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2017/11/29

  • BTS入営に思う

    世界的に有名な韓国の人気グループBTSのメンバーが入営する様子が報道された。最早ミュージシャンとは懸け離れた「短髪・アーミーカット」で仲間と談笑する姿を観て、改めて徴兵制や軍務について考えた人も多いのではないだろうか。日本では「徴兵による軍務」=「苦役」と短絡するが、男子皆兵の韓国では徴兵に応じるのは国民の義務であり、既に日本人が失った「徴兵による短期軍務の義務を果たすことで漸く一人前」という土壌・風潮が未だ健在であるように思える。ベトナム戦争当時、世界最強ボクサーのカシアス・クレイは「俺に試合させれば1試合で戦闘機が買える」と述べて徴兵応召を拒否したが、チャンピョンベルトを剥奪されボクシング界からも一時追放された。後に、イスラムに改宗しモハメッド・アリとなって復権を果たすものの、長い時間が必要であった。...BTS入営に思う

  • 岸田総理襲撃事件に思う

    選挙運動中の岸田総理に対するテロ攻撃が起きた。要人に対するテロは安倍元総理に続くもので、それも1年間に2度も現職総理が標的とされたことに、驚きと怒りを覚えるとともに暗い世相への序奏だろうかと案じている。今回のテロリストの主張や背景は、次第に明らかとなるであろうが、犯人が現時点で完全黙秘していることから核心的な政治テロかとも思っている。浅沼稲次郎氏を刺殺した少年は、父親の属する自衛隊を否定する社会党の主張を嫌悪したためとされており、安倍氏銃撃犯は家庭崩壊の遠因として安倍氏と統一教会の関係を挙げている。しからば、両名は何を根拠に犯意を固めたのだろうかを考えると、「市井の噂」を盲目的に信じたように思える。現在の「市井の噂」の代表は本ブログを含むSNSと思えるが、そこには「根も葉もない推論」と「発信者の独善」に満...岸田総理襲撃事件に思う

  • 難聴哀歌

    定期的に集まっている高校クラス会のマドンナから、所属する合唱会の定期演奏会に誘われた。自分は難聴で、それも30代後半から常時耳の中でディーゼルエンジンやガスタービンエンジンが回っているために聴力は低下しており、特に一般人の可聴域とされる20~2万Hzのうち2000~5000Hzにおいては極めて低下している。自衛隊在職時の聴力検査でも聴力不足と診断されていたものの治療法も無いために放置していたが、加齢による聴力低下も加わってしまった。耳鳴りの原因については「多分これだろう」というものはあるものの、仄聞するところでは難聴の原因を特定することはできないとされているらしい。現在、自衛艦の機関室にはヘッドセット型のイヤーマフが常備されて機関員には騒音下での装着が義務付けられているが、かってはトイレットペーパを丸めて...難聴哀歌

  • 英国王戴冠式への秋篠宮殿下御出席に思う

    5月6日のチャールズ新英国王の戴冠式に秋篠宮殿下ご夫妻が御出席されることが閣議決定された。秋篠宮殿下の御出席について天皇陛下が御出席されるべきでは?という意見もあると報じられているが、自分は今上陛下即位の礼に高齢であった当時のエリザベス女王に代わってチャールズ皇太子が参列されたことから、当然であるのではと思っていた。また、アメリカでも副大統領が代理参列することに日本と同様な意見もあると報じられ、加えてこれまでもアメリカの大統領が参列したことは無いとされていることについて自分は、独立戦争の確執以降の慣例だろうとも思っていた。しかしながら、英国政治外交史を専門とする関東学院大学国際文化学部の君塚直隆教授によれば、「各国の王や女王の序列は在位歴によって決定されるので、戴冠式主役の新王や新女王よりも在位期間の長い...英国王戴冠式への秋篠宮殿下御出席に思う

  • 陸自機の墜落に思う

    宮古島沖に墜落した陸自機の本体と思われる水中物標を発見したことが報じられた。通常の交信後2分間で機影が消えたとされていることから、墜落原因について数々の憶測が為されているが、今後の調査に待つべきと思っている。本日は、艦艇の装備に関する「都市伝説的」あれこれである。昭和40年代以降、大型艦から順次全艦冷暖房が取り入れられたが、最初に全艦冷房を採用した「あまつかぜ」では、乗員のためではなく対空ミサイル管制システム冷却が目的であるという噂が専らであった。まだ官民ともに全館(艦)冷房や区分冷房のノウハウを持たなかった時代であるので、機器冷却のための最適温度を保つために乗員は夏でも防寒ジャンパーを着用することもあったが、このことは自衛艦のみならず米艦でも同様で、昭和50年代後半に見学したイージス艦でも少なからぬ乗員...陸自機の墜落に思う

  • 5分間講話について

    海上自衛隊には5分間講話という教育手法がある。任期制の海士には課せられないが、職業軍人と看做される海曹以上には必須のもので、定められたテーマや自由な意見を5分間程度に纏めて話すものである。5分間講話については、一般隊員は海士から海曹に昇任した際に受ける教育課程で、大卒の幹部候補者は江田島の幹部候補生学校でそれぞれ初体験するが、一つのテーマを5分間で起承転結させることや5分間話し続けることは思いの外に難いものである。このような教育の故であろうか、結婚式を始めとする行事におけるロングスカートをはいた来賓挨拶・スピーチには飽き飽きする。ましてや冒頭に「挨拶とスカートは短い方が」なる前置きがあろうものなら更に鼻白む思いがする。30代に艦を下ろされて隊員のリクルートを主任務とする〇〇県地方連絡部に転属させられ、それ...5分間講話について

  • 統一地方選結果に思う

    統一地方選の前半戦が終わった。今後、専門家?による選挙結果の分析が行われるものと思うが、素人観には自公:微増、立民:現状維持、共産:激減、維新:躍進に思える。国政選挙と異なり地域の利益や直面する問題などによって結果が必ずしも国家観や国家戦略の如何についての判断を示すものではないだろうが、今回の選挙結果からはそれらに関する有権者の意識が微妙に変化していることが窺えるように思える。10年ほど前までは、選挙のプロは「憲法と防衛は票にならない」として国政選挙では「選挙区への利益誘導」、地方選挙では「中央政界とのパイプ(予算)の太さ」がキーワード・公約であり、如何に有権者の懐を肥やすことができるかを競っていた。閑話休題。第二次大戦以降に起きた宣戦布告は無いものの実質的な戦争を眺めると、原因はイデオロギー・宗教・民族...統一地方選結果に思う

  • グイド・カニャッチの作品

    「スザンナと長老たち」に引き続く、カニャッチ作品です。Wikipediaでは《グイド・カニャッチ(1601(慶長6)年~1663(寛文3)年)はバロック期のイタリアの画家である。宗教画を描いていたが、40代の後半から官能的な女性を題材に描くようになった。母親は伝道師の娘で父親も後に伝道師の仕事をした。ボローニャでグイド・レーニやルドヴィコ・カラッチに師事した。1628年に裕福な伯爵家の未亡人と恋愛関係になり、庶民と貴族が結婚が許されなかったので、駆け落ちをしようとして失敗し街を追放になったこともあった。1648年頃から半裸の女性像や官能的な作品を描くようになり、1660年頃に神聖ローマ皇帝レオポルト1世の招きでウィーンに移り、代表作とされる「クレオパトラの死」を描いた》と解説されている。ちなみに、彼の生ま...グイド・カニャッチの作品

  • そんなことが!!

    立民・社民会派の3名が参院本会議場から退場したことが報じられた。今の時期に恒例の「ボイコット」かと思いつつ、続きを読んで「そんなことが!!」と驚いた。退場したのは立憲民主党の牧山広恵(議員歴16年)・石川大我(議員歴4年)議員と、社民党の福島瑞穂(議員歴25年)党首で、特に牧山議員は立民ネクストキャビネット(NC)の法務大臣である。3議員の退場原因は「本会議で採決する法案(裁判所職員定員砲改正案)を審議した法務委員会で”本来反対すべきところを誤って賛成”した」ためとされているが、小学校低学年でもあるまいに国民の負託を受けた選良が賛否を間違って挙手すること等あるのだろうか。それとも、周りが挙手したので条件反射的に挙手したのであれば、小西議員の云う「サル」が本当に国会にいたことになるが(笑)。この報道で始めて...そんなことが!!

  • パンダ・ハガーを知る

    日本では「媚中派」と呼ばれる一団を英語では「パンダ・ハガー(パンダを抱く人)」と呼ぶことを知った。折しも、既に媚中派の代表格とされる二階俊博議員(84歳)が、林芳正前会長が2021年11月の外相就任を機に辞任し空席となっていた日中友好議員連盟の会長に就任したが、二階議員の心情を推し量るならば「84歳にもなったことだし、隠れキリシタンの衣を脱ぎ捨てても」ではないだろうか。改めて日中議連の顔ぶれを眺めると、副会長には岡田克也・海江田万里・北側一雄・志位和夫・古川元久・福島みずほ議員と錚々たる顔ぶれであるが、いずれもが何やら「腹に一物」感を漂わせている顔ぶれである。日中友好議員連盟は、中国政府が「中日友好団体」と認定している7団体の一つであるが、7団体については2019年にアメリカ政府と国防省情報局(DIA)が...パンダ・ハガーを知る

  • サル騒動

    自分は「春休み防衛戦」で孫にノックアウトされたが、同時期に小西洋之議員も完敗・自爆の憂き目に遭っている。小西議員は自身が野党筆頭幹事である参院憲法審査会の開催に関して「毎週開催はサル・蛮族の所業」と放言し、さらに発言撤回の会見でも謝罪すること無く「オフレコ無視、切り取り」という報道機関への抗議に終始し、将に「引かれ者の小唄」という醜態を晒してしまった。いわゆる小西文書で高市大臣の首を狙ったものの、小西文書が捏造とは断定されないまでも怪文書との評価が定まった今となっては恥の上塗であるが、最初に「サル報道」したNHK・フジTVの取材拒否の広言に至っては高市大臣追及の論拠とした「放送法の恣意的運用や報道の自由」を自ら犯すという、お粗末さに思える。小西議員のサル発言は、立憲民主党の憲法観と護憲努力を窮地に追い込む...サル騒動

  • スザンナと長老たち

    昨日のブログで、ガーシー容疑者を応援したであろうSNS世代を念頭に置いて尤もらしく書いたことを後悔している。自分の現在を思いつつ昨今の世情を観ると、連日のように高齢者の不祥事が報じられる。曰く、ブレーキとアクセルの踏み間違い・近隣トラブル・老々夫婦間トラブル・・・と、いずれもが悲惨な結末であることが多い。本来、経験を積んだ高齢者は、世の手本とまではなれなくても、社会に迷惑を掛けない存在であるべきであろうが、背中に苔が生えても中々に枯淡の境地には辿り付けないのが実状である。そんな後悔の念にさいなまれながらPCの私設美術館を眺めていると、若い半裸の女性を好色の眼で覗き見する老人が描かれているカニャッチの「スザンナと長老たち」という絵に目が留まった。”スザンナって誰”とWikipediaで調べてみると、《ヘブラ...スザンナと長老たち

