「親善」と「戦争」のあいだ
繰り返すが、日本には力がある。日本人は、訪れる国難のレベルに応じて自らを決せられる力、ポテンシャルを持っている。だが、誰であれ指導者たらんとするならば、その力を活かす外交術を歴史に学ぶ必要がある。大東亜戦争時の指導者に最も欠けていたのがそのセンス、柔軟な感覚だった。たとえば、1941(昭和16)年12月10日、日本海軍航空隊は、イギリスが誇る戦艦プリンス・オブ・ウェールズとレパルスをマレーシア沖であっという間に撃沈した。時の首相チャーチルは、「日本人は不思議である。交渉ということを知らないらしい。交渉の最初はどこの国でも少しは掛け値をいうものだが、日本人は反論せずに微笑をもってそれをのんでくれる。そこでもう少し要求をエスカレートさせてみると、また微笑をもってのんでくれる。しかし、それを続けると、あるとき突然顔を...「親善」と「戦争」のあいだ
2021/02/28 08:00