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  • アメリカのサイン

    アメリカでは65歳になると、皆Medicareと呼ばれる健康保険を申請する。私もオンラインで申し込みをしたが、出生地が外国なので、現在米国籍であることを証明するための書類提出を求められた。SocialSecurityAdministration(社会保障局)の事務所へ行かねばならない。DepartmentofMotorVehicles(車両管理局)や、CitizenshipandImmigrationServices(移民業務局)等と同じで、誰も行きたくない場所である。理由は、待ち時間がやたらと長いからだ。2、3時間などは当たり前で、ひどいときにはお尻が痛くなるまで半日座ったまま待たされる事もある。3時間待ち、支持された窓口へ行くと、恐ろしく機嫌の悪そうな兄ちゃんが座っていた。「イヤだな。さんざん待たされ...アメリカのサイン

  • 世界三大美女 (その3 小野小町)

    クレオパトラとヤンは、私を見るなり口をそろえて問う。「フィービー、あの女の人、誰なの?」私は答えた。「あなた達のように、世界三大美女のうちの一人、小野小町よ。知らないの?」「知らない。」「知らないわ。聞いたことない...。」女王は言った。「あんな糸のように細い目をした人が、美人なの?一体、人の話を聞いているのか、目をつむって眠っているのかわからなかったわ。」察するに、小野小町の知名度は日本だけにあり、世界では彼女のことを知る人はまずいないようだ。ここで私は説明をする。「平安時代の日本では、ほっぺたが膨れて目が細い人が美人とされたのよ。」二人が、ふ~んと不思議そうな顔をした時に、私の次男がやって来た。洗面所の蛇口からぽたぽたと漏れるので、新しいものに付け替えてくれるようにと頼んでおいたのだ。やぁ、いらっしゃ...世界三大美女(その3小野小町)

  • 世界三大美女 (その2、楊貴妃)

    楊貴妃が寝室へ消えてしまってから、しばらく居間はし~んとしていた。エジプト女王は欠伸をしながら両手を天井へ伸ばし、ストレッチを繰り返していたが、小野小町はブスッとそっぽを向いていた。私はというと、先ほど入手した情報を逃すまいと、メモの整理に忙しかった。「あなた達、何の話をしていたの?」パッツィーは、むき出しのお腹をポリポリと長い爪で搔きながら言った。それには答えず、コマっちゃんは反対に尋ねる。「あなた、この時期にお腹を丸出しにして、寒くないの?」女王も、質問を返す。「あなたこそ、バスローブの様なモノをそんなに何枚も着込んで、暑くないの?」「日本の宮中では、こういうものを身に着けるのよ。みだりに肌を見せるのは、下賤の者達のすることです。」「何ですって!?」ここで私は、割って入った。「まぁ、まぁ、みんなせっか...世界三大美女(その2、楊貴妃)

  • 世界三大美女 (その1、クレオパトラ)

    さて、エジプトからクレオパトラ、唐の国から楊貴妃、そして日本から小野小町がアメリカの我が家にやって来た。世界三大美女と言われた彼女たちは、我こそが最高の美貌を誇る者なりと言わんばかりに、着席後ハンドバッグからコンパクトなんぞを取り出し、髪を押さえたり化粧パフで鼻の頭をたたいたりしている。私はしばらくの間、それを面白そうに見学していたが、おもむろに口を開いた。「さて、それでは始めましょう。それぞれ自己紹介をしてください。パッツィー(クレオパトラ)からどうぞ。」「クレオパトラ7世です。エジプト、プトレマイオス朝の、えへん、女王です。」パッツィーはどんなもんだ、と言わんばかりに楊貴妃と小野小町のほうへ顎をぐいと突き出した。それをものともせず、ヤングイ(ヤングイフェイ、楊貴妃)は言った。「ヤングイフェィです。唐国...世界三大美女(その1、クレオパトラ)

  • 世界三大美女(序章)

