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ノリの悪い日記 http://port-k.com

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

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ノリ
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2015/10/24

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  • 文章題にどのように躓くのか

    昭和三十年代前半の算数指導についての本を読んでいたら「文章題」に子どもがどのようにつまずくのかが具体的な経験をもとに書かれていて、なおかつ例示も豊富で読み物としてもとても面白いものだった。他にも面白い部分はあるのだが、このところだけあげておく。 1) 長い文章の中から、数量処理に必要な要件をつかむことが困難であるときつまずく。 2) 短い文章の問題でも用語を吟味しなければつまずく。例: 「3 人のお友だちと 60 cm のひもを分けたいと思います。1 人いくらずつになるでしょう。」という問題で、「3 人のお友だち」というのは「私と 3 人のお友だち」の計 4 人と理解する必要がある。 3) 文…

  • 魔法の杖

    字を読めるようになった頃、家に置いてあった本の一部は教えられた通りに読もうと思っても正しく読めないのが不思議だった。その最も初期の体験がこの『魔法の杖』という本を開いたときであろう。ときどき、改めて読んでみたいと思っていたが、昭和二十一年に太田黑克彥という人がジョン•バカンの唯一の児童向け小説 “The Magic Walking Stick” (1932) を翻案したものだと最近知った。復刻版も出ているらしく、藤子不二雄の二人が少年時代に夢中になって読んだとある。自分は国会図書館のデジタルコレクションで 1946 年発行のものを随分久しぶりに読んだ。挿絵もよく覚えていた。以下、はしがきのとこ…

  • 午後の朝鮮薊

    ジョン・フォードの映画の「太い木の幹の誘惑」のように蓮實さんの文章の中に植物が出てくることはもちろん少なくはないが、植物名が文章に具体的に出てくることは少ないなあと思っていた。例外は古井由吉の『白髪の唄』を評した「榎」ぐらいしか思いあたらない。『「ボヴァリー夫人」拾遺』では《le polypier》を植物の「珊瑚樹」と訳すのは誤りで、「珊瑚などの腔腸動物の石灰化した樹木状の化石の置物」だと言っておられる。ところが今回の『午後の朝鮮薊』——不思議な題名だ——では料理の素材としてではあるが、キク科のチョウセンアザミ (アーティチョーク) が出てくるし、珊瑚樹も出てくるし、お祖父様が「出来損ないの植…

  • ク語法 (7)

    ま金(かね)吹く丹生(にふ)のま朱(そほ)の色に出(で)て言はなくのみぞ我(あ)が戀ふらくは (3560)金を精錬する丹生の赤い辰砂のように、はっきり表に出して言わないだけだ、わたしの恋は。※ ま金ふく丹生のま朱: 丹生は地名。ま朱は辰砂 (もともとは「丹」といった) 、つまり赤色の硫化水銀 () のこと。辰砂を空気中において約 600 ℃ の温度で加熱することで水銀を作る ()。砂金が混じる土砂に水銀を接触させて金をアマルガム (水銀との合金) として回収する。その回収されたアマルガムを加熱して水銀を揮発させると金が得られる。 かなし妹をいづち行かめと山菅(やますげ)のそがひに寢(ね)しく今…

  • ク語法 (6)

    今は我(あ)は死なむよ我(わ)が背(せ)戀すれば一夜一日(ひとよひとひ)も安けくもなし (2936)もうこの身も儚くなるほどです、我が背。お慕いするあまり、一日一夜とて心安らかなことはありません。 我(わ)が命し長く欲しけく僞(いつは)りをよくする人を捕ふばかりを (2943)自分の命が長かれと望んでおります。おいでになるとおっしゃっていらっしゃらない、そんな嘘のお上手なあなたをおつかまえして、とっちめて差し上げることがわたくしの生き甲斐です。 劍太刀名の惜しけくも我(あ)れはなしこのころの間(ま)の戀の繁きに (2984)(剣太刀) 名が惜しいとも私は思わない。この頃の恋心があまりに激しいの…

  • ク語法 (5)

