島会津の「曲り家」/福島市民家園-6】
曲り家というと東北地方でも「南部」地域、岩手県での古民家で特徴的とされる様式ですが、同様に多雪地域である会津地域にもこうした様式が根付いていた。農耕馬の保守管理について別棟ではなく「曲り家」として本屋に対して付加的な別屋をつなげてしまうことで、とくに冬期間の積雪寒冷条件での作業を合理化させるという建築間取り。馬という生身の体温を持つ動物をいっしょの空間で飼い暮らすことで、独特の一体感、心情が人びとに生成された。南部では異種間のイキモノ同士の交流の細やかさが強調されて、人間と馬との同衾までの習慣があったとされる。たしかに寒冷な条件下で「身を寄せ合って」寒さをしのぐという蓋然性はある。奥州産馬は日本史の中で、武士の台頭時期から重要な横軸を形成もしてきた。馬産は東北地方では対日本社会への重要な「交易品」であり続...島会津の「曲り家」/福島市民家園-6】
2024/09/30 06:05