  • 民意と民度

    フランスの年金支給年齢引き上げに対するデモが長期化・尖鋭化している。リタイア大国とされるフランスでは、62歳からの年金受給を前提に60歳でリタイアするのが一般的で、もはや「文化」と呼ばれるほどに定着していたが、少子・高齢化等によって年金制度の将来は決して明るくないとされていた。この不安解消のためにマクロン大統領は支給開始年齢を2030年までに64歳まで段階的に引き上げる法案を成立させたが、既得権の侵害との反対デモはますます尖鋭化している。先進各国の実情を見る限り、フランスが目指す64歳支給開始は当然若しくは已むを得ないように思えるが、フランス革命に象徴される自由フランス人にとっては「62歳支給は先人が勝ち取った譲れない成果」と捉えて我慢ならないものであるらしい。デモには「国民投票で決すべき」との主張もある...民意と民度

  • 必勝しゃもじに思う

    岸田総理が、ウクライナからの帰朝7時間後に参院予算員会に出席された。今回のウクライナ訪問は、安全確保のために国会の事前承認という慣例に従わない行動であったので、当然のことながら質問の中心は、ウクライナの現状・支援の要否・閣僚の海外訪問慣例の見直しなどであると思って注視したが、案に相違して、既に不確かであることが明らかとなっている小西文書、それも争点たるべき放送法運用の如何ではなく高市大臣の更迭であった。加えて、総理がジェレンスキー大統領に贈った”必勝しゃもじ”が取り上げられたのには驚かされた。”必勝しゃもじ”を取り上げたのは、立憲民主党の石垣のり子議員であるが、G7首脳のウクライナ訪問に際しては全ての国が直接の軍事支援をプレゼントしているので、その流れから、更には提案型政党を標榜する立憲民主党であれば「プ...必勝しゃもじに思う

  • 首狩り族の攻防

    小西文書に基づく高市大臣を巡る攻防は、本意を離れて今や首狩り族の様相を呈してしまい興味を失った。「行政文書」とは呼べないメモ・覚書の類で、かつ相当数が作成者不明である文書(資料)が公人を攻撃する材料となるのであろうかという疑問を拭えない。日本の歴史学会では、文字資料を第1級資料として尊重し当時の時代背景に基づく推論は一切排除されると聞いているが、今回の応酬を観る限り永田町でも同様であるような気がする。総務省職員が放送法の運用や改正に関する検討を命じられたら、基本的な手法に則って考えられる限りのアウトプットを列挙することから始めるだろう。その場合、「何もしない」を最初に・・・最後は「国営放送(NHKではない)1局のみとする」まで多くの選択肢を縦軸に列挙し、それぞれの項目の利害・合憲性・社会に及ぼす影響・・・...首狩り族の攻防

  • プーチン大統領に逮捕状

    国際刑事裁判所(ICC)が、プーチン大統領に対する逮捕状を発行した。逮捕状容疑はウクライナからの子供連れ去りを始めとする「戦争犯罪」とされている。現在ICCに加盟しているのは123か国でロシア、アメリカ、中国、インド、イスラエルなどは加盟していないので逮捕・裁判は現実的には不可能であろうが、国家元首に対する史上3人目の逮捕状発行の意味は大きい様に思うとともに、ウクライナ事変が終結した後もICCの逮捕状は有効であるために、事変後のプーチン外交にも少なからぬ影響が出てくるように思える。コロナ禍はリモートでの首脳会談を普通のこととしてしまったので、事変後にあってもプーチン氏がICC加盟国を訪問して対面形式の首脳会談を行う必要性は少なくなったとはいえ、国際舞台でのパフォーマンスを制約されることはロシアにとって少な...プーチン大統領に逮捕状

  • 老闘士の除名を知る

    共産党が、更なるオールドコミュニストを除名したことを知った。除名されたのは、古参党員の鈴木元氏(78)で、除名理由は「志位和夫委員長の辞任と党首公選制による党改革」を求める著書を出版したこととされている。78歳という年齢を考えると、鈴木氏は松川・下山事件等のテロ闘争を小学生時代に見聞きし、「マルキストに非ずんば知識人に非ず」と栄華の巷を低く見つつも世間からは疎外され続けたバブル期にも日和ことなく堅固に節を守った、筋金入りの闘士であろう。半世紀以上も堪えてきた老闘士が、自分の意見を述べるのに出版という外部の力を借りなければならないという「民主集中制」の締め付けは、組織内部にあってより良い改革を模索する人にとっては鉄格子に近いものなのだろうか。共産党は2月にも松竹伸幸氏を民主集中制違反として除名しているので、...老闘士の除名を知る

  • 国会議員の除名を考える

    遅しに失した感あるものの、当然のことながらガーシー議員が除名された。戦後3人目の除名処分とされているが、不登院を理由とする除名は初めてであるので不良議員除名のハードルが下がったことは喜ぶべきと思う。除名投票結果については、旧N党の浜田聡議員が反対、れいわ議員4名が欠席した他は賛成票を投じているので誰しもが積極的に不登院議員を擁護すべき理由を持たなかったものと思うが、紙面・テレビ・ネットでは多くの意見に交ってガーシー氏擁護の意見も散見される。”反NHK”という単一論点政党の「N党」が政党要件を満たし、ガーシー氏が当選したことについて、東京工業大学の西田亮介准教授の「個人の不満感は千差万別であるために、その不満を既存政党への投票では解消できない有権者が伝統的な政治勢力とは異なる政党に投票することは、欧米各国で...国会議員の除名を考える

  • アメリカの銀行破綻とは

    アメリカの2銀行の破綻が報じられた。最初に、以下の記述は経済音痴の故に誤解などが多いだろうことを予めお断りさせて頂く。10日にカリフォルニア州を拠点とするシリコンバレー銀行が、12日にニューヨーク州のシグネチャー銀行がそれぞれ経営破綻したことで、先進国では珍しい「取付騒ぎ」が起きている。2行の経営破綻は、相互に影響しあったいわゆる連鎖倒産ではないものの、連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き上げが共通の原因とされているようである。米財務省とFRBは、2行の経営破綻は限定的なものでリーマンショックの再来ではないとするとともに取り付け騒ぎ沈静化のために「全預金者の完全保護」を表明したが、経営破綻の原因が原因だけに全銀行にも破綻や業績悪化の可能性があると指摘されていることを思えば、他行も安泰とは呼べない事態...アメリカの銀行破綻とは

  • 3.11とチョイ舐め男

    3月11日のWBCチェコ戦に佐々木朗希投手が先発し、好投した。21歳の佐々木投手は、東日本大震災で父・祖父を亡くされているので登板した3月11日は奇しくも命日に当っているが、試合では実力を如何なく発揮して日本の勝利と1次リーグ突破に大きく貢献した。21歳の「回転ずしチョイ舐め男」は、同じ頃に業務妨害の罪科で逮捕されたが、投稿された反省動画の情けない所作は恥の上塗りとしか思えない。二人の21歳を眺めると、現代社会や将来社会が果たして正常なものであろうかとの疑問を持たざるを得ない。佐々木投手は、天賦の才を更なる練習で開花させて高額の税を納めている一方で、無職とされるチョイ舐め男は佐々木投手を始めとする納税者が築いた社会インフラの余慶に与って暮らしている。中学校社会科で、人類が辿り付く究極は「能力に応じて生産、...3.11とチョイ舐め男

  • 戦訓を考える

    中国軍のウクライナ事変研究の一端が報じられた。戦争・軍事行動で得られる教訓は「戦訓」と呼ばれ、各国が他山の石として研究するのが常である。第一次世界大戦以前には、大規模な戦闘には当事国以外の軍人が「観戦武官」と称して同行・見学することも多かったとされているが、近代戦では戦場が拡大するとともに広範囲殲滅戦の様相を呈したこともあって、安全に見学するなどできなくなった。さらに現在では、戦場の詳細がメディアやSNSでリアルタイムに報じられるので猶更である。中国は、ロシアの思惑に反してウクライナ事変が長期化した現実を台湾進攻の反面教師と捉え、軍幹部を中心として戦訓の収集・検証に努めていると報じられている。報道によると、解放軍高官の論文では、スティンガーやジャベリンに代表される携帯火器とスターリンク通信が注視していると...戦訓を考える

  • [外国代理人法」の後退

    ジョージアの「外国代理人法」の施行が危ぶまれていると報じられた。「外国代理人法」は、外国から一定金額以上の資金援助を受けている団体やメディアを、スパイの同義と位置付けて国の監視下に置くというものである。ジョージアでは既に議会を通過しているが野党主導の反対デモが先鋭化したことで、見直し若しくは廃止される可能性有りとされている。自分は、ジョウジアでの成立を知った際に「そんな便利な法があるのか。日本でこそ必要では?」と思ったが、既に同様の法律が存在するロシアでは、政権批判の弾圧・言論統制のために使用されていることから、西側諸国では忌避・悪法の対象とされジョージアのEU加盟阻害要因となるほどのものであるらしい。西側先進国で「外国人代理人法」が無いかと云えば、目に余る華僑のロビー活動に業を煮やしたオーストラリアはこ...[外国代理人法」の後退

  • 中国の選挙干渉と真実の究明

    カナダの「中国による国政選挙干渉」に対する検証・追及が報じられた。カナダの2019年と2021年の総選挙では、嫌中色の強い保守党(現野党)候補の落選を企図する中国の干渉があったとされ、連邦議会が調査するとともに恩恵に与ったとされる政府(トルドー首相:自由党)も一部を認める一方で「選挙結果への影響は無かった」としていた。今回、トルドー政権が調査のやり直しを表明した背景には、政府の調査が不十分で「選挙結果に影響があったのでは?」との報道が相次いだためとされている。再調査は①:連邦議会の委員会が情報機関の報告をもとに実態を調査。②:情報機関の評価機構(監察?)が当時の捜査状況を検証。この2系統による調査・検証を基に、首相が任命する独立特別報告官が「適切な処置」を政府に勧告するというものであるらしい。調査の方法ま...中国の選挙干渉と真実の究明

  • 立花党首の辞任

    「N党」の立花孝志党首が辞任した。辞任の理由は、同党所属ガーシー議員不登院の引責としているが、とても政治家とは呼べない平素の言動から見て、当然かつ遅すぎるように思える。また、党名を「政治家女子48党」と改称するとしたが、秋元康氏の手法「○○48」のパロディであるように思えるものの、党員が40人内外という自虐ネタであるのかもしれない。「N党」と書いたが、党名変更を繰り返すので現在の正式な党名は知らないので、意味の無いことながらこの際にと党名の変遷を調べてみた。・2013年6月17日~2013年7月23日-「NHK受信料不払い党」・2013年7月23日~2020年12月21日-「NHKから国民を守る党」・2020年12月21日~2021年2月5日-「NHKから自国民を守る党」・2021年2月5日~2021年5...立花党首の辞任

  • 確定申告を済ませて

    年度末恒例の税務申告を終えた。自分にとっての税務申告は、国民の義務を果たすと云う崇高な行為ではなく、「あわよくば減免・還付」にあやかろうと云う「さもしいもの」であるのではと反省している。なぜなら、およその結末は予測でき、予測通りの結果に終わることは、負けるだろうが勝つかもしれないとスロット台に座る前と全く同じ心境で臨むからである。社会との対話が少ない不安から、今回は担当者との対面形式を選んだが、担当された女性税務官は、にこやかではあるが毅然として懇請を却下し、面白くも無いおやじギャグに相槌を打ちながら電卓の指を止めることなく、最後には「良く整理されていましたので楽でした」なる爺転がしも忘れなかった。かって「振込詐欺」にあわれた高齢の被害者が、「久しぶりに他人と話すことができて嬉しかった」と述懐する画面を見...確定申告を済ませて

