『東北歴史紀行』より‐いざたどらまし〈会津嶺あいづねの国〉(1)
「奥深い会津‐福島県は、北海道・岩手県についで、日本では第三番目の広さをもつ県です。そのうちのほとんど40パーセントに近い面積を、会津とよばれる地域が占めます。ですから会津県と呼んだほうがぴったりするような独自性を、この地域はもっています。風土的に、まず自然の成り立ちがそうなのです。四方を山がとりかこんでいます。南は、北関東、上野こうずけ(群馬)・下野しもつけ(栃木)の山々、西は越後(新潟)の山なみ、東は福島中通りとの間の奥羽脊梁せきりょう山脈、そして北は出羽との境の奥深い山々です。わたしたちの歴史地理は、東北をいつも、南から北へとすすむのです。したがって、みちのくの思想は、北に秘境を考えます。会津はみちのくに西の秘境を深く蔵するところとして、特別なみちのくなのです。われわれの旅は、東京を出ます。新幹線で...『東北歴史紀行』より‐いざたどらまし〈会津嶺あいづねの国〉(1)
2024/04/30 20:23