声無き声
iStock知人は小高い麓に住み、静寂と平和な空気を満喫できても、そこからどこへ行くにも車を運転するには、夏の間でさえちょっとしたチャレンジのような悪路しかない。つまり道路には大小の穴があり、でこぼこで、たいへんにラフな乗り心地になる。たくさんの緑の葉でいっぱいの枝が重たげに垂れ下がっている木々は運転者の視界を妨げている。さらに、いつひょいと現れる犬や猫や鹿が、道を渡ろうと飛び出てくるか常に目を光らせていなければならない。そんな田舎道を運転していると、時折道端で子鹿が死んで横たわっているのが目に付く。まだ白い斑点が背中に残るほんの子供の鹿である。そして道を数マイル下ったところでは、さきほどの反対側の道端で別の子鹿が死んでいたりする。息絶えた、若いと言うよりも、まだまだ幼い子鹿を見るのはとても悲しいことだ。...声無き声
2022/07/30 00:00