Event Horizon
目が覚めて、ぼくの一日が始まる。(きみは酷く怯えているように目覚める。)都合の良い夢(だれかに無条件に愛される夢)に浸るのは精々約一時間)で起き上がって紅茶を淹れる。この部屋の窓から、外を眺めるのは憂鬱であることのほかはない。もうこの部屋に、陽が射す日はない。ぼくはあの夜、いつもの苦しみを忘れられる為の特製ドリンクを作って飲んだ。それはただの、安いブランデーとカフェインレスのインスタントコーヒーと黒糖とシナモンとソイドリンクと水を混ぜたものだった。それをプラスチックのマドラースプーンで混ぜたら、グラスのその表面に、この星の未来が映し出された。ぼくは限界まで、そこに悲劇的人類の未来を夢見た。人類…
2021/10/13 02:38