  • 日韓関係の半歩前進

    韓国経済団体が元徴用工に肩代わり弁済するという徴用工問題の解決策を韓国政府が提示したことで、日韓関係の正常化は半歩前進したかのように思われる。この前進のために日本が譲歩したのは、韓国のホワイト国再指定と、求償権の放棄請求凍結であるとされるが、嫌いな言葉で言えば「落としどころ」としては、まァまァとすべきであろうと思うものの、政権交代の度にゴールポストを動かし続けた過去を思えば、徴用工問題の完全解決、日韓関係の好転・修復とは呼べないと観ている。日韓併合はともかく、戦後における日韓関係悪化原因の一つが「李承晩ライン(李ライン)」の設定であるように思うので、Wikipediaで勉強した。《李承晩ラインは、1952(昭和27)年1月18日に韓国初代大統領・李承晩が大統領令「隣接海洋に対する主権宣言」を公表して設定し...日韓関係の半歩前進

  • ”文書”を考える

    高市大臣VS小西議員のバトルは「文書」に起因している。報道によると、小西議員が提示した文書には安倍総理と高市大臣の電話でのやり取りなども含まれているとされる。経験則であるが、自衛隊では「文書」とは「発簡番号を付して指揮官の意を正式に伝達する物」と狭義に捉えており、今回報じられたような「下僚が作成した通話記録」等は文書とは看做されない。このことは、指揮官の意に反した幕僚や下級指揮官の暴走を防ぐためであり、異様・不審な命令を排除するためのチェック機能として確立したものであろうと思っている。勿論、文書とする前には計画・起案者が関係部隊などと調整する必要があって、電話や書簡形式による意見交換などはある。文書起案に際しては、法的な位置づけ、計画の背景などについて、簡略に纏めて原議に記載し保存されるが、調整の詳細など...”文書”を考える

  • 小西洋之議員は未だ日本にいた

    小西洋之議員が、参院予算委員会で高市早苗(経済安全法相担当)大臣とバトルを展開している。小西議員が追及しているのは、平成26~27年に安倍内閣が放送法に規定する政治的公平の適用対象を従来の放送会社単位から個別の番組にまで広げる解釈変更を模索した際に総務省が作成したとされる内部文書を根拠としている。高市大臣(当時総務相)は、当該文書は捏造と一蹴し、本物(真実)であった場合や自身が関与している場合は大臣・議員の辞職も是としている。真実や内部文書の真贋については定かでないが、細部には疑念を抱かせる点もあるとされるので総務相の内部調査を待つほかないように思う。国会では秘密文書や内部文書に絡む論争がたびたび起きている。1971年の沖縄返還協定において「アメリカが地権者に支払う400万㌦を日本国政府が肩代わりする」と...小西洋之議員は未だ日本にいた

  • 鈴木誠也選手とWBC

    メジャーの鈴木誠也選手が侍ジャパンを負傷辞退した。残念!!我等のカープでは、東京五輪に5人(曾澤捕手の故障辞退はあったが)の選手が選抜され金メダル獲得の原動力となったことを思えば、WBC選抜が栗林投手1名というのは聊かに寂しい思いがする。栗山監督率いる今回の侍ジャパンの選抜選手や強化試合を観た限りでは、比較的に守備力を重視した前任の稲葉野球とは違って、メジャー選手で固めたアメリカ・ドミニカなどに勝利するための最善の編成でもあるのだろうと思うものの、攻撃力を重視というより偏重に近いものであるように感じられるが、・・。そのことは、攻撃力はあるものの失策が多い中野選手(阪神)・牧選手(Dena)、広岡達郎氏からインサイド・ワークを酷評される大城捕手(巨人)、村上選手(ヤクルト)に押し出される形で不慣れな1塁手と...鈴木誠也選手とWBC

  • 国会の事前承認

    維新の馬場代表が、「総理のキーウ訪問にも国会の事前承認という慣例を維持すべき」としていることを知ったが疑問に思える。バイデン大統領を含め英・独・仏の指導者が戦時下のキーウを相次いで訪問、ゼレンスキー大統領もウクライナを離れてアメリカなどを訪問しているが、そのいずれもが事前発表・報道の無い電撃訪問であることは、不測の事態を避けるための当然の措置であり、政治・軍事的にも適切であろうと思う。戦う者にとって、敵国指導者の動向を事前に知ることには大きなメリットがあり、必要と判断したならば搭乗機の撃墜等の対抗策を採る可能性がある。また、指導部は望んでいないものの末端部隊が暴走する可能性もある。先のアフガン在留邦人救出作戦でも、空自機の派遣機数はおろか飛行経路・時程まで報じられていたが、有事と軍事作戦の要諦を弁えている...国会の事前承認

  • 六本木駅のエレベータ

    都営大江戸線六本木駅のエレベータが2か月ぶりに運転再開したことが報じられた。当該エレベータは、フィンランドのコネ社製で、同社が日本から撤退したために部品調達などに困難をきたして運転不能になっていたものであるが、維持管理・故障復旧などに多くの教訓を示しているように思える。日本企業でもエレベータは提供しているにも拘らず、自治体の公共施設に外国製のエレベータが設置された経緯は分からないが、単に「安かったから」ではなかろうかと推測している。10年前頃までの日本の慣習では、大型プラントは納入した企業や関連企業が設置後の保守管理まで継続して受注することが多く、初期費用だけ取り出せば割高に見えるものの安心・安全まで含めたライフサイクルコストで観れば、結局安くなるという図式であったと思っている。近年の、「自由競争・一般競...六本木駅のエレベータ

  • オストリッチ・ファッション

    「オストリッチ・ファッション」という表現を知った。麗澤大学の織田邦男特別教授(元航空支援集団司令官・空将)が産経新聞の寄稿文で紹介されている表現であるが、日本人の国防観を米軍人は蔑笑とともに「オストリッチ・ファッション」と呼んでいるらしい。英語力に乏しいので正確には訳せないが「駝鳥の風習・やり方」とでも云うのだろうか。駝鳥は、危機が迫った場合は穴に首を突っ込むという習性があるらしく、穴に首を突っ込むことで迫り来る危機を「見ざる・聞かざる」の状態に置くそうである。織田教授も、「ウクライナ事変・台湾問題。北のミサイル・・・」等の危機に対しても憲法9条という穴に首を突っ込んで思考停止している一部国民の現状から、米軍人の比喩も「宜なるかな」と続けておられる。さらに教授は「国防や安全保障は本来逆説的なもので、懸念さ...オストリッチ・ファッション

  • 日曜日はルブランを

    やャ寒さの緩んだ日曜日には、ルブランが似合うように思う。フランスのエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン(1755(宝暦5)-1842(天保13)年)は、18世紀における最も有名な女性画家とされている。Wikipediaによると、王妃マリー・アントワネットの肖像画を描いたことから信任を得て画家と王妃を超えた友人関係を築いていたが、フランス革命で出国した後はベルギー、ロシア、イタリア、イギリス、スイスを転々としたが、いずれの地でも画家組合に籍を得るなど高い評価を得たとされている。フランスの王政復帰後はフランスに戻って亡くなったが、生涯に660の肖像画と200の風景画を残し、特に優雅な自画像は有名で、多くの美術館に展示されるとともに個人の所蔵する作品も多いのが特徴的とされている。優雅な自画像からは窺い知れ...日曜日はルブランを

  • 中国の作文に思う

    中国が「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」という素晴らしい作文を発表した。注目すべきは文中の「互いに歩み寄り、早い時期に直接対話を再開して全面的停戦を目指すべき」という点に尽きるように思う。なぜなら、「互いに歩み寄り」は非の無いウクライナにも一定の譲歩を求めるもので、ロシアの主張に沿ったウクライナ東部3州の割譲または分離独立を暗に求めているに過ぎないと思うからである。日本でも、ウクライナ事変を外交交渉で解決・終息させるべきとの意見も少なくないが、もし対話・和平交渉が実現したとしても、ロシアが何も得ることなく撤退に合意することは考えられないので、いわゆる「落としどころ」は割譲範囲をどれほどの州にするかという点に絞られると思う。ゼレンスキー政権はロシアに寸土と雖も割譲する意思が無いことや不法占拠され...中国の作文に思う

  • ウクライナ事変1年

    ロシアのウクライナ侵攻から1年が経過した。侵攻当初は、圧倒的なロシアの軍事力の前には短期間で圧倒されるとの危惧に反して、1年余の長期にわたって奮戦するウクライナ国民の結束と抵抗に改めて敬意を捧げるとともに、ウクライナの勝利を祈っているが、事変の長期化に伴って気懸りな点も浮上しつつあるように思える。事変は、既にロシアとNATO間の戦闘の様相を呈しているが、ここに来て中国がロシアへの武器支援に転舵したとの確証をアメリカが把握し中国に警告したと報じられており、事実であるならば事変は自由社会と全体主義の全面対決に拡大することが懸念される。また、西側世界の武器庫とされるアメリカもウクライナ支援によって一部兵器の在庫備蓄が危機的なレベルまで減少しているとも報じられている。事変による被害状況は正確には把握されていないが...ウクライナ事変1年

  • 「うさぎ追い」の中止

    熊本県産山村が、伝統行事「うさぎ追い」を来年以降廃止すると発表した。廃止の理由は、今年の「うさぎ追い」で担当者が「野兎」の足を持ってぶら下げていたことをインターネット上などで虐待と非難されたことであるらしい。当該行事は、戦後に学校行事として始まったが1996(平成8)年以降は産山村が主催していたとされる。学校行事として始められた背景は報じられていないが、体育教材も乏しく、かつ戦前の軍事教練の廃止で失われた集団行動教育のために、先生方が知恵を絞った結果ではないだろうかと推測している。また、子供向け娯楽も無かった郡部の小学生にとっても年に一回の娯楽でもあったのだろうかとも思える。兎、それも野兎をぶら下げ・追い掛け回すことが動物の虐待に当るのだろうか?これまで「野兎」と書いていたが、ノウサギは旧和名で正式には「...「うさぎ追い」の中止

  • モンドセレクションを学ぶ

    大方の人にとっては、「何を今更」であろうがモンドセレクションを調べてみた。コマーシャルなどで「モンドセレクション金賞受賞!!」との連呼・大見出しを見かける。そのことで特段に食指が動いたことも無いが、さぞや権威のあるコンクールかと調べてみた。Wikipediaでは、《モンドセレクションは、食品、飲料、化粧品、ダイエット、健康食品、水道水まで幅広い商品の技術的水準を審査するベルギーにある民間企業から与えられるラベル。応募費用を支払い、評論家の審査を受け、モンドセレクションよりラベルが与えられる。1961年にベルギー経済省やECの支援を受け[1]、ブリュッセル郊外に設立された。》《出品者からモンドセレクションに送付された商品に対し、評論家などが審査を行う。審査基準は「味覚」「衛生」「パッケージに記載されている成...モンドセレクションを学ぶ

