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2017/03/26

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  • 『大家さんと僕』 矢部 太郎 本 読書メーター

    大家さんと僕 作者: 矢部太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/10/31 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (13件) を見る こんな風に人と繋がれたら素敵だ。恋でも友情でも家族愛どもなく、関係を表す言葉はないけれど、間違いなく大家さんと矢部さんは繋がっている。都会のファンタジーのようだ。読み終わった後に残る、微かに暖かくて柔かな手応えの感触もまた、都会のファンタジーのような幸せな贈り物だ。昭和を生きた素敵な女性、素直で教養と矜持があって凛とした芯と親切で優しい心根を持つキュートな彼女だからこそ私たちに幸せを運んでくれたのだろう。

  • 『聖なる侵入 (1982年) (サンリオSF文庫) 』 フィリップ・K・ディック 本 読書メーター

    聖なる侵入 (1982年) (サンリオSF文庫) 作者: フィリップ・K・ディック,大滝啓裕 出版社/メーカー: サンリオ 発売日: 1982/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (6件) を見る ディックの真髄を堪能。目の前にある現実が虚構なのではないか?人らしさとは?人工物と自然物を分ける何かがあるのか?等を経て、同時にドラッグと悪女によって狂い多くの友を失っていった人生の先にたどり着いた神学。満身創痍ながら真摯に書き続け得た物は、単なる俗なる宗教ではなく、神と呼ばれ崇められる者への燃えるような問いだ。混沌としたヴァリスも良いが、物語として纏めあげ…

  • 『出版禁止 死刑囚の歌』 長江 俊和 本 読書メーター

    出版禁止 死刑囚の歌 作者: 長江俊和 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/08/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 前作から数年、格段と小説としてのレベルが上がっていた。表の話だけでも、終盤の彼の行いと言葉に、一条の希望を感じ余韻を残す良いエンディングだった。ネタバレ解禁日までは詳細には触れないが、隠された真実の忍ばせ方が憎いくらいに巧妙だ。気づいたつもりの真実の、さらにもう1つ裏側がある事にたどり着いた時の驚きも強烈だった。あなたのそれは、本当に隠された真実か?

  • 『リレキショ』 中村 航 本 読書メーター

    リレキショ (河出文庫) 作者: 中村航 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2005/10/05 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 27回 この商品を含むブログ (76件) を見る 意思と勇気をもった生き方についてのお伽噺。だから、主人公の来歴や物語の綺麗な決着は大きな問題じゃない。切り取られたシーン、シーンに登場する人々の心の動きや関係を慈しみながら感じる事が心地よい一冊だった。こんな物語も時にはありだな。山崎さんの涙。ウルシバラの手紙や行動。良の決意。それぞれが愛しい。意思と勇気をもった行動や言葉が作る関係が、人そのもので、それを記して行くのがリレキショなんだな。過去の…

  • 『コンビニ人間』 村田 沙耶香 本 読書メーター

    コンビニ人間 (文春文庫) 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/09/04 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 村田クレイジー沙耶香が、日常にまで侵食してきやがった。彼女は、性や性器、生殖や欲望に真っ向から向き合い、「常識」と言う心地の良い幻想を根底から揺さぶって読者に凶的で恐的な真実を突きつけてきた。今回は、コンビニと言う日常とは切り離せない世界を背景に、ごく当たり前の「普通」の薄気味悪い本来の姿を淡々と描いている。マニュアル通りに店員を全うする主人公と、「常識」通りに反応する登場人物や私たちとの間には差異はない、もちろん貴賤も上下も。…

  • 『累 -かさね-』 映画 魅せられて見せ付ける、それが女優よ

    www.youtube.com 絶叫台詞と過剰な説明は、邦画の宿命として目をつぶっても余りある、役者が演じる事を演じるスリリングな映画だ。 舞台の魔力に魅せられた女優をテーマにした傑作映画『ブラック・スワン』に負けない、女優の美と狂気を描ききっている。 醜悪な顔へのコンプレックスから他者を演じる事で存在を肯定されると感じる女と、綺麗な顔を人に賞賛され崇められる事で存在を肯定されると感じる女が、舞台と言う狭く広い板の上での存在をかけて、お互いの存在を必要としながら憎しみを深めていくストーリーの展開も、怒涛のラストに向かっていくにつれ緊張感を増していく完璧な構成だ。 開幕早々の土屋太凰が演じる舞台…

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