はボロボロの体でありながらも未練と執着を捨てきれない末期と感じるが、”老衰”からは「高僧の入定もかくや」の生き切った穏やか最期のように感じる。閑話休題人体・生命の不思議を最先端の研究者が披露しコメンテータが話を広げるNHKBSの「ヒューマニエンス」を良く視聴する。先日のテーマは”老衰”で、臨床研究者が高齢者施設生活者のデータを元に、興味ある仮説・意見を述べていた。研究者によると、施設から提供される1200kCal/日の食事を摂り続けても、個人差はあるものの多くの場...老衰の復活

  • モルヒネの思い出

    昨日は防衛省(自衛隊)が全血型血液製剤を独自に製造・備蓄する計画に賛意を表したが、更に保有・備蓄を検討して貰いたいものがある。その前に、新兵教育後に配属されたのは米海軍貸与(後に供与)のPF(パトロール・フリゲート)であったが、当該艦は昭和17年建造後に一時ソ連に貸与されたもので、自分が乗り組んだ時点でも主機回転計の前後進表示はキリル文字で書かれていた。乗り組んで2年後、艦は退役・廃艦となるために乗員は搭載物品の整理に明け暮れていた時、艦の最後尾にある舵機室のビーム(桁)裏の目立たない箇所で防水紙に包まれた不審な2個の包みを発見した。開けてみると内部に液体が封入されたビー玉大のガラス容器12個(計24個)が収められており、同梱の使用説明書は「モルヒネ」と読め、イラストの使用法も添えられていた。推察するに、...モルヒネの思い出

  • 「全血」血液製剤を知る

    防衛省が、戦傷兵に対する迅速な救急救命のために、血液型に拘わらずに輸血できる「全血対応型血液製剤を独自に製造・備蓄する方針であることが報じられた。独自開発には、戦死の多くが失血死であること、令和4年の防衛力整備計画で「血液製剤を自衛隊が自律的に確保・備蓄する体制の構築」が定められていることが背景として挙げられているが、混乱した戦場で一刻を争う救命のためにも、是非とも実現させて欲しいものである。具体的には、血液製剤製造の原材料は自衛隊員からの献血で賄うものの、2~4℃の低温状態での保存期間が3週間程度であることから、製造の始期や製造量は今後検討するとされている。報道によると、日本では同種の血液製剤は薬事承認されていないそうであるが、これまで災害大国の日本で不必要とされていたのだろうか、さらに医療現場からの要...「全血」血液製剤を知る

  • 集合住宅作法

    集合住宅での生活を修行中である。これまでは、狭いために1戸建てならぬ半戸建てと自虐していたが、それでも両隣に対してあまり気を遣うことも無く生活していた。また、集合住宅での生活経験は、官舎が漸くに整備された昭和末期に2回経験しただけで、それとても入居者は全て同業者、少ない予算で建てられたための薄い壁床を通して隣接の生活音は筒抜け、更に夜勤明けで帰宅する者、早朝に出勤する者、警急呼集で深夜に出勤する者、また居住者の大半が子持ちで特に幼児が部屋を運動場代わりに走り回る音、等々、いわゆる騒音は常であった。しかしながら「相見互い」「明日は我が身」との認識共有の故に騒音(生活音)に関するトラブルはなかった。今回の転居で実質的には初めて集合住宅で生活することとなったが、生活音による軋轢は相当なものであるようである。エレ...集合住宅作法

  • 妬み、嫉み、僻み

    産経抄子が野坂昭如氏の名言を紹介している。敬愛する野坂氏は《コラムを3つの「み」で書く。妬み(ねたみ)、嫉み(そねみ)、僻み(ひがみ)だ》と喝破されているそうである。コラムとは呼べない拙文であるが、振り返ってみると、公憤・提言の体を装ってはいるものの、将に3つの「み」のオンパレードである。恐らくであるが、テレビに代表されるマスメディアにあっても、識者・コメンテータの発する起床転結や思考過程の説明を要しない短いコメントの裏側には、3要素が潜んでいる可能性も有るように思える。アジアカップ準々決勝の対イラン戦敗戦の原因が、性加害訴訟で伊東純也選手が代表を外れた穴を埋められなかったとの指摘・分析に対して、「所詮、球蹴り遊びだろ。女性の人権の方が大事」とコメントした人がいるそうであるが、彼の真意と発言の裏側は、女性...妬み、嫉み、僻み

  • ガラパゴスとシーラカンス

    転居を機に更新した家電製品に驚いた。若き日の艦艇電機員時代。初等の電機員教育修了後に配属されたのは、大東亜戦争で活躍し海自に貸与(後に供与)されたフレッチャー型駆逐艦であった。2年後に当時の最新鋭護(4次防艦)に配属替えされたが、建艦思想と装備機器の40年近い進歩・変化を短時日で理解・習得するのに苦闘した経験がある。今回、更新のために廃棄した家電製品の多くは何れも30年以上前のもので、洗濯機を例にとれば複雑な機能も無く、押し釦も数個あるだけで価格も数万円であったが、更新した洗濯機には機能満載で価格も30万円弱と云う代物である。先ず洗濯を始めようとした老妻は、これまでの経験のみで洗濯機を操作しようとしたが数分で降参した。次いで自分が取説片手に参戦したが、思うようにいかず洗濯開始までに相当な時間が必要であった...ガラパゴスとシーラカンス

  • 男と女

    ブログ中断中に芸人・松本人志さんとサッカー・伊東純也両氏の性加害問題がある。本日は「男尊女卑の石器人」とのお叱りを受けるであろうことは覚悟している。松本人志氏は全ての芸能活動を休止し、伊東純也選手は日本代表から去らざるを得なかった。男女間の秘め事であるので真相は当然に藪の中であるが、既にメディアでは週刊誌報道が真実として一人歩きし、当初「松本人志さん」とされていたものが昨今では呼び捨てにまで変化している。両氏の対応は、松本氏が名誉棄損で民事訴訟を起こしたのみであるのに対し、伊東氏は損害賠償の民事訴訟に加え偽証容疑で刑事告発している。最終的には司法が判断するもので我々はその結果を待つ以外にないが、自分としては男女ともに「ドッチもドッチ」であるように思っている。二つのケースともに報じられた限りでは暴力的な手段...男と女

  • ガザ地区の戦闘報道や論説に思う

    ガザ地区の戦闘は、昨年の10月7日早朝にハマスがガザ地区からの2000発以上の大規模なロケット攻撃でイスラエル側の民間人約1200人を殺害するとともに、フェンスを突破したゲリラ攻撃で婦女子約240人を人質に取ったことで始まった。そして、その後イスラエルの報復攻撃が継続中で、現在までの死者は双方で4万人に近いと報じられている。転居のどさくさで戦闘の推移を連続してウオッチできなかったが、紛争・戦闘に関する報道(主としてTVコメンタータ)の論旨が変化していることには考えさせられる部分が多い。戦闘開始直後にはハマスの暴挙を糾弾する声が高かったが、戦闘が長期化し更にはイスラエルの本格戦闘開始以降は言外にイスラエルの一方的な戦闘終結を望む論調が増えている。4000年に及ぶ領土・民族・宗教紛争であるので、双方に正義とす...ガザ地区の戦闘報道や論説に思う

  • ブログ再開までの軌跡

    本日から、ブログを再開できることになりました。昨年の9月29の投稿を最後に約5か月間休載していたので、大方の人は「論旨・文体・年恰好から見て、多分・・・」と思われていたに違いない。実は、「齢80にして」というよりも「齢80になったから」、「終の棲家の再設定」を行った次第です。海自在職中は20回近い転勤・うち9回は引っ越しを伴うものであったために、1個所には最大で5年しか留まれなかった。そして最終勤務地の横須賀で再就職先を得たために住居を設定し、以後25年間にわたって該地を終の棲家と思い定めていましたが、老妻の「アンタが死んだ後は・・・」の言葉に尻を叩かれて娘の住む九州北部に転居した次第であります。今回の転居で、自分のこれまでは「自衛官と云う身分に最大限守られていた」ということを思い知りました。借家入居時に...ブログ再開までの軌跡

  • 台湾潜水艦の進水に思う

    台湾の新型潜水艦進水式が報じられた。艦名は「海鯤(かいこん)」で、全長70m・潜没時排水量3千トン・通常動力型と報じられている。「海鯤」はアメリカの技術支援を得た武器システムの他は自主開発とされているが、2016年に計画、2020年に起工、2023年進水との工程を見る限り、武器システム以外にも西側の技術支援があったかのようにも思える。主として予算と保有隻数の制約下であるとは言え日本の潜水艦の建造ペース(5-6年/1隻)から見ても、初めての自主開発潜水艦を7年間で進水させたのは台湾の対中姿勢の本気度を示すものであろうか。台湾海軍の在来潜水艦を含めた更新計画では4隻体制を維持しつつ最終的には同型艦8隻体制とするとしている。潜水艦の建造後進に対しては、香港型統一を標榜する国民党などは自前潜水艦の建造自体に反対し...台湾潜水艦の進水に思う

  • 塗り絵からの脱却

    今年こ描いたものを並べてみて、だんだんと孫の塗り絵に近づいていることを思い知った。塗り絵としても不出来・不十分との叱責は甘受するとしても、居間や絵画教室での存在感を増すためにも何等かの修正・変更が必要では?と考えるようになった。という訳で、「筆跡(タッチ)を残すこと」と「常識的でない色使い」を模索するとの大上段で、取り組んでみたが、思いの外に難しいことが分かった。試みて分かったところでは、画家が人肌に自分には見えない緑色や青色を使用できるのは、実際の対象に「その混色の塩梅」を認識しているからであろうし、タッチを残せるのは表現したい形を確実にイメージしているからに違いない。掲載する習作は以上の意図をもって描き始めたものであるが、取ってつけたような色遣い、迷い満載のタッチ、日曜画家への道のりは遥かで、余命との...塗り絵からの脱却

  • チャンドラ・ボース氏の遺骨

    今も未だチャンドラ・ボース氏の遺骨が日本にあることを知った。インド独立の英雄としてガンディー氏と功を二分するボース氏の遺骨であれば、当然に帰国しているであろうと思い込んでいたので、ボース氏のその後についてWikipediaで勉強した。ボース氏は、英国を駆逐するためには日本と結ぶのが得策と判断し、自由インド臨時政府軍を率いてインパール作戦に従事するなどインドの武力解放に奔走したが、日本の敗戦に伴って新たな支援・同盟先としてソ連を想定し、2045年8月18日に台北の松山飛行場から日本軍の九七式爆撃機で大連へ向かおうとして離陸に失敗して火傷を負って死亡したとされる。ボース氏の遺体は8月20日に荼毘・法要が営まれた後、9月5日に日本に移送、9月18日に杉並区の日蓮宗蓮光寺で葬儀が行われたとなっている。ボース氏の遺...チャンドラ・ボース氏の遺骨