  • 立民党大会に思う

    2月19日に行われた立憲民主党大会の模様が報じられた。野党第1党の党大会としては報道も低調で、ベタ記事扱いに近いものであったように思う。泉代表は挨拶で、政権交代へのステップとして党勢の拡大・地方議員増勢を挙げるとともに、「この(民主党政権以降の)失われた10年を取り戻す」と宣言したが、具体策の無い政権批判に終始しているように感じた。長くなるが、代表の「安倍政権は安保法制を変え、岸田政権は反撃能力、敵基地攻撃能力に駒を進めようとしている。この10年間、周辺国との緊張を緩和することができたのか。友好な東アジアの環境を作ることができたのか、むしろ緊張が高まっているのではないか。われわれは、日本の安全を守りながら周辺国との対話を続け、国民の皆さんにとって絶対に戦渦に巻き込まない、安心できる平和な周辺環境を作ること...立民党大会に思う

  • カード遊びをする男たち

    有名画家には同じモチーフの複数枚が残されていることが多い。今となっては複数枚の絵が描かれた経緯は分からないが、出来栄えに満足できなかった画家が再び取り組んだことも有るだろうし、評判をとった絵を持ちたいというファン・パトロンの要求から描いたケースも有るだろう。今回紹介するのは、ポール・セザンヌの「カード遊びをする男たち」である。Wikipediaでは《セザンヌ(1839(天保10)年~1906(明治39)年)は、フランスの画家。当初はクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールらとともに印象派のグループの一員として活動していたが、1880年代からグループを離れ、伝統的な絵画の約束事にとらわれない独自の絵画様式を探求した。ポスト印象派の画家として紹介されることが多く、キュビスムをはじめとする20世紀の美...カード遊びをする男たち

  • 気球撃墜の閣議決定に思う

    本朝のTV番組で「気球撃墜」のテーマでの応酬を観た。論点は、気球の撃墜における自衛隊の武器使用を閣議決定に依ったことの是非に関してであったが、橋下徹氏は非とし櫻井よしこ氏は是とする立場に立たれていた。武器使用範囲は自衛隊法で規定されているので、その範囲を拡大するには閣議決定ではなく自衛隊法改正によるべきとする橋下氏は正しく、気球の浮遊を急迫の不正と捉えて時間を重視する櫻井氏の意見も軍事オプションの常識からは正しいように思う。両者ともに正しい意見の応酬を観て、かねてから危惧している軍事オプションに対する小田原評定の一種であろうと思ったが、自分では櫻井氏に軍配を上げるものである。所属や目的は何であれ、気球の浮遊が軍・官・民航空機の飛行を阻害する危険性はあるので政府としては無害化や排除は当然行わなければならない...気球撃墜の閣議決定に思う

  • LGBT関連法に思う

    面白いが、面白いと書けば顰蹙を買うだろう話題を知った。本日の産経抄で、《英スコットランドで女性2人をレイプした男性が、裁判中に性別を女性に変更し女囚刑務所に収監された》話題が紹介されていた。このことは、戸籍上の生物学的分類の「性別」が、ジェンダーと称される心因区別を主体的に捉えることに変化した結果であるが、英国の例では女性的要素が多いと裁判所が認めたとはいえ明らかな「両刀使い者」の管理を託された刑務所は頭の痛いことであろうと思う。服役経験がある故阿部譲二氏の著作では、オカマさん(男色)受刑者の嬉々とした姿と反対に頭を痛める刑務官の姿を描いていたが、英国の例を見ると安倍氏は近未来を描くSF作家であったのかもしれない。日本でもLGBTなどの性的少数者の保護や同性婚容認のための法整備が進行しているが、出来具合に...LGBT関連法に思う

  • エア・ジョーダン

    孫がバスケットボールを始めた。テレビ電話でのドリブル実演は秘めたる才能を窺わせるに十分?であった。今のNBLの選手は八村塁と渡邊雄太しか知らないので、些かに古いのであろうが一念発起でマイケル・ジョーダンを描いてみた。ためしに、当人に「マイケル・ジョーダンって知っている」と聞いたら、「マイケル・ジャクソンなら聞いたことがある」とのつれない返事であったが、どうせ似顔絵は書けない画力であるので問題は無いだろう。今回は、思い切って対象物以外はデフォルメしてみた。きっかけは、泰西の有名写実画家が生活困窮から画風を変えた際に「1シリングを塗るのに、そんなに時間はかけられない」と述べたことを知ったからであるが、これまでも10円玉を1分で塗っていたことを思えば言い訳にもならないが。また、マイケル・ジョーダンと云えば「舌を...エア・ジョーダン

  • 「人斬り彦齋」90%

    「人斬り」を描こうと決めて2か月も経ってしまったが、怠惰な自分ではまァまァであろうか。さらにタイトルも「人斬り彦齋」と改めることにした。幕末4大人斬りの一人とされる熊本藩士河上彦齋(1834(天保5)~1872(明治4)年)は、身長5尺(150cm)の小柄で色白であったため一見女性の様であったとされる。平生は礼儀正しく温和ながら平気で人を斬る残忍性も併せ持っていたために「人斬り彦斎」、「ヒラクチ(蝮蛇:マムシ)彦斎」と綽名されていたそうである。斬った人物で確実なのは佐久間象山だけとされるが彼の性格や逸話の多さから人斬りを恒常的に行なっていたとされる。彦齋は、16歳で藩主邸の茶坊主として出仕したが、清河八郎等と交わるうちに尊皇攘夷思想を得て還俗、熊本藩親兵となり宮部鼎蔵らと同格の幹部となった。多くの幕末志士...「人斬り彦齋」90%

  • トマホーク取得計画に思う

    防衛省がトマホーク約500基を一喝契約する見込みと報じられた。円安時に一括契約の是非はともかく、防衛省の計画では2023年度に一括契約、2026年度に実戦配備を開始して2027年度には配備を完了するとしている。トマホーク運用は海自イージス艦とされているが、8隻のイージス艦を3年間で改修して更に兵員訓練をも完了しなければならないので、海自と隊員の奮闘を期待するところである。しかしながら、トマホーク配備が完了すれば500発の反撃能力を持つと考えるのは早計で、艦の修理ローテーションや開戦劈頭における損耗などを考えると反撃できる艦は4隻程度、一度に発射できるミサイルは各艦30~40発として、全体の即応反撃力は100発程度と観なければならないように思う。一方、国産の12式地対艦誘導弾の射程延伸についても、地上発射型...トマホーク取得計画に思う

  • 奉安殿の思い出

    昭和25年に九州片田舎の小学校に入学したが、終戦後5年近く経過していたにもかかわらず、奉安殿の台座が残されていた。流石に上部の厨子は撤去されていたものの、自分の背丈よりも高い石組の台座が残されていたのを記憶している。また、台座のある一角は立派な槙の生垣で囲まれて「奉安殿跡」と呼ばれていた。戦前の奉安殿における行事について自分が聞き覚えていたのは、奉安殿から教育勅語を取り出す際に誤って落としたり教育勅語を読み違えた校長の話などであったが、改めて紀元節における学校行事をWikipediaで調べてみると、《紀元節には、宮中皇霊殿で天皇親祭の祭儀が行われ、各地で神武天皇陵の遙拝式も行われた。1891(明治24)年には小学校祝日大祭儀式規程が定められ、天皇皇后の御真影に対する最敬礼と万歳奉祝、校長による教育勅語の奉...奉安殿の思い出

  • エイドリアンセンで我慢

    この頃、家庭内における発言力低下に伴って魚料理が食卓に上る機会がめっきり減ったと僻んでおり、已む無くエイドリアンセンの絵を眺めて我慢することにした。Wikipediaでは、《アレクサンドル・エイドリアンセン(1587(天正15)年–1661(万治4・寛文元)年)はフランドルの画家で、調理場や食卓の魚や肉の食材を描いた静物画、花瓶と花を描いた静物画などで知られる。作曲家・リュート奏者のエマニュエル・アドリアンセン(1554-1604)の息子で、弟のヴィンセントは戦争画を描いた画家、別の弟のニコラースは肖像画家である。1610年に画家組合の親方の資格を得てルーベンスの工房に近い場所で活動し、ルーベンスはアドリアンセンの静物画をコレクションに加え、後年にはヴァン・ダイクがアドリアンセンの肖像画を描き、更には、当...エイドリアンセンで我慢

  • 憲法24条を考える

    公明党の北側一雄副代表が、憲法24条についての党解釈を表明した。北側氏による党見解は、《憲法24条は同性婚を妨げるものではなく、憲法改正まで要しない》というもので、護憲派の解釈に沿ったものと理解した。第二十四条婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。これまで、憲法の云う「性」とは、生物学的な雌雄を指すと解釈して全ての法律を整備し、「雇用機会均等法」で男女比率すら規定しているのはこのことによっていると思っている。北側氏の見解による同性婚容認論では、生物学的雌雄...憲法24条を考える

  • 共産党員の除名処分に思う

    共産党の志位委員長の記者会見が報じられたが、”今でも?”・”そうなの?”と思った。先に、共産党は党首公選制導入などについて執行部批判をした松竹伸幸氏を除名処分としたが、志位氏はいくつかの理由を挙げて処分は適当とした。志位氏の挙げた理由は、公然と「党首公選制導入という規約と相容れない主張を行った」、「異論を許さない政党と攻撃した」、「日米安保堅持・自衛隊合憲という党綱領に反する主張を行った」というものであり、さらに「松竹氏は一度も正規のルールに基づいて異論を挙げてきたことが無い」とも付け加えている。ディープスロートとも呼ばれる内部告発者は、「正規のルールやルートでは主張の途や目途が立たない。或いは挫折した」ために外部の力を頼るのが一般的であることを思えば、松竹氏も唐突に執行部批判をしたとは思えない。多数決で...共産党員の除名処分に思う

  • ”論憲”政党では?

    「論憲」を掲げる立憲民主党が衆院憲法審査会の幹事懇談会をボイコットし、共産党も追従した。出席者の立民評としては、・「話し合いのところにも出てくれないというのは納得がいかない。よく説明を頂きたい」・「出たくない人がいるので開催できないということが正当化されてはならない」立民関係者の話としては、・「強引にやると党が空中分解してしまう」と、おのおの報じられている。憲法に関して議論しない体質が有権者(特に若年層)に嫌われて退潮傾向にあるとして、立民泉代表は「護憲政党ではない。論憲政党である」と大見得を切ったが、日程調整の幹事懇談会をすらボイコットせざるを得ないようでは些かに心もとない。民主集中制である中国・北朝鮮の全人代や日本共産党大会などを除いて、自由社会における全ての会議は議論する場であり甲論乙駁が当然とされ...”論憲”政党では?

