雨の降る街 7 翌日
ハンドルの前の席に、レンは黙って掛けていた。自分のそばまで、サクが歩いてくるのを待つ。足音が止まると、口を開いた。「新しい道を、見つけられたんだな。早く行ったほうがいい。見失わないうちに」「僕の父は、教師だったんだ。いつも威圧的で、そんな父が、大嫌いだった」 サクは口から言葉が、溢れ出るように語り始めた。それを、レンは決して遮らず、また穏やかな表情も崩さなかった。「進路のことで口論になった。僕...
2022/02/19 20:20
2022年2月 (1件〜100件)
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