「経済成長」の起源―豊かな国、停滞する国、貧しい国 マーク・コヤマ、ジャレド・ルービン
著者の一人は日系らしき名前だけれども、期待に反してこの本は欧米的な視点で書かれている。第1部では経済成長の条件として、地理、制度、文化、人口、植民地についてそれぞれ一つの章を設定して論じている。「研究者たちは、大半のイスラム社会の特徴である政治と宗教の混在と、イスラム法への固執が中東の経済成長の可能性を大きく制限してきたと示唆する。中東にうかがえる経済の停滞と政情不安は、イスラム教が権力エリートたちによって道具化されてしなった副産物なのだ。これは必ずしもイスラム教に限ったことではなく、キリスト教などほかの宗教も同じように手段として利用されてきた。」第2部では、北西ヨーロッパ、産業革命、工業化の3つの章で欧米露の経済成長を論じた後、第10章後発国で日本、東アジア四虎、中国の経済成長と、インドやアフリカが貧し...「経済成長」の起源―豊かな国、停滞する国、貧しい国マーク・コヤマ、ジャレド・ルービン
2023/12/27 15:36