その男、不遜につき 33
いつになく静かで安らかな夜だった。まるで時が止まったかのように言葉もなく抱き合っているふたりの間に、かつてないほどの穏やかな空気がゆったりと流れているからだろうか。ふっつりと会話が途切れてもなお、ヨンファはジョンシンの肩に頭を預けるようにして、すっかり馴染みきった温もりに寄りかかっていた。胸許に深く抱き留められていると、スーツの上着越しでも触れ合った箇所からジョンシンの体温が沁み入るように感じられ...
2024/05/30 19:57
2024年5月 (1件〜100件)
「ブログリーダー」を活用して、haruさんをフォローしませんか?