『明治維新を成功させた思想と発明(中編)
(「錦の御旗」をつくった人は“発明家”)幕府軍と長州・薩摩軍との戦いは、兵力的に見ると幕府軍のほうが優勢であり、指揮官がその気になれば、本当は幕府軍が勝てた戦いでした。ところが、慶喜は、国学、水戸学を学んでいて尊皇の思想が非常に深く入っていたため、幕府軍は京都まで攻め上っていたにもかかわらず、敵方が出してきた『錦(にしき)の御旗(みはた)』に敗れたのです。討幕軍は、自分たちを「官軍(かんぐん)」と称し、天皇家の菊の御紋が入った『錦の御旗』を押し立ててきました。「錦の御旗を立てれば、幕府軍は弾(たま)を撃ち込めない」ということを思いつき、錦の御旗をつくった人は“発明家”だと私は思います。この錦の御旗によって幕府軍は敗れたのです。徳川慶喜は、「天皇陛下は神の子孫であり、現人神(あらひとがみ)である」と考える水戸学を...『明治維新を成功させた思想と発明(中編)
2021/07/31 07:00