  • 国枝慎吾氏の引退会見

    車椅子テニス界のスーパースター国枝慎吾氏が現役を引退された。国枝氏の戦績は改めて書くことも要しないであろうが、グランドスラム車椅子部門で男子世界歴代最多となる計50回(シングルス28回、ダブルス22回)優勝、シングルスでは年間グランドスラムを5回達成、パラリンピックでは単複併せて4個の金メダル獲得、・・・と黄金色に彩られており、世界ランキング1位のまま今年1月に現役引退を表明していた。国枝氏の活躍は日本男子テニスのトッププロとされる錦織圭選手の実績も遠く及ばないものであるが、残念ながら国民からの応援の声は錦織選手の方が圧倒している。日本では、車椅子テニスに限らず障碍者スポーツに対して、競技者をアスリートとして観るよりも、かすかな憐れみの情を込めて「障碍者だけの別のもの」との認識に依っているのではないだろう...国枝慎吾氏の引退会見

  • 総理補佐官の更迭に思う

    2月4日に、総理秘書官の荒井勝喜氏が性的少数者に対する差別発言で更迭された件に関して、今様に馴染まない時代遅れの所感を披瀝することとした。1は、「オフレコ」でなされた総理補佐官の発言が、報道されたことである。伝えられるところでは、毎日新聞が「オフレコ」の内容を実名で報道することを荒井氏に通告したうえで掲載したとされているが、荒井氏の同意があったとは思えない。オフレコは、話者・聞き手の双方が「記事にしない」と同意・誓約したもので、一方的に誓約を破るのは「ヒト」としての価値・尊厳を否定するに等しいものと思う。毎日新聞を始めとして多くの識者も一様に、社会正義が行われたとして発言者を糾弾するが、毎日新聞の誓約破りの是非に関しては全く触れないので自分の認識が誤っているのだろうが釈然としない。日本社会は、列国に比べて...総理補佐官の更迭に思う

  • 中国発の気球撃墜に思う

    米本土上空を飛行(中国は浮流と強弁)していた中国発の気球を米軍が破壊した。当該気球について中国は、民間企業の気象観測気球がコントロールを失って米本土に達したものと説明しているが、誰も・どの国も信じていないようである。コントロールを失った割には、アメリカのICBN発射基地周辺を正確に飛行していることから、偵察・情報収集気球であることは疑いようもない。中国発の気球はこれまでアジア・中南米、欧州で確認されており、日本でも正体不明の気球と話題になった。この事態に対して《ブリンケン国務長官の訪中前になぜ?》との意見を聞くが、素人観では2つの点で「ブリンケン氏の訪中前であるからこそ飛ばしたのでは?」と疑問がある。1は、習主席若しくは習政権中枢が「ブリンケン氏の訪中を白紙に戻す」ためではなかろうかということである。ブリ...中国発の気球撃墜に思う

  • 韓国の核戦略を考える

    尹錫悦大統領の「独自の核武装」論を勉強した。在韓米軍の戦術核は1991年に当時の盧泰愚大統領によって撤去された。おぼろげな記憶では、盧泰愚大統領は通常兵器のみで朝鮮戦争の休戦状態が恒久的に維持できるとして半島の非核化に踏み切ったと理解している。当時の北朝鮮は南進の能力を失っており韓国でも朝鮮戦争の記憶・恐怖も風化し「韓国版”もはや戦後ではない”」であったのだろう。以後、北朝鮮の核物質濃縮が報じられた時、6者協議が破綻した時、核実験が強行された時、長距離ミサイル発射に成功した時など、新しい脅威が顕在化するたびに在韓米軍の戦術核再配備論は浮上しては米国が拒否・否定することを繰り返してきた。尹錫悦大統領も就任当初は「アメリカの核の傘」で良しとしていたものと思えるが、「核の共有」に発展して今では「自前の核兵器保有...韓国の核戦略を考える

  • 安倍元総理2題

    安倍元総理の硬軟両面を知った。「硬」2023年1月12日付産経新聞の「阿比留瑠比」氏の署名記事「極言御免」で知ったことであるが、習近平主席との日中首脳会談で安倍氏が『私の島に手をだしてはいけない。私の意志を見誤らないように』と述べたそうである。この発言は台本に用意されたものではなかったために日本側随員は凍り付き、習主席も意表を突かれたとされている。尖閣諸島を巡る中国の不法示威行為に対しては、遺憾砲を撃つだけと歯がゆく思っていたので、別の手段で日本の決意は確実に伝達されていると知って安堵した。首脳会談は、事前の事務方合意に沿って行われるのが一般的であると聞いていたので、このような例は稀有に近いものであろうが、膝を交えた首脳会談でしか行えないものであるように思える。その際、習主席は無表情を装ったものの一瞬鼻白...安倍元総理2題

  • 立民の検証PTに期待

    立憲民主党が「失われた10年」検証プロジェクトチーム(PT)を立ち上げた。検証PTは、2月1日に安住国対委員長が明らかにしたものであるが、翌2日には初会合・省庁ヒアリングとこれまでの立民に類を見ない電光石火の展開である。PT設置の発端は、民主党政権が提案した児童手当の議論で当時野党であった自民党が所得無制限の原案に反対したものの、今回岸田政権が所得制限撤廃に転舵することで「それ見たことか。民主党には先見の明があった」と印象付ける狙いとされている。組織では、計画⇒実施⇒検証⇒計画・・・の無限連鎖が必要とされホボ全ての組織で行われているが政党では「言いっ放し」が常態化していたので、今回の検証PTが「動機においては聊か不純」ではあるものの、政治活動における責任の取り方としての範となるとともに、他党も倣って欲しい...立民の検証PTに期待

  • ヴーエを眺める

    Wikipediaでは『フランスの画家シモン・ヴーエ(1590(天正18)年~1649(慶安2)年)は、イタリアのバロック絵画をフランスに伝えた人物として知られ、父親と弟も画家である。父親から美術を学び、14歳で肖像画家としてイギリスで画業につき、21歳でオスマン帝国へ赴任するフランス大使に同行し37歳までヴェネツィア・ローマなどに滞在してイタリアのバロック絵画を吸収して成功した。その後、ローマでの成功にも拘わらずフランスに帰国し、さまざまな宮殿、邸宅、教会の装飾画を描き、イタリア美術の新しいスタイルをフランスにもたらした』と解説されている。ヴーエの絵で好きな点は、イエロー・オーカーというのであろうか、辛子色というのであろうか、いわゆる派手な色ではない茶色系統の着衣が絵全体に温かみを与えていることに尽きる...ヴーエを眺める

  • 盾形の鏡を知る

    日本最大の円墳とされる奈良市の「富雄丸山古墳」で盾形の鏡と蛇行剣が発見されたことを知った。富雄丸山古墳は4世紀後半に作られたとされているが、当時は既に前方後円墳が主流となっており、特に大和政権の権力者の墳墓は巨大化している中で、一時代前の円墳であることや発見された鏡と剣が玄室ではなく墳丘の張り出し部に収められていたことなどから、大和政権や大和文化とは一定の距離を置いた有力者の墳墓である可能性が指摘されている。盾形の鏡(高さ64㎝、幅31cm)はこれまでに出土したことが無く、剣(長さ230cm)の長大さも他に類を見ないとされており、いずれもが国産であることから、当時の技術水準の高さを示すとともに独自のデザインからは日本人の創造性の高さが窺い知れる。出土した鏡と剣は、現時点でも国宝級とされているが、今後の調査...盾形の鏡を知る

  • 日教組の教研集会

    オンラインで開催されている日教組の第72次宇幾研究科全国集会(教研集会)で、リモート教育における懸念が発表された。教研集会における発表は、日教組の主張に沿ったもので反論・検証することなく全参加者が共有すべき認識とされており、「発表=日教組の指導」である。今回の発表ではコロナ禍のリモート教育で加速された「情報通信技術(ICT)化」について、・管理・監視社会となり、プライベートが丸裸・教育結果の集約(ビッグデータ化)で人格が乗っ取られ、子供の未来まで予測される・人間の経験や感の軽視・考えない人間を増やす・5G機器の使用電波が悪影響と報じられている。これを眺めると、共産党の常套手段である過激かつ針小棒大レトリックであるとは言え、全てを「杞憂」・「後ろ向き」・「偏向」とは言えないようにも思う。特に、ビッグデータ化...日教組の教研集会

  • 国会論議と万里の長城

    代表質問が終わったが、防衛問題に関しては残念ながら低調な応酬であったと感じている。政府と野党の議論が噛合わない原因は何だろうと考えて、万里の長城に辿り着いた。「万里の長城」構築の理念は北方民族の脅威に対する専守防衛であり、原型は「春秋時代(紀元前700~前400年)」に構築された断続的な防塁とされ、紀元前200年代に秦の始皇帝がそれらを連結したとされているが、これらは既に失われて現存する万里の長城の殆どは、明代に造られたもので長城線は秦代に比べて遥かに南へ後退しているとされている。長城に対する歴代王朝の考えも一様ではなく、各王朝の防衛戦略によって長城の重要度・位置・維持整備が大きく異なり、特に北方からの脅威が顕著であった明王朝は長城による防衛を重視して現在残っている強固・長大な長城を整備したとされている。...国会論議と万里の長城

  • 韓国の新聞事情を知る

    韓国の新聞スキャンダルを知った。報道では、ソウル近郊の都市開発を巡る不正取引の首魁が、数十人の新聞記者に最大で9500万円にも及ぶ袖の下を贈って「報道の口封じ」を測ったものとされる。ハンギョレ新聞は9500万円を受け取った編集局副局長を解雇するとともに、社代表と編集局長の引責辞任を発表したと報じられているが、その他の新聞社でも大同小異の処分が為されていると思える。汚染を報じられた新聞社は、ハンギョレ新聞(左派)のほか、中央日報(保守)、朝鮮日報(保守)、韓国日報(中道)が挙げられているので、報道姿勢の左右に関係なく、ほぼ軒並みであるように思われる。韓国全国紙の発行部数として纏まった資料は見つけられなかったが、2016年時点の発行部数は、①朝鮮日報:151万部、②中央日報:98万部、③東亜日報:95万部との...韓国の新聞事情を知る

  • レオパルト2供与に思う

    ドイツが主力戦車レオパルト2のウクライナ供与に同意した。レオパルト2についてはNATO加盟国で約2千両保有しているとされるが、生産国であるドイツに対してポーランドを始めとする保有各国が供与承認を強く要求していた。ドイツの承認決定によって、合計で100両以上がウクライナに供与される見込みで、さらにアメリカのM1エイブラムス戦車供与の障壁も取り除かれたと報じられているが、ウクライナにおける早期戦力化は容易では無い様に思える。ウクライナが戦車を手にするのは早くても4月頃で、ドイツ国内で先行される戦車兵の教育訓練も数ヵ月が必要とされる。単に兵員のみ考えても、100両以上の戦車を運用するためには、戦車兵数百人に整備・補給・通信等の兵站要員を加えれば2千名近くが必要となる。兵站の多くに民兵や志願者を充当するとしても、...レオパルト2供与に思う

  • 民主集中制を学ぶ

    共産党員の松竹伸幸氏が記者会見で党首公選制の導入を主張したが、赤旗が執行部意見を代弁する形で「松竹氏の行動は「党規約(民主集中制?)に違反する」と反論した。Wikipediaでは《民主集中制は「民主主義的中央集権主義」の略で、全共産党員が上級機関および指導者の決定に無条件に従う行動規範で、党内の異論や少数意見が表に出にくい組織原理》と解説されている。改めて民主集中制の成立と推移を眺めると、・1906年ロシア社会民主労働党の統合大会で初めて党の組織原則として採択・成立・1920年コミンテルン第二回大会で「プロレタリア革命における共産党の役割に関するテーゼ」として採択・1934年ソ連共産党の規約に記載。以後、各社会主義国や共産党の公式的な組織原理として採用・現在中国・北朝鮮・ベトナム・キューバ・ラオスの国が民...民主集中制を学ぶ

  • 通常国会召集とレンブラント

    積極的専守防衛への転換点となるであろう今国会での論戦に期待している。先の臨時国会は、個人攻撃に終始するであろうと考えて国会中継を観なかったが、今国会は注視しなければと思っている。本日はレンブラント先生とイエス様のお力を借りて、論戦に臨まれる議員に対する要望である。レンブラント「姦淫の女」(ロンドン・ナショナルギャラリー蔵)レンブラントは、律法学者たちがモーゼの戒律を守る一方で罪を許すと説いたイエスの2律背反を質すために、姦淫の罪を犯した女をイエスの前に引き据えて、「モーゼは石で打ち殺せと命じているが如何に」と問いかけた際、イエスが「罪を犯したことのない者が女に石を投げよ(ヨハネによる福音書)」と応じたものの誰一人「石を投げ得る人」はいなかった場面を描いている。しかしながら、論理的にはイエスの言葉は根本的な...通常国会召集とレンブラント