  • 休眠宗教法人の課税

    世界平和統一家庭連合(以下、統一教会)に対する解散命令が話題になって久しいが、休眠状態にある宗教法人への税制優遇措置に関しても問題があるらしい。宗教法人は、固定資産税や所得税について減免されるが、宗教活動を休止した休眠状態法人に対する税の優遇措置については各自治体で温度差があると報じられた。報道では、調査(質問)した東京都と20政令都市での対応は、非課税維持・個別判断・課税と対応が分かれており、原因は休眠法人の徴税に対する法の未整備と宗教法人を所管する国と知事の情報が徴税を主管する市町村長に通報されていないことであるらしい。税負担の公平性という観点から早急に改善して欲しいところであるが、自分では宗教法人について調べて幾ばくかのことを知ることができた(といって、何ら役に立つとは思えないが)。1は、文化庁が「...休眠宗教法人の課税

  • 演義と正史

    尊敬する友人が、中国人と三国志に関する会話で「それは演義か正史か」と問われて刮目したと話していた。自分の三国時代の知識は三国志演義、それも吉川英二、柴田錬三郎、北方謙三各氏が意訳・再構成した三国志で、正史も魏志中の倭人伝に限っており、魏志・呉志・蜀志には目を通したことも無いが、学者でもない限り大方の人もそうではないだろうか。膨大で難解な正史よりも、テーマを絞って平易な語りである演義の方が面白く、それを読むことで「なんとなく解った気分にさせてくれる。中国の三大演義は、三国志・水滸伝・楊家将とされ、毛沢東も楊家将演義を愛読し、折に触れて「楊不敗(主人公楊業の愛称)」を引用したとされる。演義は、文盲でも楽しめるように講談や音曲で流布されるうちに多くの脚色が加えられて現在の姿になっているとされるが、日本でも次郎長...演義と正史

  • ”山粧う”と郭煕

    TBS番組の「プレバト」で、随分前に「山笑う」が春の季語であることを知ったが、一体何のこと?と思っていた。本日の産経抄で、由来は北宋の画家「郭煕の画論『臥遊録』の「春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如く」であり、春「山笑う」・夏「山滴る」・秋「山粧う」・冬「山眠る」がそれぞれ季語と扱われているらしい。郭煕(かくき:1023年-1085年)は、北宋の山水画家で字は淳夫とされている。日本では平安時代中期に当るが、中国では北宋時代で、水滸伝の題材とされる宋江を首領とする36人が実在の梁山泊の近辺で反乱を起こしたのが1121年であるので、北宋文化の爛熟期若しくは退廃初期に当るようである。何故に季語の話題かと云えば、現在「歌謡シリーズ第5弾」として、秋...”山粧う”と郭煕

  • 大椿裕子議員の公開資産に思う

    大椿裕子参議院議員(50歳)の公開された資産が、預金105万円とされている。大椿議員は、社民党の副党首で先の参院選挙での吉田忠智(立憲民主党)氏の議員辞職に伴っての繰り上げ当選である。人様の懐具合を云々するのは慎むべきであり自分でも忸怩たる思いがあるが、大椿議員が「蓄財に頓着しない、清廉な井戸塀政治家」であるとしても、50歳女性の資産が105万円とは頷けない思いがする。大方の一般的50歳女性と云えば、既婚者であれば「夫の不意に際しても葬式代くらいの自分名義預貯金を確保」しており、未婚者であれば「老後不安に備えて幾ばくかの預貯金・金融資産を考える時期」であると思う。大椿議員の私生活などは伝えられていないので節税対策や危機管理のために資産を分散されておられるのかも知れないが、公になっている経歴などから見ても1...大椿裕子議員の公開資産に思う

  • 「別班」を考える

    陸上自衛隊に「別班」という秘密情報部隊が存在するとされていることを知った。脚光を浴びたのは、現在放映中の連続ドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」で、堺雅人氏演じる主役の所属が陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(通称:別班)とされていることが契機であるらしいが、実は、2013年11月に共同通信専任編集委員の石井暁氏が、「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班が、冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが分かった」と報じたことが発端であるらしい。「別班」は都市伝説に近いものかと云えば、既に国会での質疑や安倍内閣時の菅義偉官房長官が記者会見で存在を否定しているなど、別班の存在に関してはQアノン好事家のみならず国会議員...「別班」を考える

  • 矢田稚子氏が総理補佐官に

    前参議院議員で国民民主党副代表の経歴を持つ矢田稚子氏が総理補佐官(賃金・雇用担当)に任命された。不勉強の所為で矢田氏について知らなかったのでWikipediaにお願いしたが、軟弱化した現在には珍しい「苦学力行」の方とお見受けした。矢田氏の総理補佐官受諾に対しては、野党分断の狙い、連合(電機連合)の取り込み、国民民主党の連立参加布石、と喧しいが、矢田氏個人の政治活動の延長線上の必然と見るべきであるように思える。先の通常国会の予算委員会では、予算に関する質疑は20%に満たず、それ以外は閣僚・与党議員の資質や不正疑惑の追及で占められていたとされるが、本会議で反対票を投じた立民の公式見解は「審議が尽くされていない」であったとされている。予算審議の場にあって「閣僚の箸の上げ下し」を国家の一大事と攻撃する作戦は、政権...矢田稚子氏が総理補佐官に

  • 上瀬谷通信施設跡地利用

    2015年6月30日に全面返還された米海軍上瀬谷通信施設跡地の利用計画が漸くに動き出したことが報じられた。上瀬谷通信施設は、当初は米海軍の通信(送受信)施設とされていたが、1960年9月に上瀬谷通信施設に勤務していたNSA(国家安全保障局)職員2人がソ連に亡命して、NSAの指揮下で電波傍受・暗号解読・分析・通信保全などを主任務としていることを明かした。それまでアメリカ政府はNSA自体の存在を認めていなかったが、この亡命を機にNSAの存在が明らかとなったという因縁の施設である。その後、冷戦の終結や先進国の軍用通信が衛星中心となったことから、上瀬谷の機能は順次三沢や沖縄に移されて、返還時は無人であったとされている。そんなこともあってであろうか、パーティーなどで「所属は横浜BASE」という軍人には、それ以上聞か...上瀬谷通信施設跡地利用

  • ルーベンスを眺める-4

    第2次岸田再改造内閣の顔ぶれが報じられた。11人の初入閣と女性5人の登用で、「政権の骨格は維持しつつも刷新感を打ち出す人事」とされているが、初入閣者については余程の国会通でないと知らない人物が多いように思えることから、”大臣待機組の大掃除”と評する意見も多いが、大臣に任じられた諸氏にあっては任期中に「何等かの良き爪痕」を残して欲しいものである。金正恩氏がロシアを訪問したが、首脳会談ではウクライナ戦の砲弾等を提供する見返りに衛星・原潜の技術支援を得るのではとのキナ臭い動きも進行中である。9月の中旬を迎えた本日も30℃超えの真夏日予想。秋の気配と上記諸々の平穏が訪れることを祈りつつ、ルーベンスを眺めている。毛皮をまとったエレーヌ・フールマン(ウイーン美術史美術館)四輪馬車のあるエレーヌ・フールマン(メトロポリ...ルーベンスを眺める-4

  • ”傘がない”考

    井上陽水氏の代表曲を別の歌手がカヴァーする番組で”傘がない”を聴いた。”傘がない”は、1972(昭和47)年に、陽水氏2枚目のシングルとして発表されたもので、当初は注目されなかったが現在では”氷の世界””少年時代”と並んで氏の代表曲となっている。テーマは、「指導的な階層(大人)が警鐘を鳴らしている事象よりも、自分では恋人に会いに行かねばならないのに「傘がない」ということの方が重大事である」というものである。1972(昭和47)年は、・1月グアム島で横井庄一氏発見・帰国・2月札幌冬季五輪開催、浅間山荘事件・3月奈良県明日香村の高松塚古墳で極彩色壁画発見・6月佐藤栄作首相退陣・7月太陽にほえろ放映開始・8月カシオが世界初の電卓発売・9月田中角栄首相訪中、日中国交正常化(11月ランラン、カンカン来園)となってい...”傘がない”考

  • インド国名変更?

    インドが国名を変更する可能性が取り沙汰されていることが報じられた。憶測は、本日開催されるG20の議長国であるインドが、夕食会招待状にホストを「バーラント国大統領」としていることから生まれたものである。本日知ったことであるが、インド憲法ではインド、バーラント双方を国名とすると定めており、現実にはヒンディー語を使用する場合はバーラントと表記し、英語の場合はインドと表記することが定着しているそうである。バーラントとは古代インドの有力部族の名に因んでいるそうであるが、インドもインダス川などに由来する捨て難いものらしく、呼称の変更・統一は国論を二分する程のものではないように思える。第二次大戦後、多くの植民地や衛星国が独立した。独立に際して多くの国は植民地や衛星国時代の呼称を継承したが、近年の民族アイデンティティ復古...インド国名変更?

  • ジャニーズ会見に思う

    ジャニーズ事務所の出直し会見が行なわれた。4時間以上に及ぶ会見をテレビ各局は挙って生中継したので、自分も”ながら視聴”して「性加害の再発防止と被害者保障に関しては今後、新組織で取り組む」ことは分かったが、会見における一部記者の言動に少なからぬ疑問を持った。質問者の所属などは聞き取れなかったが、詰問口調での質問は「週刊文春が報じた内容に関して、新社長の所信を問う」ものであった。自社或いは自分の取材した内容に関して問い詰めることは当然であるが、同業他紙の報道内容を追加取材することなく質問する記者の発言は、ジャーナリストとしての適格性や見識に疑問符が付くものではないだろうか。他紙の記事をファクト検証することなく付和雷同的に報じた結果、世論がミスリードされた苦い歴史を我々は経験している。その最大の事例は、朝日新聞...ジャニーズ会見に思う

  • 男子バスケットボール五輪出場決定

    男子バスケットボールが、1976年のモントリオール大会以来46年ぶりの自力五輪出場権を得た。何はともあれ目出度いことで、俄かファンにも至らぬ自分であるが今回の偉業達成を喜ぶとともに、二つのことを知った。一つは「カーボベルデ」という国名を始めて耳にした。Wikipedia記事の要約であるが、《カーボベルデ共和国は、アフリカの西沖合のマカロネシアに位置する共和制の島嶼国家で、歴史的には1444年にポルトガル冒険者のディアゴ・ディアスが発見したとされている。発見当時は無人島で1462年にポルトガル居住者が定着して小規模な都市が建設され、16世紀には奴隷船の中継拠点となって繁栄する傍らでイギリスの海賊ジョン・ドレイクの略奪などに曝された。その後、奴隷貿易の廃止による衰退を経て、1975年にポルトガルから分離・独立...男子バスケットボール五輪出場決定

  • 西武百貨店のストに思う

    西部池袋本店でのストライキが報じられた。ストライキは、セブン&アイ・ホールディングス(HD)が傘下のそごう・西武百貨店を米投資ファンド売却によって雇用継続が危ぶまれることと理解しているので、組合員には将に死活に直結するものだろうと同情している。大型百貨店でのストライキは昭和37年以来61年ぶりとされているが、報道を見る限りでは「総評」華やかりし往時とは大きく様相を変えているように思える。記憶している当時のストライキでは、赤鉢巻姿の従業員が会社を占拠して赤旗を林立させたり、ストライキを事前察知した会社側が事業所を閉鎖したり、と攻防は激しかったが、今回のストライキを見ると、ビラ配布やデモもあったようであるが、参加者は応援を含めても300人程度とされてているので池袋店の組合員数900人に比べれば静かなものであっ...西武百貨店のストに思う

