版画の粋を極める/黒木良典版画集「関係考・RELATION`S」[第三期:空想の森アートコレクティブ展/静かな森へ<VOL:22>]
およそ20年前の出版である。だが、古びてはいない。たとえば、九州北部に分布する装飾古墳の意匠とか、「国画会」の先人・宇治山哲平画伯の薫陶などを連想させるが、それらの影響をまともに受けたり、模倣したりしているという印象はなく、画面に漂う音楽性や、複雑で繊細な色彩などに普遍性と時代を先取りしたような繊細で上品な美的センスと深い味わいが刻画されていることを共感と「観ることの愉悦」を交えて享受するのである。良典さんとは、一度だけ、第一期の由布院空想の森美術館でお会いしたことがある。来館して下さり、かなり長く話し込み、個展の約束をしたように思うが、その後、同館は閉館し、私は現在地(宮崎県西都市)に移転したので、実現しなかった。そして、良典さんは同県延岡市在住の方なので、会おうと思えばいつでも会える距離の所に二人はい...版画の粋を極める/黒木良典版画集「関係考・RELATION`S」[第三期:空想の森アートコレクティブ展/静かな森へ<VOL:22>]
2025/05/28 08:47