  • 中川正春議員を学ぶ

    衆院憲法審査会の野党筆頭理事である立憲民主党中川正治議員の主張を読んだ。主張の要旨は、「改憲論議よりも国民投票法のCM規制を優先論議すべき」との従来主張を繰り返すとともに、党の「論憲姿勢」を強調してのPRに努めるものであったが、『・・・権力の暴走を国会がいかにコントロールし・・・国会がどう首相を管理下に置くかという意味では議員任期延長も議論する必要はある』としている点が立民の憲法観を端的に示しているように感じた。憲法41条では『国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関」と定めているが、最高機関との語句について種々の解釈が行われている。代表的な解釈は・統括機関説-国会は、国権の最高機関として内閣、裁判所の上位に君臨し、国政全般にわたって最終的な決定権を有する。・最高責任地位説-国会は、国権の最高機関...中川正春議員を学ぶ

  • N党と立花党首

    半年近くも登院しないNHK党のガーシー(東谷義和)参議院議員に対する懲戒が遅々として進まない。民間であれば、不可思議な理由で半年間欠勤すれば,馘首されるのは間違いないだろうし、同じ特別職国家公務員の身分である自衛官では10か日間も欠勤すれば間違いなく懲戒免職になるが、選良の先生方は先の懲罰委員会でも結論を出さないままである。一方、ガーシー議員は懲罰を主張する維新の藤田文武幹事長に対して対抗・報復のために藤田幹事長の秘事暴露を予告したが、肝心のガーシ議員が現在名誉棄損や脅迫の嫌疑で警視庁から任意聴取を要請されていることを見れば、小悪党の悪あがきの感が強い。問題と考えるのは、ガーシー議員を抱えるNHK党の立花党首が、ガーシー議員の無断欠勤と脅迫まがいの言動を容認若しくは教唆・推奨しているかの行動を見せているこ...N党と立花党首

  • 尹錫悦政権の積弊清算を歓迎

    韓国恒例の積弊清算が伝えられているが、今回は従来とは聊か事異なる一面もあるように思える。従来の積弊清算では、旧政権中枢に関連する経済的な腐敗追及が主であったように思えるが、今回の積弊清算は「親北思想」の排除という面が大きいと観ている。今回の捜査対象とされる罪状は、選挙干渉・妨害容疑が多いものの、親北勢力の牙城と観られている「民主労総」への家宅捜索などと併せ観ると、文政権における親北思想の蔓延は抜き差しならぬ程度まで拡大していることは疑いようもないように思える。文在寅前大統領は、在任中から「北朝鮮の主席報道官」と揶揄されるほど親北を隠さなかったし、西側諸国からも北朝鮮への原油瀬取りや先進技術の迂回輸出など国連決議違反が疑われる行為取り締まりに手心を加えているのではとの疑念を持たれていた。政権交代で官僚の中枢...尹錫悦政権の積弊清算を歓迎

  • 食用コオロギ

    経済面の小さな記事で、食用コオロギ飼育が企業として成り立っていることを知った。記事は、NTT東が食用コオロギ飼育のベンチャー企業にAIを用いた管理を支援するという内容であった。既に昆虫食を提供する飲食店があるとは聞いていたので、飼育は虫かごやプランタンによる内職程度だろうと思っていたが、企業による工場生産であったのかと驚いている。記事で昆虫食は、《人口増に対して食肉生産が追い付かないと予測される中、環境負荷が少ないタンパク源として注目されている》と結ばれていたので、マニアの昆虫食から国民食と変化する日も近いのかもしれない。また、現在市場に出回っている食品の成分表示に書かれた「タンパク質」も、実は昆虫であり自分もそれとは知らずに食べていることも考えられる。ちなみに、Amazonでも一袋2000円程度で数多く...食用コオロギ

  • 今でもミルク給食が

    クイズ番組で、小中学校の給食実施率を問う問題の正解を聞いて「ヘェ~!!」と思った。自分は、小中学校では100%給食が行われていると思っていたが、文科省の平成30年データによると・小学校-全19,635校、給食実施99.1%(19,453校)で、給食形態は完全給食98.5%・補食給食0.3%・ミルク給食0.3%・中学校-全10,151校、給食実施89.9%(9,122校)で、給食形態は完全給食86.6%・補食給食0.4%・ミルク給食2.9%となっていた。給食ができない学校や補食(おかず)給食やミルク給食しかできない学校には、それぞれに事情があってのことだろうが、不謹慎にも「ミルク給食とは」と懐かしく感じた。敗戦後の困窮・食糧難時代、児童の栄養不良解消を目途とした「ミルク給食」があった。当時は米軍放出ミルクと...今でもミルク給食が

  • 文明崩壊に共通項

    元文化庁長官である近藤誠一氏のコラムで、興味ある主張を知った。レベッカ・コスタ(東京生まれのアメリカの社会生物学者)が著書「文明はなぜ崩壊するのか」で文明崩壊の共通項を、《文明の進歩がもたらす課題の複雑さと変化の速度に脳の能力が追い付かず、その結果、解決が先送りにされて、その場凌ぎの対症療法を繰り返すうちに対処できていると思い込んでしまうこと》とし、顕著な例としてローマ帝国の終焉を挙げているそうである。この主張を踏まえた以後の近藤氏の論述は置くとして、コスタ氏の主張は日本の現状と未来を暗示しているように思った。東日本大震災とコロナ禍で浮上した「憲法の緊急条項欠落」に当て嵌めれると、国会議員の任期は衆院4年・参院6年と憲法に規定されているが、任期切れ直前若しくは選挙期間中に国会の審議若しくは承認の必要が生じ...文明崩壊に共通項

  • 徴用工問題前進か

    尹錫悦政権が徴用工問題の解決に乗り出した。徴用工問題は、2018年10月に韓国最高裁が日本企業に賠償を命じ、2021年末に地裁が日本製鉄・三菱重工の資産売却命令を発したが、最高裁の判断で売却は凍結されている。今回の解決策は韓国の官民で作る財団が賠償金を肩代わりする案で、非公式ながら日本企業の自発的出資も求めているとされる。この政府提案に対して、野党や民意は「屈辱外交」と捉えて、あくまで日本政府の謝罪と企業資産の売却を追及するとしているが、ごく少数ながら「これ以上どのような謝罪が必要なのか?」、「1965年に大金を受け取りながら更に金を要求する。逆の立場ならどう思うか?」など、当然すぎる意見も見られるようである。また、官民で設立した慰安婦支援財団での幹部による乱脈経理・私的流用に対して有罪判決がなされるなど...徴用工問題前進か

  • 台湾進攻作戦失敗を考える

    米シンクタンクの先約国際問題研究所(CSIS)のシミュレーション結果が報じられた。設定:「2026年に中国が台湾に武力侵攻」シナリオ:中国「開戦後数時間で台湾の海空軍が潰滅的被害を受ける規模の航空攻撃後に数万人の陸上兵力が着上陸・空挺降下、米「侵攻後直ちに台湾直接支援」戦況の推移:台湾「地上部隊の全力反撃」、米「自衛隊によって強化された潜水艦・航空機・艦艇で上陸船団を撃破」、中国「援台遮断のために在日米軍基地も攻撃」判定:「中国の侵攻作戦は失敗するが、日米併せて空母を含む艦艇40隻以上と航空機380機以上を喪失し、人員被害も3000人以上」となっている。国際紛争に対する政戦略を熟知しているCSICであるので、シミュレーションの設定や政治的推移は合理的であると思うと同時に考えさせられることが多い。1は、「自...台湾進攻作戦失敗を考える

  • リタイヤ大国を学ぶ

    フランスの年金受給開始年齢が62歳であり、リタイヤ大国と呼ばれていることを知った。報道によると、マクロン政権は2030年に受給開始年齢を64歳に引き上げる年金改革案を発表した。フランスでは、62歳から年金が受給できるために50代後半には早期退職することが一般化し、労働力の低下を招いて高齢者福祉も限界に近付きつつあるとされるが、既得権益を失ってライフスタイルの変革を余儀なくされる国民はもとより、野党・労組の猛反発が予想されるとも報じられている。フランスの62歳は、受給開始を65歳前後とするEU内では突出しており、更にはこれらの国々も数年後には2~3歳引き上げることとしているので、フランス国民と雖も未来永劫62歳受給と安間と構えてはいられないだろう。フランスの年金改革は歴代政権の主要課題ではあるものの、一旦手...リタイヤ大国を学ぶ

  • 護衛艦いなづまの事故

    第4護衛隊群・第4護衛隊所属の「いなづまが周防灘で航行不能となる事故を起こした。事故原因と損傷に関する公式発表はないが、現在までに判明しているのは、・「衝撃を感じて艦が航行不能となった」と海保に通報・「いまづま」が検査修理後の確認運転中であったこと。・小規模の油が流出している。くらいであるので、以下は一般的な推論である。プロペラを回せない状態と小規模な油流出の事象から、船体に大きなダメージは無くプロペラの翼又は翼の角度を制御する油圧系統が損傷を受けている可能性が高いが、復旧にはある程度の期間が必要になるのではと危惧している。大型艦の多くが採用している可変ピッチプロペラ(以下CPP)は、一体構造ではなく複数の翼をシャフトの先端に取り付けた構造であり、損傷した場合にも損傷した翼のみを交換するだけで復旧の期間と...護衛艦いなづまの事故

  • さんま師匠の名言

    明石家さんま師匠の言に心を打たれた。ネット記事の孫引きであるが、さんま師匠は「1日の食費1000円」というイジリに、「目とか脳は儲けているのを解っているけど、胃は儲けてるって知らないやん?」と応じたとされている。自分の解釈では〖外聞・外見を気にせず、自分の独自スタイルを貫くことが大事〙という含蓄を師匠らしく表現したものと思った。経営の神様と云われた土光敏夫氏の夕食メニューは「目刺し・菜っ葉・味噌汁と軟らかく炊いた玄米」であったとされており、「豪邸に住んで派手な生活をするような人は、あまり信用できない」とも述べておられるので、さんま師匠の言も土光氏と通じるところがあるように思える。一般的であるが、年齢や地位に応じた外見を整えることが無言のうちに世間から要求されるし、何よりも当人がその要求に応じることを選択す...さんま師匠の名言

  • 画家の技量に思う

    年明け第1回目のお絵描きクラブが迫ってきたので、世間様からは笑われるであろうが「筆始め」と称して描きかけの絵に向かったが、30分も保たなかった。私設のPC美術館を眺めると、一人の画家が同じモチーフの複数の絵を描いていることが多い。有名なゴッホの「ひまわり」は10点近くにのぼり、ダヴィッドは「サン=ベルナール峠(アルプス)を越えるボナパルト」を複数描いている。Wikipediaで調べると、ダヴィッドの「アルプスを越えるナポレオン」は5枚あるとされており、ヴェルサイユ宮殿に2枚、シャルロッテンブルク宮殿とベルヴェデーレ宮殿に各1枚とされているが残りの1枚は何処にあるのだろうか。かっての展覧会で山梨県立美術館蔵とされる絵を見たことがあるので、残りの1枚がそれだったのだろうか。ともあれ、生前評価されることの無かっ...画家の技量に思う