  • 夏休みの宿題-2

    8月も最後。漸くにして夏休みの宿題の2枚目を描き終えた。タイトルを「ジュラ紀」としたが、イメージはNHKの「恐竜王国」から拝借した。最新の研究では一部の恐竜は羽毛に覆われていたとされるが、恐竜が変温動物であったことや血脈が鳥類に受け継がれているとされるので納得できるように思う。イメージは「ティラノサウルス」であるが、名前がどうしても思い出せずに、ネットで「肉食恐竜最強」と検索して漸くに思い出すことができた。一般的に「知識は積み重なる」とされているが、この数式が当て嵌まるのは60代くらいまでであって、それ以降は残念ながら「年齢が知識(記憶)を奪う」のが現実であることを実感した。尊敬する友人からの受け売りであるが、手塚治虫氏が現役引退を決意したのは「フリーハンドで真円を描けなくなったこと」であるらしく、ノーベ...夏休みの宿題-2

  • 世論と報道の変質

    警察官の発砲が報じられたが、お決まりの文言は無かった。かっては、警察官の発砲が報道される場合には、最後に必ず「発砲の適法性」についての警察の見解や報道機関の意見の形で疑問符を付けてなされるのが定番であったが、近年ではそれらに触れることは殆ど無い様に思っている。犯罪が多様化・劇場化・狂暴化するとともに警察官自体への襲撃も多発し、更には制止の言葉が通じない外国人の犯罪が引きも切らない現状では、警官が身を守りつつ犯人を制圧するためには銃器を使用せざるを得ないことが漸くに理解され始めたのではないだろうかと思っている。また、終戦記念の日前後に靖国神社を参拝する閣僚に対して「公人としてですか私人としてですか」という質問が投げかけられるのも定番であったが、ここ2、3年この質問を投げかける映像を見かけることが無くなったし...世論と報道の変質

  • 立民泉代表の外遊に思う

    立民の泉代表の外遊が報じられた。泉代表は、令和代表就任後初の外遊で、ベトナムを訪問してベトナム共産党の中央組織委員長などとの面会が予定され、旧民主党がベトナム共産党との間で交わした政党間交流の覚書を再構築するとされている。次いで来月中旬にはアメリカを訪問して、政府や議会関係者と面談して同盟関係や経済安全保障などで意見交換するともされている。代表に就任して2年間も外遊していないことに驚かされるが、兎にも角にも外遊して外国が日本を、更には立憲民主党をどのように評価しているのかを肌で感じることは日本の将来に有益であると思う。泉代表も出発前に「自分自身が政権を担った時にも外交関係がうまく働いていくように取り組む」と所信を述べているので”その意気や良し”と思う反面、ベトナムで政権(行政)中枢との面談が予定されていな...立民泉代表の外遊に思う

  • 同化しないイスラム

    産経新聞に寄稿された麗澤大学客員教授の飯山陽氏の記事で、記憶しておくべき数字を教えられたので忘備録的に書き留めておくことにした。フランス国立統計経済研究所(INSEE)が今年(2023年)3月に発表したデータで《フランスの総人口6,760万人のうち、移民1世10.3%、移民2世10.9%、移民3世10.2%となっており、既に国民の1/3が移民系である。また、2020年にイスラム系移民を対象とした「フランス法とイスラム法のどちらを優先するか」と云う世論調査でイスラム法を優先すると回答したのは、35歳以上25%、25~34歳42%であるのに対して25歳未満では74%にも達する》とされていた。教授は《イスラム法は男女平等や人権においてキリスト教国や西側自由主義諸国とは大きく異なっており、既にフランスはキリスト教...同化しないイスラム

  • ルーベンスを眺める-3

    残暑の日曜日、ルーベンスを眺めて蟄居することとした。本日添付冒頭のタイトルにある「クビド」をWikipediaで学んだ。《クピードー(Cupido)は、ローマ神話の愛の神。日本語では長母音を省略してクピド、アモール(Amor:ラテン語)とも呼ばれるが、一般的には英語読みのキューピッド(Cupid)で知られている。ギリシア神話のエロスと同一視されるが姿は異なり、恋の矢(クピドの矢)を撃つ気紛れな幼児として描かれることが多い。クピードーは、ラテン語では「情熱的な欲望」や「欲望」を表し、遡ると、インド・ヨーロッパ祖語で「震える、欲望する」を表す「kup(e)i」を語源としている》とされていた。成る程!!。恋愛には必要な「情熱or欲望」を語源とする「キューピッド」の事かと納得したので、今後は訳知り顔で「”クピド”...ルーベンスを眺める-3

  • 処理水放出開始に思う

    福島原発処理水の海洋放出が開始されたが、放出に関する、マス・メディアやネット上での「海洋放出反対」意見には考えさせられるものが多い。意見の多くに共通するのは、処理水の放出反対に加えて、「そもそも原発の存在を否定する」意見が多いように思える。曰く「原発が無ければ処理水の問題も起きない」と云うもので、正論ではあるが「今更に!!」と思わざるを得ない。かって、多くの国民は家電に依る生活の向上のための安価な電力を求め、多くの知識人もスエズ戦争によるオイルショックでは地域紛争にも影響されない電力の安定供給を求めた。一方、発電手段について、光発電素子は一部の制御装置に光電管としてのみ使用される程度で大容量光発電の概念すら存在しなかったし、水力発電については洪水調整を目的とした水利ダムの建設すら住民の反対で頓挫する状況で...処理水放出開始に思う

  • 夏休みの宿題

    夏休みの宿題が漸く完成しました。今更ながら夏休みの宿題でもないのですが、タイトルはかって人類の母親ともてはやされた「ルーシ」としました。ルーシーをWikipediaでは《ルーシー(Lucy)とは、1974年11月24日にエチオピアで発見された318万年前の化石人骨。アウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)の中で最初期に発見されたもののひとつであり、全身の約40%にあたる骨(身長1.1m、推定体重29kg)がまとまって見つかったという資料上の貴重さから、広く知られている。発見したのは、国際アファール調査隊で、ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」に因んでルーシーと命名された。ルーシーの発見は、類人猿に近い脳容量と人類に近い直立二足歩行を行なっていた痕跡を示す人骨という...夏休みの宿題

  • プリコジン氏の墜落死に思う

    ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏が所有するビジネスジェット機が墜落し、同氏の死亡が確実と報じられた。墜落原因については、ロシア寄り機関は「安全規則違反の疑い」「外部からの要因も含めて調査中」とし、ワグネルに近いテレグラムチャンネル「グレーゾーン」は、「地対空ミサイルによる撃墜」と断定している。現在では、全世界が衛星で観察・監視されているとされ、特にキナ臭いウクライナ周辺は稠密に監視されていると思うので真相は次第に明らかになるであろうが、リトビネンコ氏やスクリパリ氏に対する攻撃がMI6によってロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の犯行と断定された過去を思えば、単なる航空機事故とは思えないように思える。ワグネルは、民間軍事企業と傭兵の概念を大きく変質させたように思える。これまでの民間軍事企業...プリコジン氏の墜落死に思う

  • OSO18考

    先月射殺されていたヒグマがDNA検査で指名手配中のOSO18と確認・特定された。検視では、体長210㎝、体重330㎏、命名の由来である足幅は18㎝ではなく20㎝であったとされている。OSO18による放牧牛被害は60頭以上とされているので射殺は当然であろうが、自分としては酪農者には申し訳ないが「射殺は残念」である。これは、動物愛護等の崇高な理念からではなく、単純に「お上に逆らう五右衛門や鼠小僧」に喝采した町民と同じもので、OSO18の「罠を見破り」・「警備をあざ笑うかのような神出鬼没」は、おそらく経験を知識に変える高い知能を持っていた所為であろうし、もしOSO18が知識を伝える言葉を持っていたら、ヒグマは飛躍的に進化していたかも知れない。OSO18は、五右衛門・鼠小僧のように分限者の牛だけ狙うことや貧者に施...OSO18考

  • 二大政党制の終焉か

    アメリカ大統領選で第3政党が台頭する可能性が取りざたされている。某大学が実施した世論調査で、「第3政党候補への投票を考えるか」に対して、47%が「yes」と回答し内訳では無党派層64%、民主党支持者35%、共和党支持者38%に上っているらしい。調査した大学の中立性などが不明なため、100%信頼できるものではないと思うが、二大政党の不毛な政争に飽き飽きした民情の一端を示しているのではないだろうか。現在、自由主義諸国で単一政党で政権維持しているのはアメリカ・カナダ・韓国くらいで、その他の国ではいくつかの政党が連立して政権を維持している。特に、移民問題に揺れるヨーロッパでは選挙のたびに連立の枠組みが変わっているように思える。自分は、議会制民主主義にあっては外交と国防について大きく乖離しない二大政党のうち、選挙で...二大政党制の終焉か

  • 嫉妬心を学ぶ

    産経新聞に掲載された、精神科医の和田秀樹氏へのインタビューで「嫉妬心」が解説されていた。自分は、「嫉妬」の英訳は「ジェラシー」と思っていたが、精神分析学では嫉妬には二つ(又はそれ以上?)の概念があるらしく、氏の解説を抄訳引用すると、《ジェラシー:自分より勝っている人間に追いつき・追い越そうという心理で向上心をもたらすプラスの一面を持つ》《エンビー:相手に自分より勝っている点を見つけた時、破壊したいという衝動を抱く心理》とされている。氏はさらに言を次いで《戦後復興や高度成長を成し遂げた背景には、米国より・他人より「豊かに成ろう」、「偉く成ろう」というジェラシーを国民全体が共有していたが、政治家の子は政治家に、豊かな家庭の子は豊かに・偉くなるという階層の固定化が定着してきた現在では、エンビーの要素が大きくなっ...嫉妬心を学ぶ

  • 2党1会派の改憲意欲に思う

    維新・国民両党と衆院会派「有志の会」が改憲に向けて協調すると報じられた。衆院会派である「有志の会」は総勢5名の小会派であるが、先の総選挙後の2021年11月に結成され、5人ともにかつて民主党・民進党・希望の党に所属した経験があるとされている。メンバー(敬称略)は、吉良州司(代表、大分1区)、北神圭朗(京都4区)、緒方林太郎(福岡9区)、福島伸享(茨城1区)、仁木博文(徳島1区)で、当選回数も6~2回と既に中堅議員と呼ばれる諸氏である。また、彼等の選挙区を眺めると、保守有利とされるのは徳島選挙区くらいで、民主党の系譜に連なる政党に属した方が当選する確率は高いように思えるが、立憲民主党などに加わらないのは、所謂「旧民主党の鵺政策と何でも反対への愛想づかし」によるものであろうか。歳時記的な内閣不信任案には反対す...2党1会派の改憲意欲に思う

