トニ・モリスンの『暗闇に戯れて』
◇『暗闇に戯れてー白さと文学的想像力』(原題=PLAYINGINTHEDARKWhitenessandtheLiteraryImagenation)著者:トニ・モリスン(ToniMorrison)訳者:都甲幸治2023.9岩波書店刊(岩波文庫)本の題名で一瞬サスペンスか何かと誤解しそうになるが、違う。キャザー、ポー、トウェイン、ヘミングウェイなどアメリカ文学者の作品にみる人種的差別の構造を分析した批評書である。アメリカ文学史の根底にある「白人男性を中心にした思考」形態を鋭いタッチで抉り出す。”白人ではない、アフリカ的な(あるいはアフリカ系の)存在や人物が想像力の中でどう構成されてきたのか、そしてまた、こうして捏造された存在が想像力の中でどう利用されてきたのかを、この研究では堀り下げる。””文学的想像力にお...トニ・モリスンの『暗闇に戯れて』
2023/12/25 15:00