  • 日本人と日本国民

    自分は「なにじん」なのだろうかと考えるが良く分からない。人類学的にホモサピエンス種・モンゴロイド属であるのは確かであろうが、日本人と呼ばれる特有のDNAを持っているわけでもなく、単に日本国籍という資格を政府から与えられ庇護されている「日本国民」に過ぎないのだろう。中学校社会科のレベルで止まっている自分の知識では、国家とは「領土を持ち」「住民がいて」「統治機構(政府)を持っている」ことであり、それぞれは不可分の関係にあると思っている。さらに、それらに優先順位を付ければ、第1位は「領土」であり、第2位は「住民」で「住民が選ぶ政府」は最後に位置付けられるのではとも思っている。ウクライナ事変を観ても、根本はロシアの領土欲から発したもので、ロシアとしてはウクライナを領土とさえしてしまえば、住民は選別や植民が可能で、...日本人と日本国民

  • 泉代表の初詣

    立憲民主党の泉代表の初詣が話題となっている。泉代表が写真付きで初詣風景をツイートしたが、参詣したのが乃木神社であったことから立民支持者と思われる読者から「軍神賛美はダメです」・「なぜ乃木神社なのですか」との批判的な書き込みが殺到していると報じられている。同様の事象は、平成31年に当時の枝野代表が伊勢神宮を参拝した際にも「コアな支持層を落胆させ、熱意を挫く」と批判されたことがあったとされている。両事象で共通しているのは立民支持者である前川喜平氏(元文科省事務次官:更迭)の「これによって失う支持者は、得られる支持者より多いだろう」という危機感コメントが端的に示しているのではないだろうか。しかしながら自分ですら枝野氏の例で、「立民も漸くに国家観を持つ政党になりつつあるのか」と安堵感を持ったことを考えれば、国家観...泉代表の初詣

  • 山形県の災害派遣要請

    本日は「人でなし」との指弾を受けるであろう主張である。12月31日未明、山形県鶴岡市西目で住宅等11棟が巻き込まれ4名が行方不明となる山崩れが発生した。これに対して山形県は、直ちに鶴岡市に災害救助法を適用して陸上自衛隊に災害派遣を要請したと報じられた。陸上自衛隊の派遣規模は不明であるが、以後「警察、消防など240人と重機で捜索」と続報されたことから、その多くが自衛隊員であるのではと思っている「人でなし」との誹りを受けるだろうと思えるのは、「今回の自衛隊への派遣要請」は必要だったのだろうかという疑問である。ある事態の対処に際しては「初動全力」が鉄則であり、第一報を受けた指揮官(山形県知事)が、考えられる全ての手段を採ったと評価すべきかもしれないが、過大過ぎる対応ではなかったかと思う。夜間で事故の状況が不明で...山形県の災害派遣要請

  • 良いお年を

    今年も拙ブログにご訪問頂き、有難うございました。世間並みに、年末年始の流れに身を委ねることとし、年明けの3日まで休載いたします。本年の掉尾は、ブログタイトルに沿って美術ネタといたします。掲載したのは、アルフレッド・ドロブ(1835年-1920年)の2枚です。ドロブは、フランスの写実主義の画家で、Wikipediaでも「1870年代半ばには何度か展覧会で賞を受賞し、政府からパリ市庁舎の装飾画を描く依頼も受けた」と簡単な紹介・解説に留まっています。自分に残された時間はそう多くはないようですが、いつの日か彼のような温かい眼差し・強い意志を秘めた眼差しの絵を描きたいものです。それでは皆様、良いお年を。プレゼント(所蔵先不明)若いタンバリン奏者(所蔵先不明)良いお年を

  • ガーシー議員帰国へ

    N党のガーシー(東谷義和)参院議員が帰国する見通しと報じられた。東谷議員の身過ぎ・来し方を知らなかったので、Wikipediaを斜め読みしたが波乱万丈の半生と思った。また、出国の理由は詐欺の捜査から逃れるためで、帰国も議員のユーチューブ記事によって誹謗中傷を受けた著名人からの告訴への事情聴取に応じる意味合いが大きいともされていtる。自分は、憲法の定める被選挙権を有する者は、誰であれ議員となって政治に参画することは当然と考えているが、東谷議員のように当選以来1度も登院しないのは政治に参加する意思を持たないもので、公務員の職務放棄と思う。今回帰国の意思を見せた背景には議員の不逮捕特権を期待する意味合いもあってのことかと思って、勉強してみた。不逮捕特権の根拠は、憲法50条「両議院の議員は、法律の定める場合を除い...ガーシー議員帰国へ

  • 中国のコロナ再輸出

    中国におけるコロナ禍は、惨状との表現が相応しいと報じられている。中国の公式発表では、新規感染者・死者数は神奈川県よりも少なく、14億人の人口から考えると眉唾以上に思える。風聞では、今月の1日から20日までの感染者が2.5億人にも達しているとされるが、これに日本の死亡率0.2%を当て嵌めても死者は50万人となる。加えて中国製ワクチンの有効性や30%台ともされるワクチン接種率を加味すると、露天で診察・投薬を受け、火葬場に順番待ちの行列ができているとの報道も頷ける思いがする。中国と云えば、1956年に始まった大躍進政策の失敗で大飢饉を招き、推定で1500万〜5500万人が餓死したとされている。当時の中国人口は5億人程度であるので、人口の3~10%が犠牲になったことになるが、指導した毛沢東は1959に政策失敗を認...中国のコロナ再輸出

  • 海上保安庁法25条を考える

    政府が閣議決定した安保3文書に関連し、有事における保安庁の存在・統制が議論されている。海上保安庁法第25条には「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。」と規定されており、有事においても自衛隊が海保を統制して統合運用することを禁じている。同法立法の由来に関しては無知であるが、何らかの改正が必要ではないだろうか。これまで、縦割り行政の弊害として、同一の目的・目標達成のための制度に「行政割に従った複数の機関・制度が並立」し、非効率のみならず混乱を招いた事例が多い。海上保安庁は、大型巡視船と雖も40㍉機関砲どまりの武装しか持たないので、もし自衛隊の統制下に配されても戦闘艦艇との直接交戦は不可能であるが、有事にお...海上保安庁法25条を考える

  • トマホーク購入

    来年度の防衛費が総額6.8兆円となる見通しと報じられた。新規事業としての反撃能力整備には、トマホーク購入に2113億円が、12式地対艦誘導弾(SSM)の射程延伸(100㎞⇒1000㎞)の整備については1227億円が計上されている。また、継戦能力向上のためにも、弾薬整備に9901億円、航空機等の維持整備費2兆359億円が計上されてもいる。この数字を見ると極めて巨額に感じられるが、内容を精査すればこれまで怠っていた事業へのパッチ充ての意味合いも強く、部品の調達ができないために本来可動すべき戦闘機の一部を部品取りのために非可動とせざるを得なかったケースや、実弾射撃訓練を減らしていた現状を解決するための予算措置に過ぎないものも多い。トマホークの購入については、国産ミサイルの開発に時間を要することから止むを得ない対...トマホーク購入

  • 千賀滉大投手へのエール

    千賀滉大投手のメッツ入団が報じられたので、改めて千賀投手の経歴を眺めた。千賀投手は、2011年に愛知県立蒲郡高校から育成ドラフト4巡目でソフトバンクに入団した。2010年のドラフト会議では97名(ドラフト68名、育成ドラフト29名)が指名され千賀投手の指名順位は全体では91位で、育成ドラフト制度が無かったら高校卒業後に大学や社会人野球で活躍しない限り千賀投手の野球生命は終わっていたように思える。以後の球歴を辿ると、2012年に一軍へ抜擢され初黒星、2013年にようやく初勝利と決して華々しいものではない。しかしながら、2015年に「お化けフォーク」で大化けして今や球界を代表する投手とされ、WBCや東京五輪で活躍したことは記憶に新しい。2010年のドラフト会議の結果を眺めると、現在も第一線で活躍する山田哲人(...千賀滉大投手へのエール

  • 韓国の反応

    敵基地攻撃能力(反撃能力)保有を明記した防衛3文書改訂に対する伴う韓国の対応に興味を持った。この問題に対して、韓国外務省は「朝鮮半島の安全保障および我々の国益に重大な影響を及ぼす事案は、事前に韓国との緊密な協議および同意が必ず必要だという立場だ(ハンギョレ新聞)」とし、韓国軍は「日本が有事の際に北朝鮮を攻撃する場合は韓国の承認が必要。北朝鮮は韓国の領土を「朝鮮半島とその付属島嶼」と明記した憲法第3条に基づき、韓国の領土となっている。このため、韓国の承認を得ず北朝鮮を攻撃することはできない(ソウル聯合ニュース)」とそれぞれ伝えている。「成る程。北朝鮮は韓国の一部であったのか?」と改めて思う一方で、「そろそろ韓国も現実を直視すべき時期にあるのではないだろうか?」とも思った。朝鮮半島の分断固定化を阻止しての南北...韓国の反応

  • 防衛3文書の閣議決定

    防衛3文書が閣議決定された。防衛3文書改訂については、拝金主義的に防衛費増額についてのみ論じられるが、実質は国民に対して国防意識の変革を求めるとともに自衛隊の近代化・強靭化を目指すものと思っている。これまでの国防意識は、「日米安保破棄・自衛隊解体」を主張する共産党・社民党支持者を除いて、大方は「国防は日米安保に依存するが日本の負担は局限すべき」であったと理解している。また、日本人の国防意識をイビツした背景には、大東亜戦争を含む戦前のアジア政策を全否定する東京裁判史観に立った極端な近隣諸国配慮と平和憲法に配慮した「政局判断」で案出された「専守防衛」と「必要最小限の自衛力」という空疎な概念が、年月を経てもはや国是と考える人々を生み出してしまったことが挙げられる。最悪であるのは、平和憲法が規定する「不戦」条文を...防衛3文書の閣議決定

  • 自衛隊のハラスメント

    海自幹部学校の男性1等海佐と上司の海将補の懲戒処分が報じられた。処分の事由と程度は、1海佐はパワハラによって2階級の、海将補は1海佐の行為隠蔽によって1階級の、降任処分とされている。降任は免職に次ぐ処分でり、これにによって海将補(定年制除外)は1佐となったために自動的に定年に該当して同日付退職となったが、面目と将来を失った1海佐も依願退職するだろうと思える。報道では、「自衛隊でパワハラ行為での降任処分は初めて」とされているが、自分の認識では「降任処分」自体が前例のないように思える。2階級降任を民間に当てはめれば、部長が課長を飛び越えて係長クラスに、校長が平教員に落とされることで、全キャリアの否定と同じであるように思う。1海佐の言動は、部下の監督・指導に「インテリ野郎」「バカ」「制裁してやる」などと発言し、...自衛隊のハラスメント

  • 我々の責任だ

    岸田総裁の発言が論議を呼んでいる。問題視されているのは、自民党役員会終了後の記者会見で茂木幹事長が岸田総裁のメッセージ「(防衛費増額は)今を生きる国民が自らの責任として、重みを背負って対応すべきものだ」を紹介した部分である。メディアが伝える市民の反応は、「上から目線」、「国民に責任を押し付ける」に集約されるようであるが、発言が総理としてではなく党総裁としてなされたことを考慮しなければならないと思う。岸田氏は自民党総裁と内閣総理大臣という二重人格を持っており、当然のことながら両人格では思考と発言が異なってくる。二重人格という概念は、一般国民には定着していないものかと思うが、軍隊組織では普通に行われている。例えば、海自の地方総監は隷下に実働部隊と後方支援部隊を有しているが、〇〇指揮官という別の人格も持っており...我々の責任だ