  • 上げ馬神事に思う

    神事が動物愛護の波に曝されていることが報じられた。神事は、三重県桑名市多度町の多度大社で奉納される「上げ馬神事(県無形民俗文化財)」で、既知の人にとって蛇足ながら、神殿前の緩やかなスロープの前方に設けられた高さ2mの土塁を人馬一体で駆け上がり、その成功回数によって豊凶を占うというもので、700年の伝統があるとされる。動物愛好団体等から「動物虐待」と批判されるのは、4年ぶりとなった今年5月の神事で転倒・骨折した1頭が殺処分されたことが大きい様である。文化財保護に任じる三重県教育委員会が、平成23年に多度大社に「動物愛護管理法の順守や馬を威嚇する行為の根絶」、「人馬に対する安全管理の徹底」を勧告したが、今回の事象で再度の改善勧告となったとされている。県教委は「文化は時代の考えや世相に応じて柔軟に形を変える必要...上げ馬神事に思う

  • ブートゥールの学説を知る

    面白いと書けば顰蹙を買うだろうが、ユニークな学説を知った。産経新聞「正論」欄で、東京国際大学の村井友秀特命教授が引用しているフランス社会学者のブートゥールの学説(我流で抄訳)《飢饉で何も対策しなければ、弱者(女子供)が死に強者(男)が生き残るので構成員間での再生産能力が失われて集団は消滅する。そうならないためには、女子供は生き残って男が死ぬことが必要となるので、種の生存本能が働いて男が先に死ぬ手段として戦争は起きる》というものである。何時頃唱えられた学説であろうかと「ブートゥール」と検索したが見つけられなかったが、おそらく「戦争は男が行なうもので、その場合も非戦闘員は殺さない」という騎士道精神の一片が残るとともに、爆撃機等による非戦闘地域への無差別攻撃などが無かった第一次世界大戦以前であろうが、大量殺りく...ブートゥールの学説を知る

  • 神学者の言行を知る

    産経新聞の「正論」欄で、ある神学者の言行を知り感銘を受けた。執筆者の新保祐司氏によると《スイス人で20世紀最高の神学者とされるカール・バルトは、1940年に54歳・大学教授であったが自ら志願して予備役防衛軍兵士として軍務についた。射撃訓練などを受けた後に、後方の事務職に就けようとする忖度を拒否して警備・立哨などの現場軍務に就いた》と紹介されている。感銘を受けたのは、彼の《おそらくそれほど有能で敵に脅威を与えるほどの兵士では無かったと思われるが、ともかくも武装し訓練を受けた兵士であった》という言葉である。現在、我々は「人類誕生以来誰も無しえなかった武力と戦争を放棄して共同体(国家)を守る]という壮大な実験の被験者となっている。現実の脅威を前に自衛隊と云う鬼子の軍事組織は保有しているものの、それすら軽武装で十...神学者の言行を知る

  • ルーベンス-2

    終戦の日。鎮魂の日、地虫のつぶやきを封印して、ルーベンス絵画を紹介することにした。戦場に倒れ或いは戦災の英霊に黙祷を奉げるとともに、台風7号の被害が少ないことを祈るばかりである。なお、ルーベンス-1はこちらから。自画像(ウィーン美術史美術館)ルーベンスと妻子の肖像(メトロポリタン美術館)ルーベンスとイザベラ・ブラントの肖像(ピナコテーク)鏡を見るヴィーナス(個人蔵)ローマの慈愛(エルミタージュ美術館)凍えるウェヌス(アントウルペン美術館)ルーベンス-2

  • 終戦の日を前に

    終戦の日を前にして、大東亜戦争に関する報道が増えている。報道の多くが依然として「開戦は政府の事変不拡大方針に従わなかった軍部の暴走」であるが、漸くにして「なぜ軍部が暴走したのか」という視点から考察する論者が散見されるようになった。「軍人の暴走に依る開戦」論の多くが始点を1931(昭和6)年の柳条湖事件や1937(昭和12)年の盧溝橋事件に置いているのに対して、「なぜ軍部が暴走」論では始点を40年ほど遡った1895(明治28)年の「日清戦争後の三国干渉」にまで戻しているのが特徴的である。云ううまでも無く三国干渉は、日清戦争の下関講和条約で日本が割譲を受けた遼東半島を独・露・仏の要求(干渉)によって清国に返還せざるを得なかったものである。「なぜ軍部が暴走」論では、三国干渉が日露戦争を引き起こす引き金になったの...終戦の日を前に

  • イージス護衛艦3,950億円

    イージス艦の建造費が1艦当たり3,950億円であると報じられた。秋田県のイージスアショア配備反対に対して防衛大臣の河野太郎氏が、ほぼ独断でアショア配備計画を白紙撤回したことによって浮上したイージス艦2隻新造での代替処置である。建造費は2隻で8,000億円となる勘定であるが、間接費用を加えると初度経費だけでも1兆円は下らず、艦齢30年までのライフサイクルコストも同程度が必要と観れば、総額で2兆円近い事業と見るべきであろうと思っている。イージス艦とイージスアショアを比較すれば、抗堪性(発射母体の生き残り度)に関してはホボ同じであると思うが、可動率に関しては概ね100%が期待できる陸上施設に比べて艦艇には検査修理で非可動とならざるを得ない期間が必要とされることから陸上施設には及ばないように思う。また、即応性に関...イージス護衛艦3,950億円

  • 大学の世界ランキングに思う

    大学の世界ランキングで、東大28位、京大46位、阪大80位、東工大91位とランク付されたことが報じられた。ランキングは英国の大学評価機関「QS」が行うもので格付は国際的にも認知されているとされている。評価項目は、教員一人当たりの論文数や外国人留学生数など9項目であるらしいが、政・財・学界が技術立国を標榜している割には、この程度で大丈夫なのだろうかと心配である。さらには、私立のマサチューセッツ工科大学・ハーバード大学・スタンフォード大学が上位にランクアップされているのに対し、日本の私立大学が顔を見せないのも残念に思える。国立科学博物館が、「収蔵品の格納棚整備」のためにクラウドファンディングを企画・実行したことも報じられたが、技術立国の基礎ともいうべき国立の博物館で収蔵設備に不足を来すなどあってよいものだろう...大学の世界ランキングに思う

  • 松川訪仏団に思う

    自民党女性局長の松川るい参院議員を団長とするフランス視察団の行動が非難されている。視察行は、団長のほか今井絵理子、広瀬めぐみ両参院議員や地方議員ら38人が少子化・子育て支援などの視察を行ったものであるが、視察・研修時間の少なさ、家族の同行、エッフェル塔前での決めポーズ写真の投稿などで「観光旅行」と非難されている。これらの行為は当然の非難に値するが、報じられた反対意見のうち「この程度の研修であれば、ネットを読めばこと足りる」という意見には頷けない。人は何故観光地に出かけるのだろうか。それこそ「ネット上の写真や記事で十分」なはずであるが、時間と費用を工面してでも現地に赴くのは好奇心を満足させる行為に他ならないと思っている。この好奇心に突き動かされ・それを満足させる行動こそが人類発展の原点で、ホモサピエンスがグ...松川訪仏団に思う

  • 自動ドアをくぐる燕

    自ら自動ドアを開ける燕の映像を見た。自動ドアを開けるのは、センサーの前で羽ばたきすることでセンサーにヒトと誤認させるという方法である。最初は偶然に自動ドアが開いたものであろうが、その経験を直ちに知識として活用するとは只者いや「ただ燕」ではない。この方法は、一昔前の重力センサーで作動する自動ドアには不可能であるが、重力センサーが感知できない幼児がドアに挟まれる事故が多発して光学式の人感センサーに改善されたことが、燕にまで余慶を及ぼしたものである。当該燕が獲得した自動ドア内での営巣安全は、人間が邪魔しない限り天敵のカラスなどがドア開閉を会得するまで保たれることだろう。古人は「賢者は歴史に学び、愚者は経験にも学ばない」と喝破した。当然のことながら自分は後者(愚者)の代表格で、数百回の負けにもスロット台の前に座り...自動ドアをくぐる燕

  • ルーベンスを眺める-1

    台風接近で不安な週末。ルーベンスを眺めることにした。Wikipediaでは《ピーテル・パウル・ルーベンス(1577(天正5)年-1640(寛永17)年)は、バロック期のフランドル(英語読みではフランダース)の画家、外交官。祭壇画、肖像画、風景画、神話画や寓意画も含む歴史画など、様々なジャンルの絵画作品を残した。ルーベンスはアントウェルペン(ベルギー)で大規模な工房を経営し、生み出された作品はヨーロッパ中の貴族階級や収集家間でも高く評価されていた。またルーベンスは画家としてだけではなく、古典的知識を持つ人文主義学者、美術品収集家でもあり、さらに七ヶ国語を操る外交官としてスペイン王とイングランド王からナイト爵位を受けた。》とされている。また《若くしてイタリアに遊学して、ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレ...ルーベンスを眺める-1

  • 夕立とゲリラ豪雨

    このところ、ほぼ毎日「ゲリラ豪雨」という言葉・報道を耳にする。以前には「夕立」と云っていたものを当世風に言い換えただけだろうと思っていたが、漸くにネットで調べてみた。結論から書くとウエザーニュースが書いている《両者ともに「急激に発達した積乱雲がもたらす同じもの」で、強いて挙げるとすれば「夕立の語源には諸説あるものの主として夕方に降っていたために「夕立」と呼ばれるようになったが、昨今では時間に拘わらず降るようになったので「ゲリラ豪雨」と呼ばれるようになった》が正解であるらしい。とは云ううものの、記憶にある夕立は夏休み中に溜池で泳いでいた時や蝉取りの真っ最中であり、10年ほど前でもゴルフの真っ最中に経験したので、「夕立は主として夕方に降る」についても少なからず疑問には感じる。更にウエザーニュースは《どちらも、...夕立とゲリラ豪雨

  • 国連のジャニーズ調査に思う

    故ジャニー喜多川氏の性加害に対する国連の調査が一応終了して、中間報告的な会見が行われた。会見では、被害が「ジャニーズ事務所のタレント数百人に及ぶ疑いがある」、「加害者に対する透明性ある捜査の確保、被害者への謝罪や金銭的補償が不十分」、「(被害者の救済には)国連の指針に基づき日本政府が義務を負う必要性がある」と述べたと報じられている。喜多川氏による所属タレントへの性加害はあったのだろうし、ジャニーズ事務所が立ち上げた「再発防止特別チームの調査」についても「透明性や正当性に疑念が残る」ものであるかもしれないが、会見内容に関しては眉唾・針小棒大と眺めるべきように思う。調査したのは国連人権理事会の「ビジネスと人権作業部会」のダミロラ・オラウィ議長と専門家(?)のピチャモン・イェオパントン氏の2人であるが、会見で舌...国連のジャニーズ調査に思う