    愛(うるは)しと思へりけらしな忘れと結びし紐の解くらく思へば (2558)あの方はわたくしのことをいとしく思っておいでになるらしい。「忘れないでください」と結んで下さったこの紐が自然に解けることを思うと。※ 下紐が解けるのは相手が思ってくれているしるし。 昨日見て今日こそ隔て我妹子(わぎもこ)がここだく繼ぎて見まく欲しきも (2559)昨日逢って今日一日を隔てているだけなのに、こんなに続けてあの子に逢いたいのはなぜだろう。 白たへの袖觸れにしよ我(わ)が背子に我(あ)が戀ふらくは止(や)む時もなし (2612)互いに (白たへの) 袖を触れあってから、あなたにわたしが恋い焦れることは止むときも…

  • ク語法 (4)

    相思はずあるらむ子ゆゑ玉の緖の長き春日を思ひ暮らさく (1936)少しも思ってくれそうにない女のために、(玉の緒の) 長い春の日を思い暮らすことである。 かくばかり雨の降らくにほととぎす卯(う)の花山になほか鳴くらむ (1963)こんなに雨が降っているのに、ほととぎすは卯の花山でいまも鳴いているのだろうか。 見わたせば向ひの野邊(のへ)のなでしこの散らまく惜しも雨な降りそね (1970)見渡すとむこうの野辺に撫子が咲いている。あの花が散ってしまうのが惜しい。雨よ雨、降らないでおくれ。 このころの戀の繁けく夏草の刈り払へども生ひしくごとし (1984)このごろの恋の絶え間ないことは、夏草がいくら…

  • ク語法 (3)

    潮滿てば入りぬる磯の草なれや見らくすくなく戀ふらくの多き (1394)潮が満ちてくると海の中に没してしまうあの磯の海藻のようなものであろうか、自分の思う人は目に見ることは少くて恋い焦がれてばかりいる。 我が背子をいづち行かめとさき竹のそがひに寝しく今し悔しも (1412)わたしの夫(つま)に限ってどこへも行くはずがないと (さき竹の) 背中を向けて寝たことが今となっては悔やまれて仕方ない。 薦枕(こもまくら)相枕(ま)きし子もあらばこそ夜の更(ふ)くらくも我(わ)が惜しみせめ (1414)薦枕を一緒にして寝たいとしいあの妹が今もいるならば、夜が更けゆくことを惜しみもしようが。 春山の咲きのをを…

  • ク語法 (2)

    むらきもの心碎(くだ)けてかくばかり我(あ)が戀ふらくを知らずかあるらむ (720)(むらきもの) 心が砕けてしまいそうだ。こんなにもわたしがお慕いしていることをあの人は知らずにいらっしゃるのだろうか。 今しはし名の惜しけくも我(われ)はなし妹によりては千(ち)たび立つとも (732)今はもう名を惜しむ気持ちなどわたしにはありません、あなたゆえなら千たび浮名が立つとも。 夜のほどろ我(わ)が出(い)でて來れば我妹子(わぎもこ)が思へりしくし面影に見ゆ (754)夜明けまだ薄暗い時分に (お別れして) わたしが出てくると、あなたの思い沈まれたご様子がまざまざと目に浮かんでまいります。 夜のほどろ…

  • ク語法 (1)

    「ク語法」が気に入っていて萬葉集の中でその語法が使われている短歌だけを適当にあげてみる気になった。み吉野の山のあらしの寒けくにはたや今夜(こよひ)も我(あ)がひとり寢む (74)み吉野の山颪が寒いのにひょっとして今夜もわたしはひとりで寝るのだろうか。 宇治間(うぢま)山朝風さむし旅にして衣かすべき妹もあらなくに (75)宇治間山の朝風が寒い。旅先で衣を貸してくれそうな女(ひと)もいないのに。 わが大君ものな思ほし皇神(すめかみ)の繼(つ)ぎて賜へる我がなけなくに (77)わが大君よ御心配あそばすな。皇祖神から後継ぎを賜わっているわたくしがないことではございませぬから。 わが里に大雪降れり大原の…

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