過保護の花男くん 1

過保護の花男くん 1

胡蝶 望海バーナーで炙ったカラメルのような鎧を、常に纏っていた。外はパリッと歯ごたえがあるが、中はとろとろで柔らかい。中の弱い部分は誰にも触れられたくなくて、虚勢を張って壁を作る。その薄くて脆いカラメルを強固な鎧だと勘違いし、他者を断絶し、自分の世界に浸るのが中二病。その脆さに気がつきながらも、なかなか脱げないのが今の俺というところだろう。理想の自分と現実の自分との差。その大きさに比例して、中で閉...