  • 日大生の麻薬事案に思う

    日大アメフト部員の麻薬所持事件が数日報じられている。偶然かも知れないが、同事件を詳報する昨日の産経新聞社会面には、朝日大(岐阜)ラグビー部員と校名不詳(福岡)の学生が大麻所持でそれぞれ逮捕されたことが報じられている。若者を中心に麻薬汚染が広がっているとされて久しいが、「より以上の知識」を習得するとともに「更なる人格の陶冶」に努めるべく進学したであろう大学生が、漫然と麻薬に染まるのは憂慮すべき事態と思う。かって、自衛官募集を主任務とする部署に配置された際の経験であるが、自衛隊入隊試験を受けた高齢の農家の一人息子は、大学受験に失敗、1年間の予備校を経て再挑戦するも失敗して商科短大に進学して2年目、短大卒業後に再び4年制大学に進学したいと希望していた。入隊に踏み切れない彼の家庭を訪問して話を聞いたが、高齢の父母...日大生の麻薬事案に思う

  • 国民の党首選に思う

    国民民主党の党首選に立候補した玉木党首と前原議員の主張を読んだ。玉木党首は、特定の政策実現のためには政権与党と一部協調する現路線を踏襲し党名の変更も視野に入れるとしているのに対し、前原氏は反自公・野党共闘を絶対とする立民的・旧民主党的姿勢の堅持を主張されている。両者何れが党首選を制するのかは不明であるが、昨今の立民の退潮傾向を見る限りでは、所属議員や党員の考えも玉木氏に似て変化しているのではないだろうかと思っている。閑話休題。野党の存在価値は何だろうかと問いかければ。多くの人が「政権与党を監視し、暴走を阻止する」と答えるであろうが、果たして正解だろうか。東日本震災の発災直後に野党であった自民党の一部から「与野党一体化しての震災対処」が提唱されたことがあった。結果的には政権与党であった民主・社民党が単独で対...国民の党首選に思う

  • 女子サッカーW杯の放映に思う

    女子サッカーW杯で、撫子ジャパンが予選リーグを首位通過した。開幕直前まで同大会はテレビ放映されないとされていたが、直前になってNHKが放映することとなった。女子W杯がテレビ放映されないのは、女子サッカー人気が低迷していること以上に、放映権料の高騰が主な理由であるらしい。しからば放映権料は如何ほどかと調べると、確かな金額は非公開であるが、情報雀の記事を斜め読みした限りでは「男子カタール大会は約350億円で今回大会は約120億円」程度であるらしい。120億円が高いか安いかは論が分かれるところで、NHKの放映にも賛否の意見が寄せられているとされる。賛否の内容まで分からないものの、反対意見を想像する限りでは「受信料の使途として不適切」的なものであろうが、NHKは「世界に注目されて、国民的に関心が高いスポーツを視聴...女子サッカーW杯の放映に思う

  • 維新の安定成長に期待

    7月30日に行われた仙台市議選で維新が新人5人の全員当選を果たした。維新の勢力伸長は先の参院選で関東にも及んでいたが、今回の市議選で勢力は遂に白河の関を超えたと報じられている。自分も、前々回の市議選で結党間もない維新公認候補に投票し候補者は当選したものの、在職数ヵ月で不祥事のために維新除名・議員失職の事態を経験している。その原因は、偏に急速な勢力拡大に応じ得る人材を持たなかったことにあるようで、擁立候補の多くが政策に賛同して結集したものではなく、単に維新人気を利用せんがための輩であったとされている。この辺の状態を、馬場代表は7月26日の講演で「バラバラのメンバー。誰が何を考えているのか判らない「珍獣ランド」だった」と自虐し、自民党幹部は「候補の頭数を揃えるために選考が甘かったのだろう」と分析している。来る...維新の安定成長に期待

  • 防衛装備について

    産経新聞の正論欄で、「軍事力の必要性を認める勇気を」と題する主張を読んだ。論者は神谷万丈防大教授で、論旨は防衛装備移転3原則見直しの加速を求めるものであるが、《・・・平和と軍事を180度正反対の概念と捉えるのは間違っている。軍事力は平和を破壊する道具ともなり得るが、それを必要に応じて使わなければ平和を守ることができないのが現実だ」と云う点に集約されていると理解した。閑話休題。現在、抑止力(基地攻撃能力)の拡充整備に関して反対する人が少なくない。反対の意見を読むと、「反撃力保有は先制攻撃に繋がる」という意見が少なくないが、そこには神谷教授が指摘する「平和と軍事の概念」が大きく作用しているかのようである。さらに日本において軍事・防衛を語る上で見逃せないのは、有識者を始めとする世相が、人間不信とりわけ政治家と軍...防衛装備について

  • 10日の菊なれど

    我等のカープが首位攻防戦を戦っている。カープの快進撃を首位に立った翌日に書こうと満を持していたが、突発的な「今日用(きょうよう)」の出来で翌日に延期したら阪神に苦杯を喫して一日天下に終わってしまった。シーズン途中の「たかが首位」とは言え「されど首位」であり、開幕前には最下位もあり得る5位と覚悟していた自分としては、天にも昇る日々を過ごしている。投手陣が力を発揮できず・秋山選手以外の打撃陣は機能せず、の状態で最下位も経験した序盤が嘘のような現実を目にすると、そこには団体競技の持つ不思議な力が働いているように思える。守りを重視した東京五輪の稲葉ジャパンには5人(曾澤捕手は棄権)も選出されながら、パワー野球を目指したWBCの栗山ジャパンには1名(栗林投手も途中離脱)しか選ばれなかったことに示されるように、カープ...10日の菊なれど

  • Big motor事案に思う

    Bigmotor社の不祥事が連日報じられている。自分は、単にBigmotor社のガバナンスの問題と捉えているが、先日、そこそこ著名なコメンテーターがTVで「監督官庁の責任は重い」と発言されていた。経済に暗いので以下の記述は正確ではないかもしれないことを予めお断りして書き進めるが、さて中古車販売の監督官庁は?を知らないので調べてみると、「中古車販売」の許認可は古物営業法によって、都道府県の公安委員会であるらしい。そもそも古物営業法は、故買によって犯罪者が盗品を換金することを防ぐとともに、犯罪捜査の利便性を高めるために整備されたものらしく、申請者が暴力団関係者や住所不定者で無ければ誰でも認可されるほどの緩さで、事業者に求められているのも盗品等の疑いがある場合の警察への通報くらいであるように理解した。しかしなが...Bigmotor事案に思う

  • 水の起源・海の起源

    数年前までは「地球の水は落下や衝突した隕石・小天体によってもたらされた」という説が有力視されていたが、現在では否定的な説が有力であるらしい。新しい説は、宇宙の塵や小天体が合体して地球が誕生する過程で、もともと小天体が持っていた水が蓄積されたとするものであるが、「はやぶさ2」が持ち帰った試料等の分析をもとに計算すると地球は水深10㎞にも及ぶ”水球”となるらしい。原始地球では、地表が灼熱状態であったために水は水蒸気となって滞留していたが、地表の温度が下がるにつれ雨となって地球に降り注ぎ前記の”水球”状態となった。その後、地殻プレートの動きにつれて水は地球内部(マントルはおろか核にまで)に取り込まれた結果地表が現れて、現在の様な姿になったとされている。この説では、水の起源はミステリーではなく陸地が存在することの...水の起源・海の起源

  • あゝモンテンルパの夜は更けて

    モンテンルパ収容者の帰還70周年記念の会が行われたことが報じられた。小学校低学年の頃、ラジオから流れる渡邊はま子さん(1910(明治43)-1999(平成11)年)の『あゝモンテンルパの夜は更けて』を聴き、子供心にも感じるところがあったのだろうか、今も全体のメロディーと1,,2小節の歌詞はそらんじている。報道を読んで、あれから70年も経ったのかと思うと同時に、既に帰還者の全員が亡くなられた今も「モンテンルパの会」が続いているのを奇跡と感じた。改めてWikipediaの解説を要約・引用すると《1952(昭和27)年1月、渡邊はま子さんは、フィリピンのモンテンルパ市のニュー・ビリビッド刑務所に多数のBC項戦犯訴追者が収監され、既に14人が処刑されたことを知った。渡邊さんは、「戦後7年も経つのに」との思いから、...あゝモンテンルパの夜は更けて

  • 立民中川正春議員の憲法観を学ぶ

    衆院憲法審査会の野党筆頭幹事である中川正春議員のインタビュー記事を読んだ。立民は憲法審査会の議論で維新や国民の後塵を拝し、強固に護憲を主張していた東大法学士の奥野總一郎議員(憲法審査会幹事)も現憲法には改正すべき点があると認めるなど、護憲姿勢堅持にも暗雲ただならぬように思える。この状況にあって野党筆頭幹事の中川議員が、何と主張するのかと興味を持って読んだが従来の主張の繰り返しで残念に思った。特に残念に思えたのは、緊急条項としての議員の任期延長問題である。中川議員は《大事なことは、どのような状況下にあっても選挙を実施できる態勢を整えることだ》と述べているが、何やら聞きなれたフレーズである。そう《自衛力の拡充整備よりも重要なのは、そのような事態を起こさせなようにすることだ》と同じ論旨である。起きる可能性は極め...立民中川正春議員の憲法観を学ぶ

  • 八重山毎日新聞の社説に思う

    八重山毎日新聞の社説が波紋を広げている。事の顛末は、同新聞が社説で《自衛隊員と家族は人口に含まずに公表すべきではないか。そんな意見があってもおかしくない》と述べたものの、批判を受けて謝罪したというものである。未だに前時代的な主張がなされることにも驚いたが、それ以上に驚いたのは、引用記事中に赤太で表記した個所である。社説とは、新聞社の主張であり紙面全体の編集・記事の根底を成すものであると思うので、そのように他者の意見を借りる形で責任を逃れるべきでは無い様に思う。書くとすれば、《自衛隊員と家族は人口に含まずに公表すべきである》と新聞社(主筆)の意見を主張すべきではないだろうか。閑話休題記者が取材対象に質問する場面が放映されることが多いが、記者が「一部には○○のような意見もありますが・・・」と他人の意見を借りる...八重山毎日新聞の社説に思う

  • 改めて立民の軍事音痴を知る

    立民泉代表の記者会見での発言に同党の軍事音痴振りが如実に示されていると感じた。外交政策を問われた泉代表は、《(立民の)対話外交は「お花畑」みたいにとられるが、米国も(対話外交を)重視している》と述べたが、アメリカのみならず主要国で「対話外交」を軽視若しくは拒否している国は、ロシア・中国・北朝鮮くらいしか思いつかない。ロシアは防衛上の緩衝地帯を得るためにウクライナに武力侵攻・欧州へのエネルギー供給を制限・ウクライナ産穀物の流通を制限、中国は尖閣海域に軍事力を展開・有償経済援助で途上国を債務漬け・レアアースの輸出供給を制限し、北朝鮮は我意を主張するために対話よりもミサイルの発射に依っているが、そこには対話の欠片すら見当たらない。独立国家は、国連や2国間若しくは多国間の場で交渉(対話)を重ねて関係を正常に維持す...改めて立民の軍事音痴を知る

