宗教としての資本主義

宗教としての資本主義

「宗教としての資本主義」は、ヴアルター・ベンヤミン(1892-1940)が1921年に書いた短いテキストです。ベンヤミンは資本主義には宗教的な構造として三つの特徴があるといいます。一つ目の特徴は「資本主義はひとつの純粋な礼拝宗教、おそらくはこれまでに存在した最も極端な礼拝宗教なのである。資本主義においては、一切のものが直接的に礼拝と関わることによってのみ意味をもつのであって、資本主義はいかなる特別な教義も、いかなる神学も関知しないのだ。」二つ目は、資本主義は毎日が礼拝であると。そして三つ目の特徴としてこの礼拝は人々に罪を負わせる。(罪を救済するのが宗教なのに、罪を負わせる儀礼宗教が、純粋な宗教としての資本主義の特徴だ。)マーク・シェルというハーバード大学の研究者は、「芸術と貨幣」という著書のなかで、貨幣と...宗教としての資本主義