蒼き運命 -アオキサダメ- 98

蒼き運命 -アオキサダメ- 98

ジョンヒョンが裏口のドアを開けて建物から出るなり、外の冷気がすうっと入ってきて、あとに続いていたヨンファの頬を撫でた。咄嗟にコートの襟に巻きつけたマフラーに顔を埋めたものの、温まっていた身体がぶるっと震える。午前零時を回ったマンション周辺はしんとした静寂に包まれており、聞こえるのはふたりの足音だけだった。幹線道路から外れた場所に位置しているため、昼夜を問わず車の通りが少ないのだ。美しい星々が瞬いて...