  • 上山下郷を知る

    産経新聞に寄稿された石平氏の主張で「上山下郷(じょうさんかきょう)運動」とういう言葉を知った。自分は、中国が文革後に行った都市部の紅衛兵や知識人を農村・僻地に移住させて、肉体労働・政治教育を行ったことを「下放」と認識していたが、下放政策を正当化させるための素地として「上山下郷」のスローガンがあったようである。文化大革命(1966~1976年)では、制御できなくなった都市部紅衛兵を含む約1,600万人の中学卒業生が農村や辺境に下放されたとされ、1970年代後半には下放青年の都市への帰還(回城)が認められるようになったが、それでも結婚などの理由から数十万人が移住地にとどまった(取り残された)とされている。「上山下郷運動」・「下放政策」は、都市・農村間の労働力地均し以上に都市部の不満分子や知識人を追放・再教育し...上山下郷を知る

  • 韓国KBSの現状を知る

    韓国の尹錫悦政権が、韓国公営放送KBSの受信料徴収制度を変更したことを知った。KBSの受信料(月額270円)は電気料金に含めて徴収されているために徴収率も99%であるらしいが、今回の変更では受信料と電気料金を分離するとされている。新しいKBS受信料の契約・支払い方法などの詳細は報じられていないが、受信料収入が70%減少するとも観られていることを考えれば、電気料金請求書への受信料分離記載などではなく、NHK方式にも似た個別契約・個別徴収に移行するのではないだろうかと思っている。KBSについてはこれまで、政権が変わるたびに経営陣の入れ替わりが繰り返されて政権の御用放送と化してしまうため、不利益を被る野党は受信料(KBS)改革を叫ぶものの一転して与党に返り咲けば従来制度を擁護する以上に受信料の値上げなどで懐柔す...韓国KBSの現状を知る

  • 「レダと白鳥」を知る-2

    昨日は。失われたダ・ヴィンチの作品と神話について紹介したが、本日はその続編である。ダ・ヴィンチが先鞭をつけて開拓した「レダと白鳥」のテーマは、その後多くの画家が目指すこととなったようである。紹介する9枚は、いずれもWikipedia「レダと白鳥」の項に掲載されているものであるが、高名(自分が知っている)・無名(自分が知らない)を問わず、更には印象派や20世紀前半のフォービズムの画家まで「レダ」に取り組んでいることを思えば、時代を超えて描き続けられたようで、これ以外にも更に多くの作品があるように思えるので、今後の美術館ネット訪問が楽しみである。また、中世ではダ・ヴィンチを含めレダの子供まで描いているのに対して、時代が進むとレダと白鳥の交歓に限って描かれているのも興味深い。自分が知らないだけであるかもしれない...「レダと白鳥」を知る-2

  • 「レダと白鳥」を知る-1

    7月6日に「フローラを学ぶ」と題したブログを作成したが、その中でメルツィの「フローラ(エルミタージュ美術館蔵)」がダ・ヴィンチの画風に酷似しているなぁと思った。ネット上にも情報が少ない画家であるが、フランチェスコ・メルツィ(1491年–1570年)はダ・ヴィンチの弟子で、最後まで行を共にして臨終を看取るとともに相続人・遺言の執行者とされていた。メルツィの絵画を観ようとネットを渡り歩く途中で、1692年以降に失われたダ・ヴィンチの絵画があることを知った。失われたのは「レダと白鳥」をテーマにした2枚で、1枚はレダが立っており他の1枚は腰をかがめているとされる。ダ・ヴィンチが描いたとされる根拠は、ダ・ヴィンチ自身による準備素描と崇拝者ラファエロを含む多くの画家の模写が存在することと、ダ・ヴィンチ以前には「レダと...「レダと白鳥」を知る-1

  • 私の浅(朝)漬け作法

    河野訪中団に参加した玉城沖縄県知事の言動や川勝静岡県知事の居座り成功など書きたいことは多いが、本日は自分の浅(朝)漬け作法を思い出保存のために書き留めておくこととした。自分は、朝食に出された野菜や果物を漫然と食べていたが、2・3年前のある日「出されたものを漫然と食うだけではかっての集団給食と同じでは」と思った。そして思いついたのが、自分で一手間加えるための「我流浅漬け」の作成である。いや「浅漬け」ではなく正確には「朝漬け」であるが。初日、かつお出汁ベースの液体を作って朝食に供された野菜や果物を放り込む。次の日には、前日の食材を取り出して当日の物と入れ替える。ここからがキモであるが、取り出した食材の味がどうであれ、台所に置かれた何かしらの調味料を必ず加える。この繰り返しで、液体は徐々に変身し育っていくが、な...私の浅(朝)漬け作法

  • 鳩山由紀夫氏のツイートに思う

    元総理と書くのも後ろめたい鳩山由紀夫氏のツイートが注目されている。由紀夫氏は7月9日に《ゼレンスキー大統領がNATO首脳会議でロシアに対する核攻撃を要請した》とツイートしたが、ツイッターの新機能「コミュニティノート」が〝偽情報〟と断定した。この事態を受けて由紀夫氏は12日に《ウクライナ語が解からず日本語訳を信じてゼレンスキーがNATOにロシアへの核攻撃を要請と書いたが、事実を確認できずお詫びして撤回する》と謝罪ツイートしたが、日本語訳の出処・出典を明らかにしないことから、何らかの勢力に迎合若しくは彼らの使嗾を受けた確信的発言との疑念が捨てきれない。鳩山一族は祖父一郎氏以来、ソ連・ロシア寄りであることは巷間に紛れも無く、1951(昭和26)年のサンフランシスコ講和条約でも、資本主義の西側諸国との「単独講和」...鳩山由紀夫氏のツイートに思う

  • 1年前の記事

    gooblogから送られて来る1年前のブログ記事を観た。記事は「参院選終わる」と題して、立民泉代表の《「立憲民主党の幅の狭さみたいなものが有権者に「政権を任せるにはまだ至らない」との判断を抱かせた》という敗戦の弁を受けて「泉代表の敗戦の弁は、これまでの地方組織の脆弱性や広報不足を挙げていたことに比べれば、党勢凋落の真因を言外に滲ませたもので公党として半歩の前進」と期待感を滲ませている。しかしながら、以後の国会審議を観ると相も変らぬ閣僚の首狩り戦術に終始し、更には改憲論議の門前払い等を観る限りでは立民の思考・政策の間口が広がったようには見えない。本年2月1日には『第2次安倍政権(民主党政権崩壊)以降の政策を検証する「失われた10年政策検証プロジェクトチーム(PT)」を設け、旧民主党政権が掲げた政策がそのまま...1年前の記事

  • 自然エネルギーに思う

    北海道蘭越町の試掘坑から有毒の蒸気が噴出した。試掘は、地熱発電の調査工事として行われているもので、噴出した蒸気は飲料水基準濃度の2,100倍のヒ素などを含んでいるとされている。住民の健康被害を防ぐとともに農産物の汚染が局限されるよう望むところであるが、以後の教訓とすべき多くを示しているように思える。阿蘇山麓の草千里には、約119ヘクタール(福岡ドーム17個分)に約20万枚のソーラ発電パネルが設置され、九州電力川内原発1基分の1割に当たる約8万kwを発電しているが、西日本新聞の航空写真で見ると発電施設は、バブル華やかな頃の富士山裾野のゴルフ場の有様に似て大いに景観を損なっているように感じるし、阿蘇の降灰や中国渡来の黄砂を考えれば発電素子の寿命には限りがあるように思える。化学的な根拠があるのか不明であるが、大...自然エネルギーに思う

  • 我がパジャマとファッション

    昨日、我がパジャマの尻の部分が網目状に擦切れていることを発見した。本朝のテレビで、若い女性の間で「シャツのボタンを掛け違えて着る」「シャツの半分をスラックスやパンツに入れる」ことが流行っていることを知った。自分のパジャマに関しては、格好をつけて”物価上昇によるダウンサイジングのしわ寄せ”と訴えたいところであるが、実は単なる”ケチ”と”服飾音痴”だけであろう。ファッションではない服飾について考えると、自分は、18歳までは学生服・55歳までは制服で過ごしたために、冠婚葬祭以外では何を着て良いのか分からないと云うのが本音である。自衛官定年後の再就職先での思い出であるが、入社後半年ほどして親しくなった妙齢の総務課女史から「顔を観なくてもネクタイを観れば貴方と分かるゎ」と云われた。よくよく考えてみると、2・3か月間...我がパジャマとファッション

  • 安倍元総理1周忌

    安倍元総理が凶弾に倒れられて、早いもので1年が経った。本日の産経抄で、知ったことであるが2019年のクライストチャーチモスク銃乱射事件の犯人に対して、当時のニュージランド首相が「私は今後、男の名前を言うことは無い。ニュージランドは男に何も与えない」と述べたそうである。翻って我が国を眺めると、安倍氏暗殺の男に多くのものを与えている。減刑嘆願運動を企画した者、嘆願書に署名した者、拘置所に差し入れする者、男を○○容疑者として未だに市民権を与え続けている・・・は、何を考えているのだろうか。極端な例と思いたいが、法大の島田雅彦教授に至っては『・・・暗殺が成功して良かった』とまで述べている。島田教授はどんな人かと調べてみると、海外放浪の後に文筆活動に入り、数々の文学賞を受賞されており芥川賞には6度もノミネートされて、...安倍元総理1周忌

  • 泉健太氏の先祖返り

    立民の泉健太代表が迷走の挙句に、先祖返りしたようである。立民の国政選挙に関する姿勢の変遷を振り返ると、おおまかには・枝野代表時:野党4党+市民連合で政策合意。共産党と選挙協力+政権奪取後の閣外協力=立憲共産党のイメージ定着・泉代表:共産との協力関係を白紙化⇒選挙は政党独自で行うのが鉄則⇒下部組織(県連)が行う市民連合を介した選挙協力容認⇒全野党との候補者調整を党として推進となる。泉代表の最新の姿勢「全野党との候補者調整推進」を受けて、野党共闘が大きく前進するかと思えば、維新:非共闘姿勢堅持、国民:共闘不参加、共産:泉氏の変意説明が先、と色好い反応は得られていない。泉氏は共産党が求めている「これまでの言動との整合性に関する説明」について7日の記者会見で、《「候補者調整」と「選挙協力」は別。「選挙協力」は1人...泉健太氏の先祖返り

  • 「フローラ」を学ぶ

    ティツィアーノの「フローラ」を眺めていた。他の画家にも「フローラ」と題する作品があるが「フローラと聞けば洗剤」の知識しかないので、検索してみた。Wikipediaによると《フローラはローマ神話に登場する花と春と豊穣を司る女神。ギリシア神話においてはクローリスという名の下級女神(精霊)が西風の神であるゼピュロスによってイタリアに連れて来られ、以後花の女神になったといわれており、これが後にフローラと同一視された》とされ、ローマ神話も《ローマには独自の神話があったが、紀元前6世紀からギリシアの影響を受けて、ローマ古来の神々をギリシア神話の神々と同一視する「ギリシア語への翻訳」が行われ、ローマ神話はギリシア神話と密接な関係(ほぼ同一?)を持つようになった》と、それぞれ解説されている。成る程!!、フローラは”花と春...「フローラ」を学ぶ