    「退屈だな...。」3歳になった孫娘が保育園へ通うようになってから、半隠居生活の様な日々が続いている。次男夫婦が共働きをしているので、3年間彼女の面倒を見た。ようやく孫の育児から解放された時は、余暇もでき、嬉しかった。今までやりたくても時間がなくて出来なかったキルト作りを始め、クイーンサイズのベッドカバーを数週間で完成させたり、中途半端になっていたショパンのワルツを練習したりと暫く忙しい日々が続いた。しかし、ある日突然熱が引いたように、ぼんやりした。さて、今日は何をしようか?大好きな畑仕事も、この寒さで地面が凍てついてしまったので、出来ない。そろそろクリスマス休暇で、ピアノ教室の生徒たちもレッスンを休んでいる。それではと、客を三人お茶会に招待することにした。手製の大福餅を作り、茶の準備を整えていると、一番...世界三大美女(序章)

  • クリスマス

    「ちょっと、言いたいことがあるんだけど。」今から15年ほど前のクリスマス、私たち家族は、ボルティモアにある義理の母の家へ集まった。私は七面鳥の肉を食べるのを止めて、テーブルの周りにぐるりと座っている全家族を見回した。子供たちも含めて総勢12人。皆の視線が集まった。私がこれから言わんとすることは、昔の日本でなら、「嫁の分際で...。」と非難されるかもしれない事だった。「来年からは、もう今までの様なクリスマスプレゼントは買わないことにします。」案の定彼らは、「えっ?」というような表情をした。ひと呼吸おいて、私は続けた。「sugarcoat(うまく取り繕う事)はしないで、はっきり言うわね。お金がないのよ。毎年この時期に何百ドルもクリスマスプレゼントに使うのはとても苦しいから。」この場に、後ほど熟年離婚をすること...クリスマス

  • 知らなかった事

    アメリカには、「CuriousGeorge」という漫画がある。日本では「おさるのジョージ」と言われ、小さな子供のいる家庭では、結構知名度が高い。ジョージは「おじさん」と一緒に大都会のアパートに住んでいる。このおじさんは、いつも同じ帽子、シャツ、ズボンを着用しているが、これらすべてが黄色なのだ。本当は、テッドという名前がついているらしいが、作中ではいつも「Themanintheyellowhat(黄色い帽子のおじさん)」と呼ばれる。私の2歳の孫娘もジョージのファンで、よくこのアニメを観る。私も忙しくない時は、一緒に彼女の横に座ることがある。何にでも興味を示すジョージは、毎回いらぬことに手を出し、アパート中の下水管におもちゃを詰まらせたり、ドーナツ屋さんで頼まれもしないドーナツを何百個も注文した後トンズラした...知らなかった事

  • 孫娘との会話

    私には孫が5人いるが、一番の年下は2歳でサラ、という。通称さっちゃん。「バイリンガルの子供たち」の記事に載せたが、サラの両親は共稼ぎなので、週日私が子守をする。私は彼女と接する時は、できるだけ日本語を話すよう努めている。しかし悲しいかな、アメリカ生活も40年を過ぎると、これがうまくいかなくなる。ぼんやりしていると、つい英語になってしまうからだ。我が家から10分ほど離れた次男宅で日本語を話す者はいないので、サラに日本語習得をさせるのはなかなか難しい。2か国語間で混乱したのか、孫娘は話し始めるまで時間がかかった。最近ようやく言葉を使って、色々な意思表示を始めたが、そのほとんどは英語なのだ。私は日本語で質問する。「お腹すいたね。そろそろ、まんま食べる?」「Yay!(わーい!)」「残さないで全部食べなさい。もっと...孫娘との会話

  • あやめちゃん (その2)

    はてさて、「あやめちゃん(その1)」の記事を書いてからあっという間に3か月以上も経ってしまった。彼女を初めて食事に招待した時に、広島で食べたお好み焼きがとてもおいしかったというので、その数週間後にでもまた、という約束をしてあの日はお開きとなった。それから長いことブログをほったらかしにしておいたので、定めし読者の皆様方は呆れたことだろうが、言い訳をすると実は色々あったのだ。まずあの直後、ロシアがウクライナへ攻撃を始めた。ウクライナ国内にいるネオナチ滅僕の為という大義名分を掲げたプーチン大統領の精神状態を疑う。他国のことだから関係ない、アメリカに住んでいる我々は大丈夫、と言うわけにはいかない。数国を除いた全世界から総スカンを食らったロシアでは、ルーブル貨幣の下落や物資不足など様々な不都合が起こり、国民の生活が...あやめちゃん(その2)

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