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  • トニ・モリスンの『暗闇に戯れて』

    ◇『暗闇に戯れてー白さと文学的想像力』(原題=PLAYINGINTHEDARKWhitenessandtheLiteraryImagenation)著者:トニ・モリスン(ToniMorrison)訳者:都甲幸治2023.9岩波書店刊(岩波文庫)本の題名で一瞬サスペンスか何かと誤解しそうになるが、違う。キャザー、ポー、トウェイン、ヘミングウェイなどアメリカ文学者の作品にみる人種的差別の構造を分析した批評書である。アメリカ文学史の根底にある「白人男性を中心にした思考」形態を鋭いタッチで抉り出す。”白人ではない、アフリカ的な(あるいはアフリカ系の)存在や人物が想像力の中でどう構成されてきたのか、そしてまた、こうして捏造された存在が想像力の中でどう利用されてきたのかを、この研究では堀り下げる。””文学的想像力にお...トニ・モリスンの『暗闇に戯れて』

  • みかんを描く

    ◇我が家の青島ミカンclesterF6(中目)今年は我が家の柿がほとんど実を付けなかった。昨年が豊作だったので諦めていたところ、花が沢山咲いたみかんが驚くほどたくさん実を付けた。先週の水彩画教室でみかんを描くというので葉枝付きのミカンを持って行った。店頭のミカンと違って枝と葉を付けただけで新鮮さが伝わってくる。皮を抜いた姿も捨てがたい。(以上この項終わり)みかんを描く

  • 荒山 徹の『風と雅の帝』

    ◇『風と雅の帝』著者:荒山徹2023.9PHP研究所刊歴代天皇の系列に数えられていない天皇。王政復古、天皇親政を頑なに追い続けた後醍醐天皇に対抗し「天皇とは何か」を追い求めた「光巌帝」の激動の人生を描いた歴史小説。鎌倉時代から室町時代にかけて、万世一系の天皇家は持明院統、大覚寺統という二系列の王朝が互いに正当性を主張し合う皇統分裂時代があった。学校の歴史教科書でもあまり詳細には語られていない。この渦中にあった光厳天皇(量仁帝)に焦点を合わせ、この時代の幕府の権力構造の波に翻弄された天皇の苦悩を描いたのが本書である。作者は数多の史料、文献、著作を跋渉し魅力的な天皇像をヴィヴィッドに描き出した。皇統分裂は後嵯峨上皇が後深草帝と亀山帝とどちらを後継者にするかを定めないまま薨去したことに発する。一時は双方10年を...荒山徹の『風と雅の帝』

  • 水彩で魚の干物を描く

    ◇魚の干物・目刺しclesterF4(中目)前々回の水彩画教室のモチーフは魚の干物。昨年と同様アジの開きとイワシの目刺し。普段は目刺しはもちろんホッケの開きなど好物で良く食べるのだが、絵の素材には載ってこない。ましてや高橋由一画伯の超有名な「荒引鮭」などは論外。目刺しというが店頭に並ぶ目刺しはえらを竹串や藁で刺したのが多い。教室では藁は鰓から外されていた。新鮮な目刺しは皮肌が光り輝いている。鰓は陽に焼かれてべっこう色になっている。目にひかりはないが恨めしそうで、じっと見てはいけない。竹ざるにヒバなどの枝が敷いてあると色彩的にバランスがよく引き立ったと思うがそれは贅沢というもの。目の周辺をよく観察し丁寧に描けばよかったと後悔(下手にいじるとかえっておかしくなること必定)。(以上この項終わり)水彩で魚の干物を描く

  • パット・パーカーの『女たちの沈黙』

    ◇『女たちの沈黙』(原題:TheSilenceofGirls)著者:パット・パーカー(PatParker)訳者:北村みちよ2023.1早川書房刊西洋文学の巨頭ホメロスによるギリシャの「イリアス」という戦争叙事詩を、奴隷となった女性たちの視点からトロイア戦争の前後の出来事を描いた長編小説である。「イリアス」の主要人物と言えばアキレウスを初めアガメンノンなど男が主役であるが本書では攻略されたリュルネソスというトロイ近郊の王国の王妃プリセイスなど女性たちが戦争捕虜として囚われ、戦利品としてギリシャ連合軍のために働らかされる。リュネソスなど高貴な出の女性は側女として、その他は奴隷としてトロイを攻める側のために働かされた。本書を読むにはまずトロイア戦争を頭に入れておかなければならない。今から3000年以上前地中海で...パット・パーカーの『女たちの沈黙』

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