大工の棟梁源太は、朗円上人の慈愛の心を汲んで、世に埋もれて、血の涙を流す「千里馬」・「のっそり十兵衛」に、すっぱりと工事を「譲る」。 いよいよ工事が始まった…
思案に余った源太は、感応寺に出かけ、上人の判断を仰ぐ。『五重塔』幸田露伴1970年中央公論社P363 十兵衛になり私になり二人ともどもになりどうにも…
前々回我々は、上人が十兵衛、源太のいずれに工事を命じるか、二カ月もの間、迷いに迷われるのを見た。ついに、上人の心に一つの案が浮かんだ。翌日、早速、二人を呼び…
前回我々は、十兵衛が精魂傾け夜も眠らず造った、五重塔の五十分の一の雛形の余りの見事さに絶句した上人が、これほどの腕を持ちながら、世に埋もれている口惜しさはい…
前々回の続きである。『五重塔』幸田露伴1970年中央公論社P345 黙々と十兵衛の言葉に耳を傾けていた上人が、 「ああ殊勝な心がけを持っておらるる、 …
前回まで我々は、「五重塔」に、全身全霊を打ち込む十兵衛の「真実の姿」・「誠」を見て来た。 今回は、「誠」が、いかに尊いものであったかを復習してみよう。我々…
前回我々は、十兵衛に、「五重塔を汝(きさま)作れ今すぐつくれ」と、夢のお告げがあったのを見た。 今回は、その続きである。『五重塔』幸田露伴1970年中央公…
前回我々は、誰にもひけを取らぬ腕の持ち主でありながら、年がら年中、長屋の羽目板やら、馬小屋、どぶ板の修理に明け暮れる十兵衛が、五、六日前、川越の源太が「五…
論語漫歩662 『星の王子さま』 十兵衛の「誠」2 偽者横行
前回は、十兵衛が、「思い詰めて参上(まい)りました、その五重の塔を」と、上人に告げるところまでであった。 今回は、その続きである。『五重塔』幸田露伴1970…
はしっこい小人(しょうじん)たち、すなわち、『星の王子さま』の世界の「大人」(おとな)たちが、幅を利かす世知辛い俗世に、目も鼻も口も耳も無い「渾沌」(こんと…
「上人様に直々(じきじき)申し上げたき儀がござりまする」と、庫裡(くり)の土間に坐り込む十兵衛。これを引きずり出そうとする寺男たち。たまたまそこへ通りかかる…
前々回、ついに「のっそり重兵衛」が、感応寺に現れた。『五重塔』幸田露伴1970年中央公論社P341 髪はぼうぼう、着物はつぎはぎだらけ。その彼が うろ…
前回我々は、朗円上人の高き「徳」が、微々たる「小寺」を、荘厳にして、清らかな、堂々たる「大寺」に生まれ変わらせるのを見た。 今回は、いよいよ、「のっそり十…
前回我々は、『大学』の言葉 徳は 本なり 財は 末なり を引用した。仁徳天皇の「仁」(民を慈しむ心)の「徳」が、「世界一」の「仁徳陵」を生み、朗…
論語漫歩656 『星の王子さま』 「徳は 本なり 財は 末なり」
我々は、『荘子』内篇の最後を飾る「渾沌」、『荘子』哲学の究極の境地を示す「渾沌」が、「一切の分別」を越えて、無心忘我の境地に遊び、目も鼻も口も耳もない、全…
前々回我々は、『荘子』の中核「胡蝶の夢」と、ユングの「礼拝堂の夢」が通い合うのを見た。 物事に熱中して、「無我夢中の人」、例えば、対局中の「秀哉名人」や、「…
我々は今、『荘子』を代表する「斉物論篇」の、しかも、その最後を飾る「胡蝶の夢」について見ている。 そもそも、「斉物論」とは、どういう意味なのであろうか。福…
前回我々は、『荘子』の「胡蝶の夢」の読解を終えた。荘子は、胡蝶になった夢を見、夢から覚めて考えた。 一体、 今目ざめている自分が胡蝶となった夢を…
前回我々は、「渾沌説話」と並び、「荘子哲学」の双璧と称せられる 「胡蝶の夢」 の原文を引用した。今回は、その読解である。ここでも、福永光司先生の「読…
前回我々は、読書三昧中の我々は 「竜宮城の浦島」であり 「渾沌氏の民」であり 「エデンの園の住民」である のを見た。 「秀哉名人」や …
論語漫歩650 『星の王子さま』 「竜宮城とエデンの園」「玉手箱の秘密」
前回我々は、「無我の三昧境に澄み渡る名人」の姿を見た。 我々も、小説に読み耽り、気が付いたら夜が明けていた、という経験を何度もした。あの時、小鳥のさえずる声…
論語漫歩649 『星の王子さま』 「無我の三昧境に澄み渡る 秀哉名人 ! 」
前回我々は、「ぼんやり 秀哉名人」を見た。今回は、「渾沌氏の民 秀哉名人」の最終回である。『名人』川端康成1970年旺文社文庫P35 昨日は黒白一手…
前回我々は、秀哉名人が、「三昧境に没入」してしまう、真に「渾沌氏の民」であり、「エデンの園の住人」であることを見た。 今回は、その続きである。 我々は、「渾…
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