竹という空洞空間【竹と遊ぶ・竹と暮らす<2>】
竹という植物は、その内部が空洞になっており、一定の間隔で節がある。その節と節の間の空洞は、入り口も出口もない。が、真空だとは思われない。なんとなれば、その中で「かぐや姫」が育ち、竹取の翁によってこの世に迎えられるのであるから。その不思議空間はおとぎ話の世界の出来事であるが、全くの虚構とはいえない。竹が空洞であるということは、現代においては子供でも知っている常識の範囲内のことであるが、その空洞を有するがゆえに、そしてその驚くべき成長の速さ、120年周期で開花と枯死を繰り返しながら再びよみがえる生命力、地中にがっしりと張り巡らされる根の力などにより、古代の人々は、竹には精霊が宿り、竹とは呪力をもつ植物だと認識した。かぐや姫は、竹の精霊としてこの世に出現したのである。神楽の「岩戸開き」では、天鈿女命(アメノウズ...竹という空洞空間【竹と遊ぶ・竹と暮らす<2>】
2025/03/31 15:30