  • フランスの移民暴動に思う。

    フランスの移民デモが更に尖鋭化し、暴動にまで発展している。デモ・暴動の発端は、先月末にアルジェリア移民2世の17歳少年が警官に射殺されたことであるが、当初は少年を擁護していたマクロン政権も©武力鎮圧に転舵した。今後、射殺に至る経緯などは調査で明らかにされるであろうが、少年や暴動の主体が「移民2世」と云う点に鍵があるように思える。新天地を求めて、或いは戦火を逃れるために母国を後にした移民(難民)は、異国での生活が容易ではないことを覚悟して出国したために、移住先で受けた多くの困難・障壁にも耐えてきたものと思う。一方、2世以降は両親が国を捨てなければならなかったことを肌身に知らないことと、万民平等という教育を受けた目で自らの境遇を顧みると、移住先での差別や格差がより切実に感じられるのではないだろうか。同じことは...フランスの移民暴動に思う。

  • 海自地方隊の再編報道

    海上自衛隊の地方隊改編計画が進行中であると報じられた。改編の概要は、陸海空3自衛隊を統合運用する統合司令部創設のために、舞鶴・大湊の地方総監部を格下げするというものであるが、報道では改編・改組の目的を「新設する統合司令官には将(甲:四つ星)を充てる必要があり、その費用(予算)捻出のために海将(乙:三ツ星)を削減するため」としているが、皮相的すぎるのではないだろうかと思える。舞鶴地方隊の沿革を眺めると、・1889(明治22)年対ロシアの戦略の軍事拠点として舞鶴鎮守府整備計画を策定・1901(明治34)年舞鶴鎮守府が開庁、初代司令長官に東郷平八郎中将を親補・1923(大正12)年ワシントン軍縮条約により要港部に格下げ。指揮官も司令長官(親補職)から司令官に格下げとなったが、例外的に海軍中将が捕職されていた。・...海自地方隊の再編報道

  • 泉代表ご乱心

    立憲民主党の泉代表が「下部組織における”市民連合”を介した候補者調整を容認し、各県の事情を踏まえて柔軟に考える」と発言した。候補者選びは、議院内閣制下における政党活動の「1丁目1番地」であると思っているので、泉代表の発言には愕然とした。枝野幸男元代表が演出した「立共の選挙協力と閣外協力」が立民凋落の引き金となったために泉代表は「表立っての共産党との協調解消」を選択したものの、下部組織からの突き上げに窮して今回の発言に至ったものであろうと推測しているが、下部組織すらコントロールできないの執行部では、多様な主張で成り立っている国家と云う巨大機構をコントロールすることは不可能に思える。枝野構想にあっては好悪・是非は別にして、少なくとも「政権の奪取・運営のビジョン・デザインは自分(執行部)で描く」という政治家・政...泉代表ご乱心

  • ジョン・カンスタブル-2

    武漢コロナが猖獗を極めていた2021年4月、外出自粛で「カンスタブル展」の観覧断念を書いた。その際に「跳ねる馬」・「干し草車」・「フラットフォードの製粉所」の3点を紹介した。その後、PC美術館の整理と「カンスタブル口座(フォルダ)」を見直して不鮮明な画像を削除したが、それでも30点近くが残った。本日は、既掲載の3点を除いた5点を紹介しまので、真夏日の納涼にお役立てください。「主教の庭から見たソールズベリー大聖堂」(米・フリック・コレクション蔵)「草原から見たソールズベリー大聖堂」(テート美術館蔵)[白い白い馬」(米・フリック・コレクション蔵)[水門」(英・ロイヤルアカデミー蔵)[水門」(個人蔵)ジョン・カンスタブル-2

  • 市川猿之助報道に思う

    市川猿之助氏が自殺ほう助の疑いで逮捕された。事の起承は取り調べや裁判で明らかにされると思うが、事件の発端に関しては些かの違和感を持っている。これまでのところ週刊誌が「猿之助氏のパワハラ」を報じたことが発端とされているようであるが、今ではパワハラの有無に関しての考証・追加取材を報じるものは無く、本人の自殺未遂と云うことも加わってかパワハラは既成の事実とされている。これは、発信元以外の報道各社が、事実関係を追加取材することも無く「週刊誌によると・・・」と際限なく続報し続けたことが大きいように思える。確かに「週刊誌によると・・・」は引用に過ぎない正確な報道であり、若しパワハラが事実無根であったとしても引用者に責は及ばないと考えているのであろうが釈然としないし、もしパワハラ行為が真実でなかった場合には発信元と同様...市川猿之助報道に思う

  • 傭兵考

    ロシアの民間軍事会社ワグネルの反乱が終息した。反乱の動機や経過は現在のところ憶測の域を出ないが、ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介で「ワグネルはモスクワ進軍を停止・プリコジン氏はベラルーシに亡命」、プーチン大統領は「プリコジン氏に対する訴追を撤回、ワグネル構成員の免責」で手打ちされたとされている。1週間前まではワグネルを率いたプリコジン氏は「プーチンの料理番」、ワグネルも「プーチンの私兵」とされてプーチン大統領に全面的忠誠を誓っていたことを思えば将に隔世の感がある。ワグネルの構成員の大半がロシア人とはされるものの、多くはワグネル入隊を条件に一時的に解放された囚人であるともされているので、ワグネルはロシアに忠誠心を持つ義勇軍ではなく金銭を仲立ちとする傭兵であると思っている。以下は、記憶を頼りの記述であるの...傭兵考

  • タイタン事故に思う

    タイタニック見物ツアー潜水艇の事故が報じられた。ツアーは、米国の旅行会社「オーシャンゲート・エクスペディションズ」が保有する潜水艇「タイタン」で行うもので、費用は3,500万円とされている。事故は、タイタンの潜航直後に通信が途絶したものの「潜水艇内からの打撃音がする」との情報もあって各国は共同して捜索・救助活動をしていたが、結果的には、フランスの潜水調査船がタイタンの残骸を発見したことで、「潜水艇の圧壊によって乗員・乗客5人の死亡確認」という結末を迎えた。現在、潜水艇圧壊の原因は断定されないながら、「繰り返し応力による耐圧殻の金属疲労」が有力と推測されている。我々世代は、幼児期には「島国日本。海洋国家日本」、長じては「技術立国NIPPONN」と教えられてきたが、今回の事故報道などを観ると、それらは神話と化...タイタン事故に思う

  • バックホイゼンを眺める

    バックホイゼンの海洋画を眺めている。Wikipediaによると《ルドルフ・バックホイゼン(1630(寛永7年・徳川家光)年-1708(宝永5年・徳川綱吉)年)は、オランダ国境に近い現在のドイツのエムデンに生まれた。アムステルダムの商家で事務員及び司書として働きながら海洋画家のウィレム・ファン・デ・フェルデに影響を受けてペン画で、港の船の絵を描き始めた。その後、油絵の技術を学び、ヘンドリク・デュベルスの弟子になり、海洋画家アラールト・ファン・エーフェルディンヘン)の元で働き、海洋画家として国外でも知られるようになった。1666年にアムステルダム市からフランスの大臣に贈る絵画として注文を受け、現在はルーブル美術館に収蔵されている「アイ湾からのアムステルダムの眺め」を描いた。アムステルダムで最も重要な海洋画家と...バックホイゼンを眺める

  • 野次男女の判決に思う

    令和元年の参院選、北海道遊説中の安倍元総理の街頭演説を妨害したとして道警から排除された男女の控訴審判決が報じられたが、隔靴掻痒の感がある。原告の男女は「排除は言論・表現の自由の侵害」と北海道(道警)に賠償を求めていたが、高裁は、女は「妨害の程度が低く道警の排除は違法で1審の55万円賠償命令を支持」、男は「周囲の反感からの野次男保護にかなう行為で適法・請求棄却」と報じられている。素人観では、「野次そのものは言論・表現の自由であり保護されるが、周囲から危害を加えられる程度であれば違法」と裁判所が判断したものと受け止めている。では、安倍元総理側が「野次によって言論・表現の自由が損なわれた」と訴えた場合の判断はどうなるのであろうかと興味が湧く。現在の民事訴訟法では、訴えが無い限り司法が判断することは無いので、今回...野次男女の判決に思う

  • 政府広報に思う

    ここ2,3週間、マイナンバーカードの紐付け作業について連日報道されている。報道の多くは、登録時の人為的ミスであるが、マイナンバー制度不要論も依然として根強く残っているように思えるが、ここに来て、マイナンバー制度の拡充はIT後進国の汚名返上のみならず、更なる少子化社会の将来に備えるためには必要不可欠であるとの意見も出始めている。その際、一様に「マイナンバー制度のメリットに対する広報が不足している」との意見が付け足されるが、この「為政者が行う広報」とは何だろうか。今回のケースでは、岸田総理も通常国会閉会時の会見でメリットを述べているとされるが「サテ?」記憶にない。会見をダイジェスト編集するテレビでは流れないし、会見の全文を掲載する新聞報道でも興味のある防衛と憲法以外は斜め読みしたのであろう。総務省・デジタル庁...政府広報に思う

  • ネット作法を学ぶ

    本日の産経紙面で、ネット作法に関して自戒すべきワードを教えられた。東大大学院の鳥海不二夫教授は、《情報を得るのはそもそも楽しむ行為であり、気持ちの良い情報に浸る一方、実はどういう情報を観たいかを自己決定すらできない》。ハーバード大の法学者キャス・サンスティーン氏は《偶然の出会いと共有される経験が大事で、自分が選ぶつもりの無かった情報に曝されず社会の多くが共通経験を持たなければ、社会は分断して社会問題への対処は困難になる》と、それぞれ述べておられるとし、産経紙は《この風潮を助長するのは(検索履歴などから)アルゴリズムで利用者の嗜好に沿うとみられる情報を推薦する「アテンションエコノミー」という経済モデルである》と続けている。数年前までは、検索エンジンでの表示は閲覧・アクセスの総数順に並べられていたが、現在は前...ネット作法を学ぶ

  • 陸自の発砲事案に思う

    陸自の小銃射撃訓練で、隊員3名が死傷する発砲事案が起きた。現在までに判明しているのは、犯人が新隊員教育中の18歳隊員、死亡したのは教官である1等陸曹(52歳)と3等陸曹(25歳)、負傷したのは3等陸曹(25歳)である。犯人が目標としたのは1等陸曹の教官で犯行動機は「叱られたため」と速報されているが、詳細については不明である。死傷した3名は犯人に濃密な教育を施す関係に無かったとされているので、おそらく射撃や射場における教育のみの関係であったように思える。海上自衛官としての経験では、本人やバディを危険に晒す実弾射撃と消火訓練だけは指導・教育に際して身体的に強固な強制を加えるのが黙認されていたが、陸自にあっても射撃時の不安な行動や射場規律違反に対しては、罵声を浴びせることもあったであろうし鉄兜の上からではあるが...陸自の発砲事案に思う

