なるほど!と思う日々(628)言葉・コミュニケーション③ なぜ人は小説を書くのか?
なぜ人は小説を書くのか。人は死ぬからです。世の中すべての生物の中で、みずからがいずれは死ぬことを知っているのは、人間だけだからです。「心なき身にもあはれは知られけり鴫立澤の秋のゆうぐれ」(西行)・・・「あはれ」とは、人はいずれ死ぬことを知っている、その悲しみということです。・・・・・・老いていくこと、これが最大の「寂しさ」です。・・・*「とし暮れてわがよふけゆく風の音に心のうちのすさまじきかな」(紫式部)・・・ただ生きているだけで淋しいということを最初に「物語」にしたのは<源氏物語>の紫式部です。*同じことを明治以後、最初に小説に書いた人は夏目漱石です。・・・<三四郎><それから><門><行人><こころ><明暗>すべて、近代人の寂しさを描いたものです。*小林秀雄が言っています。「陰口をきくのはたのしいものだ。人...なるほど!と思う日々(628)言葉・コミュニケーション③なぜ人は小説を書くのか?
2019/09/16 06:51