  • ”タバコ”2題

    防衛費増額の財源として、煙草税の増税が取りざたされている。煙草税は「最も取り易い税金」とされていることから、もはや増税は「取り沙汰」の域を超えて「決定事項」かとも思える。JTのHPでは、「煙草には国税、地方税、特別税、消費税の4種類が課税され、一般的な紙巻たばこでの税負担率は6割にも達し、わが国で最も税負担率の重い商品のひとつ」とされている。さらに、煙草は定価販売が義務付けされているために、お酒のようにディスカウントショップでの安売りや、懐事情に応じて立ち飲み~高級クラブを選択できる途もない。煙草税は、近年では「物質課税」から「健康目的の懲罰税」に変化していることも、愛煙家が反対できない理由の一つになっており、とやかく言おうものなら「四の五の言わずに止めなさい」と一喝されるのが落ちである。内心の忸怩を抑え...”タバコ”2題

  • 中国の最新コロナ事情

    中国のコロナ事情がメディアを賑わしている。中国では、ゼロコロナ反対デモに「共産党・習近平退陣」のプラカードやシュプレヒコールが目立ち始めた結果、政府は已む無くゼロコロナ政策の緩和(撤廃)に踏み切った。これで大手を振って外出・旅行・観光・ビジネス行動が解禁され、街はさぞや多くの人出で賑わっているかと云えば、現地から伝えられる限りの情報ではそうでもないようで、義務付けられていたPCR検査場は閑古鳥が鳴く半面、発熱外来には数倍の患者?が押し寄せ、救急車の出動も数倍に跳ね上がったようである。信頼のおけない公式発表でも北京の罹患者は1万人に迫る勢いとされているので、東京を含む大都会の実情に近い様相ではなかろうかと推測している。更に悪意を以って勘繰れば、公徳心と民度に難ある国民性を加味すれば、日ならずして世界一の栄冠...中国の最新コロナ事情

  • 学術会議の改革案に思う

    日本学術会議(以下「会議」)の改革が漸くに始動した。会議の存在は2020年10月に菅義偉前総理が、学術会議が推薦した新規会員候補者のうち6名の任命を拒否したことで注目され始めた。それまで自分も、会議が「軍事技術の研究は行わない」という頑なな姿勢を堅持し、防衛・国交省の「艦船の補助推進力に帆を活用する」研究すら委託された大学を妨害したことくらいしか知らなかったが、その背景には「新規会員は退任する委員の推薦者を自動的に任命する」ことがあって、そのことが70年以上も終戦当時の一億総懺悔体質を維持していることを知った。学術会議を所管する内閣府と自民党は、菅前総理の任命拒否騒動を受けて改革案を検討して今回の、「会議の廃止や独立行政法人化は見送って引き続き政府機関とするが、委員の任命に第三者が関与する」という、抜本的...学術会議の改革案に思う

  • 防衛費増額と外交

    防衛費増額に関して、種々の主張がなされている。中でも突出しているのが、紛争の解決は外交に依るべきで武力の強化は必要ないのではという意見であるように思える。武力は外交を補完するカードの1枚に過ぎないという自説はさて置いて、果たして軍事的な背景を持たない外交が万能であろうかと疑問に感じる。外交交渉においては「双方が交渉による解決を望む」ことが不可欠であるが、双方ともに交渉による解決の意思を持たない、若しくは交渉呼びかけに相手国が応じないこともしばしばで、特に核心的な利益衝突のケースにおいては、外交交渉は絶望的であると思う。ウクライナ事変の停戦協議が仲介国の努力にも拘わらずに開催の目途・気運さえ見えないのは、双方に交渉による解決を求める意思がないことを如実に示す好例であるように思う。また、日本からの日朝首脳会談...防衛費増額と外交

  • 中国共産党立民支部?

    立憲民主党の耳を疑うような政治姿勢が報じられた。報じられたのは、衆院予算委員会で9月29日に立民の末松義規議員が、10月17日には同じく立民の岡田克也幹事長がそれぞれ、大約「台湾への中国の武力侵攻が日本に重大な余波を持たらすので、政府は『台湾の独立不支持を明言せよ』と総理に迫った」ことである。さらに、両議員は背景として、末松議員はバイデン大統領が、岡田幹事長はブリンケン米国務長官が「台湾独立不支持を明言した」ことを挙げているが、ブリンケン発言は直ちにホワイトハウスが「国策は変更しない」と否定し、バイデン発言は「独立に関しては台湾自らが判断を下すこと」であり、あたかもアメリカ政権が台湾独立不支持転舵を明言したとするのは誤りである。これに対して台湾は、「重大な内政干渉」と抗議するにとどまらず、「まるで中国外務...中国共産党立民支部?

  • 開戦の日に満州国を考える

    大東亜戦争開戦の日に、遠因となった満州国とリットン調査団について勉強した。大まかには、1931(昭和6)年柳条湖事件。中華民国が国際連盟に提訴。リットン調査団の派遣決定1932(昭和7)年リットン調査団が満州及び日本を視察・調査調査団の報告を待たずに満州国独立1933(昭和8)年国際連盟脱退を通告(脱退発効は1935年)1936(昭和11)年二・二六事件・満州農業移民百万戸移住計画(20年百万戸送出計画)策定、満州への移民本格化1937(昭和12)年日中戦争に発展。となる我々はが学校で、「リットン調査団の報告が日本の行動(満州経営)を非として満州からの完全撤退を求めたために、反発した日本の国際連盟脱退を招いて日中戦争に発展した」と教えられた。しかしながら、リットン調査団の報告書を眺めると、柳条湖事件は自衛...開戦の日に満州国を考える

  • W杯終わる

    8強の壁に跳ね返されたところで、一時的な俄かサポータのサッカーW杯が終わった。戦前から今回のジャパンは史上最強と報じられ、予選リーグでドイツ・スペインを破ったこともあって「新しい景色(ベスト8以上)」が見られるのかと期待したが、やはり欧州・南米には及ばなかったようである。以前には組織力の欧州、個人技の南米・アフリカと云われて信じてきたが、ダイジェスト版の予選各試合を観ると得点を挙げた選手には個人技に長けたビッグネームが名を連ねているとはいえ、彼らに球を持たせるには中盤の組織力が必要であり、勝利には組織力と個人技の両方が必要であることが分かった。これまでのW杯は、新聞で報じられる試合結果しか観なかったが、今回はネット情報を併せて見ることにした。ネット記事の大半は往年の名選手・監督経験者ではない熱狂的ファンか...W杯終わる

  • (電力)カルテルに思う

    産経新聞の社説「不当な競争制限許されぬ」を読んだが、一面的な考察では?と疑問に感じた。社説は、「企業向け電力を巡る関西・中国・中部・九州電力がカルテルを結んで自由競争を妨害したことは、自由化に逆行し契約者の利益を損なう行為」と断罪している。電力については、・2000年「特別高圧(大規模工場、デパート、オフィスビル)」部分を自由化・2004年~自由化の範囲を「高圧(中小規模工場・中小ビル)」部分に順次拡大・2016年家庭用を含む「低圧」部まで全面自由化となっており、地域の電力(発電)会社からしか購入できなかった電気を、どこの電力会社からでも購入できることになった。東電地域に住む自分の例でも、ガス会社が仲介した中部電力の電気を使用するという形態であるので、「中部電力(卸問屋)~ガス会社(小売業)~自分」という...(電力)カルテルに思う

  • 死刑囚の要求を学ぶ

    大阪拘置所に収容されている死刑囚3人が、「絞首による死刑執行は、残虐な刑罰を禁じる国際法や憲法に違反しており、絞首刑の執行差し止めと計3300万円の賠償を求める」訴えを大阪地裁に起こしたことが報じられた。提訴したのは、いずれも死刑確定から10年以上が経過し、うち2人は刑事裁判のやり直しを求める再審請求中であるとされる。なお、原告弁護人は「死刑制度を問うものではなく、死刑の執行方法を問うもの」としている。死刑囚からの慰謝料請求は、ネット上の記事を拾い読みするだけでも、〇14年以上にわたりカメラ付きの部屋で監視されたのはプライバシー権の侵害だとして、1900万円の損害賠償を〇死刑執行を当日に告知するのは違法だとして、事前告知と2200万円の慰謝料を求めて〇再審請求のため弁護士との打ち合わせを制限されたとして1...死刑囚の要求を学ぶ

  • 2023年度予讃編成の基本方針に思う

    経済再生を最優先課題とし、防衛力の抜本的強化や物価高対応などに注力するとした2023年度予算編成の基本方針が閣議決定された。これに伴って、8月末に提出された防衛省の概算要求5兆6千億円がどの程度予算案に盛り込まれるのかが注目されるとともに、今回の予算が2023年度からの5年間に必要と積算された総額48兆円の防衛費の行方にも影響すると思っている。次年度予算案はさて置いて、5年間48兆円とされる防衛費では研究開発費が増額されることと、公費による防衛産業育成が含まれているのが特色とされる。そのいずれもが従来の「武器は完成品を購入する」という予算措置では不十分若しくは認められなかったもので、大きな前進と思う。武器の開発については、長期の研究と多額の経費が必要で、関連企業にとっては「海のものとも山のものとも分からぬ...2023年度予讃編成の基本方針に思う

  • 福山哲郎議員の名言

    参院予算委員会において立憲民主党の福山哲郎議員が正論を述べた。質問に立った立民論客の筆頭とも称される福山議員は冒頭で「我々には(物価対策・防衛?)やらなければならないことがたくさんある。疑惑に付き合っている暇はない」と強調したと報じられている。ここまでを見る限り、「流石に松下政経塾出身者。的確に日本の現状を分析しており喫緊の問題点について論陣を張る」かと期待を抱かせるに十分な正論である。しかしながら、当の福山議員は持ち時間の全てを秋葉賢也復興大臣の疑惑追及に費やし、肝心の物価対策などには触れずじまいであったらしい。現在、国民が国会と国政に期待する関心事は何だろうか。立憲民主党が総力を挙げる国会議員と旧統一教会の関係を明らかにすることだろうか・はたまた大臣の首狩りだろうか。自分が会期中の臨時国会に求めるのは...福山哲郎議員の名言

  • 中国の海外派出所を考える

    中国公安が設置した「海外派出所(海外110番)」が、物議をかもしている。中国は、30か国に「海外派出所(海外110番)」を開設したと公表しているが人権団体等は50か国にも及ぶとしており、日本でも東京都千代田区神田和泉町にある十邑会館が本部とされている。設置の目的と活動について中国は、「在外中国人を扶けるサービスセンター」としているが、9月にスペインの人権団体が「亡命中国人の監視・脅迫」を行っていると告発したことを受けて疑惑が集中している。本来、海外にある国民を扶助するのは現地に置かれた公館の任務であると思うが、「海外派出所(海外110番)」は中国公館とは指揮関係を持たないものの様で、その名前が暗示するように国際法では認められない中国司法権の執行すら企図しているのではと疑えるように思える。さらなる杞憂は、中...中国の海外派出所を考える

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