  • リニア・静岡県

    頓挫しているリニア中央新幹線建設計画が、漸くに前進の気配を見せ始めた。リニア中央新幹線については「東海地震における東海道新幹線の代替路線」や「東海道新幹線自体の老朽化による長期運休補完」等の理由から、2011年5月に整備計画が決定され、2027年には東京~名古屋間で先行開業(最速で40分)、東京都~大阪間の全線開業は2037年を目指し、その場合は東京~大阪間は最速67分で結ぶとされていた。ルートや途中駅の選定時から通過する各県での思惑が入り乱れて前途多難の様相を見せていたが、何とか合意できたものの着工できずに当初計画であった先行開業は大幅に遅れることとなった。最大の原因は、途中停車駅が得られなかった静岡県(川勝知事)がへそを曲げて「トンネル掘削によって大井川の水量が大幅に減少する」と難癖をつけたものと思っ...リニア・静岡県

  • 松原仁議員離党へ

    立憲民主党の松原仁議員(66歳)が、離党届を提出したが執行部は保留しているらしい。離党の理由は、活動の拠点としていたから旧東京3区(品川区・島嶼部)が「十増十減」に伴って東京3区と東京26区に分割されることに起因している。松原議員は、新設の東京26区からの出馬を希望しているものの新3区に擁立する意向の泉執行部・都連と対立して解決の目途が立たないことを挙げ、来る総選挙には無所属で新26区(目黒区、大田区北西部)から立候補するとしている。松原議員の渡り鳥生活を列挙すると、・大学卒業後、松下政経塾に入塾(第2期生)・1985年新自由クラブ公認で都議選に出馬するが落選・1989年無所属(税金党推薦)で都議選に初当選し、当選後に自由民主党に入党・1994年新進党結党に参加・1996年任期途中で第41回衆議院議員総選...松原仁議員離党へ

  • 「白神山地」再び

    怠惰な自分には稀有の事であるが、今年になって4枚目の絵が完成したので、御高覧を。先に掲載した白神山地の対?と位置付けるべく選んだモチーフであるが、如何でしょうか。日本画には横山大観、菱田春草等が得意とした「朦朧体」という表現があるそうで、伝統的な日本画の輪郭線を廃した技法は日本画に革新をもたらしたとされている。今回は、対象物以外をデフォルメすることの延長として、背景作成には朦朧体を意識して書いてみました。「白神山地503」(P20)再掲「白神山地203」(F10)「白神山地」再び

  • 努力は足し算・・・

    昨日の産経抄に、《努力は足し算。協力は掛け算》という警句が15年程前に「手帳の高橋」で有名な高橋書店の「メモしたくなる名言」に収録されていると書いてあった。昭和60年代末期の幕僚勤務時代のことであるが、幕僚部の計画した作業がチームワークの齟齬で失敗とまでは至らぬものの成功とまでは呼べない結果を招いたことがあった。これに対して、1佐部長は幕僚全員を集めて「所詮おまえらは"0"だ。足しても掛けても"0"にしかならない」と口を極めて罵倒した。幕僚の中には2佐室長や旧海軍大学に匹敵する指揮幕僚課程修了者もいたので幕僚全員の能力が0とするのは言い過ぎであろうが、叱られ慣れている上に当該作業に深く関与しなかった自分は神妙な顔を取り繕いながらも「流石に1等海佐。旨いことを言うなぁ」と内心で思っていた。産経抄は高橋書店が...努力は足し算・・・

  • 世の中いろいろ

    前参議院議員のガーシ氏(51歳)が滞在先のドバイから強制送還され逮捕された。ガーシー氏は旅券失効後も、王族との縁故による特別の滞在ビザでUAEに留まっていたが、突然に「貴方はUAEには居られない」と通告されて、着の身着のまま日本直行便に乗せられたとされているので、事実上の厄介払い・国外追放・強制送還であろう。伝えられているところでは逮捕後に「(暴露配信が)違法とは知らなかった」と弁護人に語っているとされるが、氏の「確信的に刑務所の塀の上を歩いて来た」かの来し方を眺めれば、御笑い種である。スシローが「ちょいナメ少年」に6,700万円の損害賠償を求めて提訴した。今後、裁判所がいかなる判断を下すのか判らないが、株価の下落による資産の減少や、客離れによる逸失利益などは別にしても、風評被害局限のための直接経費だけで...世の中いろいろ

  • 参院法務委員会の御難から

    参院法務委員会がご難続きである。ご難は、入管改正法の委員会審議に起きたが、委員長席にダイブした山本太郎議員には懲罰動議が提出され、記者席からの野次で審議を妨害した東京新聞の望月衣塑子記者には苦言が呈されている。これら一連の騒動で幾ばくかの知識(雑学)が入手できた。山本議員の例では、法務委員でない議員も委員会場に顔出しができることである。そういえば、予算委員会の映像でも委員席の後ろに椅子が並べられていたので、委員ではない議員も傍聴できる仕組みなのだろう。委員でない議員が臨場するのは、勉強・研鑽のためや野次応援が主な目的であろうが、山本議員のように肉弾特攻を決意した上で臨場しているケースも有るようである。昭和時代の乱闘国会では、本会議場の議長席周辺が主戦場であったが、衛視や警官の防御が固く中々に本懐を遂げるこ...参院法務委員会の御難から

  • 奥野議員ブレる

    改憲必要とも受け取れる立憲民主党奥野總一郎議員の私見が報じられた。奥野議員は衆院憲法審査会の幹事で護憲の旗頭とも云える存在と認識しており、本ブログでも《東大卒の法学士でありながら「現行憲法の何が問題なのか分からない」という発言は疑問》と書いたことがある。今回の発言は、衆院の憲法審査会で立憲民主党の公式見解である「改憲しなくても参院の緊急集会で対処可能」とは異なり、「参院の緊急集会では対処困難なものがある」と発言したものである。憲法では、予算の決定や法律の制定に関して衆院の優位を規定しており、それらについて参院が否決しても衆院で再可決した場合には成立するとされている。いわば「予算と法律」について憲法は、参院の審議と採決は「参考的」と捉えていることは明らかで、その趣旨に照らせば、参考的な権能しか与えられていな...奥野議員ブレる

  • LGBTは自認で?

    LGBT法案が16日にも成立の見込みと報じられた。LGBT者の存在を別世界の出来事としか思えない自分では、「気持ち悪い」という思いはあるものの彼等を攻撃する気持ちは無いので、法案に特別の関心を持っていなかったが、法に依って保護される対象が「自認(自己申告)」で良いとするのは将来に禍根を残すことにならないだろうか。かって、パラリンピック陸上の女子400mで、オーストラリアの女性ランナーが新記録で金メダルを獲得したが「男性では?」と騒動になり、アメリカでは水泳の学生選手権でLGBT女性スイマーが新記録を連発したことがあった。このことを観ると、LGBT先進国でも「男性の筋力・運動能力を持つ者」や「本来の性対象を隠す者」が「気持ちは女性」とする主張を無下に却下できないという矛盾を抱えているように思われる。ましてや...LGBTは自認で?

  • 米艦に140m-2

    アメリカとカナダが、中国軍艦の無法接近動画を公開した。昨日の新聞報道では「140mで米艦の進路を横切った」とあったが、映像を見る限り「中国艦は、高速を以て米艦の後方から内寄り10~20度の針路で米艦を追い越し、両艦の針路が交差したのは米艦の前方500m、最接近距離は140mであった」が正しい様に推測されるので、米艦は緊張したではあろうが衝突の危機感までは持っていなかったのではと推測している。いずれにしても、中国艦の行動は悪質な「幅寄せ」行動であることには変わりないものである。道路上の危険運転と同じであるが、無法運転された側からは相手の意図が不明なことで疑心暗鬼の誘発・増進に繋がってしまう。韓国海軍駆逐艦の火器管制レーダ照射時にも書いたことであるが、海自機は韓国駆逐艦に攻撃の意図があるのか?・砲やミサイル発...米艦に140m-2

  • 米艦に140m

    中国海軍艦艇が、台湾海峡で「自由の航行作戦」従事中のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「チャン・フー」の前方140mを横切ったことが報じられた。艦船の運動性能を示す一つに「傘型危険界」がある。ある速力で航行中に「面(取)舵一杯・後進一杯」を下令して艦船が停止できる範囲が傘型を示すことから名付けられたものであり、艦船の大きさ・船型・航行速力・舵効性能・機関性能・操艦者の判断にもよるが、20ノット以下の巡航速力で航行中のガスタービン機関駆動駆逐艦では、進行方向に200m程度は必要であるように思う。今回のニアミスについては、米艦が針路を維持したまま減速することで衝突は回避されたと報じられているので、操艦者は余裕をもって冷静に対処したものと思われるが、海の上での140mは手を伸ばせば届きそうにも感じられる距離である...米艦に140m

  • 「敵に塩を送る」を考える

    先日、テレビの歴史物で「謙信の塩送りは嘘で、却って塩の売却で巨利を得た」とのコメントを観た。近年、古文書の発掘などによって「かっての歴史が見直されるケース」が多いので聞き耳を立てたが、どうやら話者が現在の価値観を以てする独断・偏見であるように思った。いろいろな文字資料を突き合わせると、謙信が武田信玄に塩を無償で送ったと記された資料は無く、武田氏包囲網を主導していた北条氏の「武田領への塩の輸(移)出禁止(塩止め)の呼びかけに応じなっかただけであるようであるが、謙信が自領の塩商人に対して現行の塩の売却価格を維持するように命じるとともに、その旨を信玄に書状で知らせていることは確認されているようである。テレビでの話者は、今様の「敵将に戦略物資を送ることは考えられない」ことを前提とされていたが、当時の武士、就中「謙...「敵に塩を送る」を考える

  • 滅私奉公・減私奉公

    異次元の少子化対策についての財源問題が大きく取り沙汰されている。政府は国民の負担を極力縮小するよう企画・調整中とされているが、どのような策を採っても幾ばくかの負担増は避けられないと思っている。これに関しては、テレビでは多くの識者が「政府はもっと知恵を絞れ」と言を結んでいるが、論述の端々や言外には財源捻出のためには「防衛費の圧縮」と「国債の発行」が垣間見えるものが多い。大東亜戦争後には、自分の父親を含めて朝鮮・満州・南洋諸島に生活基盤を築いていた人々は、不動産はもとより動産の多くが軍票や戦時国債であったために、一挙に全財産を失うという辛酸をなめた。自分の記憶でも、「満期時には家1軒立てることができると計画していた定期貯金」が満期を迎えて数百円の払い戻しを受けて苦笑していた父親の顔を記憶しているが、それらにつ...滅私奉公・減私奉公

  • 憲法学者は必要か

    参院憲法審査会で、憲法学者3人が「参院の緊急集会」に意見を述べたと報じられた。憲法は、参院の緊急集会を「衆議院議員が失職した場合に限り、総選挙を経て臨時国会が召集されるまでの期間に可能」と規定しており、他の規定を併せるとどう読んでも開催可能な期間は最大で70日間である。産経新聞の記事では、京大の土井真一教授が「70日を過ぎた段階で参院議員が国民にとって必要な法案や予算案の審議を打ち切れるかというと非常に困難だ」と述べて、70日を超えても開催は可能だとする見解を示したとされる。確かに、70日が経過しても衆議院の機能が回復しない場合も想定されるが、だからと言って、明らかに予測できた事態をも「想定内」で「現実が求めれば憲法規定は無視できる」とするのは憲法の形骸化・無視に手を貸すことにならないだろうか。1神教の神...憲法学者は必要か

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