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  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,36

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,36 「ありがとよ、ナオミちゃん、ほんといありがと、よく分かっていてくれた。・・・・・・僕は今こそ正直なことを言うけれど、お前がこんなに、・・・・・・こんなにまで僕の理想にかなった女になってくれ

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,35

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,35 日記の事で話しが横道へ外(そ)れましたが、とにかくそれに依って見ると、私と彼女とが切っても切れない関係になったのは、大森へ来てから第二年目の四月の二十六日なのです。 もっとも二人

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,37

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,37  と、ただそう言っただけでした。で、おおっぴらの結婚はニ三年先の事にしても、籍だけは早くこちらへ入れて置きたいと思ったので、千束町(せんぞくまち)の方にもすぐ掛け合いましたが、こ

  • 【記事更新一時延期のお知らせ】

    (^_-)-☆アスカミチル押忍!!アスカっす〜〜〜💓 2021,1/28〜1/31(4日間)、ブログアプロードをお休みします。 ◆理由・・・白色申告のため。現在、居住区内の一軒家(旧宅)を不動産屋通じて貸

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,34

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,34  「夜の八時に行水を使わせる。海水浴で日に焼けたのがまだ直らない。丁度海水着を着ていた所だけが白くて、後は真っ黒で、私もそうだがナオミは生地が白いから、余計カッキリと眼について、

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,33

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,33  ■■五■■ 察しのいい読者のうちには、既に前回の話の間に、私とナオミが友達以上の関係を結んだように想像する人があるでしょう。が、事実そうではなかったのです。それはたし

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,32

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,32  「あーあ、お腹が減っちゃった」と、ぐったり椅子に体を投げ出す。 どうかすると、晩飯を炊くのが面倒なので、帰り道に洋食屋へ寄って、まるで二人が競争の様にたらふく物をたべ

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,31

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,31  で、ナオミのように撫で肩で、頸が長いものは、着物を脱ぐと痩せているのが普通ですが、彼女はそれと反対で、思いのほかに厚みのある、たっぷりとした立派な肩と、以下にも呼吸の強そうな胸

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,30

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,30  当時のナオミは、並んで立つと背の高さが私よりは一寸くらい低かったでしょう。断って置きますが、私は頑健岩(いわお)の如き恰幅ではありましたけれども、身の丈は五尺二寸ばかりで、まず

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,29

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,29  いや、そればかりではありません。実を言うとその三日間は更にもう一つ大切な発見を、私に与えてくれたのでした。 私は今までナオミと一緒に住んでいながら、彼女がどんな体つき

  • 「三国志演義朗読第53回ラスト

     (^_-)-☆アスカミチルご来場、謝謝(シエイシェイ)💓(*´ε`*)チュッチュどぞーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ📯📯プップカプ〜〜〜

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,28

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,28  O dolce Napoli,O soul beato, と、イタリア語で歌う彼女のソプラノが、夕凪の海に響き渡るのを聞き惚れながら、私は静かに魯(ろ)を漕いで行く。

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,27

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,27 並み居る婦人たちの中にはあっさりとした浴衣がけの人もいましたけれど、指に宝石を光らしているとか、持ち物に贅(ぜい)を凝らしているとか、何かしら彼等の富貴を物語るものが示されているのに、ナオ

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,26

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,26  その「洋服」という餌に釣られて、彼女はやっと納得が行ったのでした。鎌倉では長谷の金波楼という、あまり立派でない海水旅館に泊まりました。 それについて今から思うとおかし

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,25

    「痴人の愛」本文  角川文庫刊 vol,25 と、彼女はその獅子ッ鼻の先を、ちょいとしゃくって意を得たように笑いました。悪く言えば小生意気なこの鼻先の笑い方が彼女の癖ではありましたけれど、それがかえって私の眼にはたいへん

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,24

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,24  「おッ母さんが縫ってくれたの」「内の評判はどうだったい、見立てが上手だと言わなかったかい」 「ええ、言ったわ、悪くはないけれど、あんまり柄がハイカラ過ぎるって、」「お

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,23

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,23  私はそう言ってほっと溜息をつきながら、窓の外にちらちらしている都会の夜の華やかな灯影(ほかげ)を、言いようのない懐かしい気持ちで眺めたものです。 「だけどあたし、夏は

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,22

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,22 「ナオミちゃん、帰って来たよ。角の自動車が待たしてあるから、これからすぐに大森へ行こう」「そう、じゃ今すぐ行くわ」 と言って、彼女は私を格子の外に待たして置いて、やがて小さな風呂

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,21

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,21 「おい、どうしたの、どこを打ったんだか見せてごらん」と、私がそう言って抱き起すと、彼女はそれでもしくしくと鼻を鳴らしつつ、袂をまくって見せましたが、落ちる拍子に釘か何かに触ったのでしょう。

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,20

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,20 わたしは前に「小鳥を飼う様な心持」と言いましたっけが、彼女はこちらへ引き取られてから顔色などもだんだん健康そうになり、性質も次第に変わって来て、ほんとうに快活な晴れやかな小鳥になったのでし

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,19

     「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,19 そして私たちは、ご飯が食べたければ小さな土鍋で米を炊(かし)ぎ、別にお櫃に移すまでもなくテーブルの前に持ってきて、缶詰か何かを突っつきながら食事をします。 それもうる

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,18

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,18 が、ナオミのために田舎から送ってよこしたのは、女中を寝かす夜具でしたから、お約束の唐草模様のごわごわした木綿の煎餅布団でした。 私はなんだか可哀そうな気がしたので、「これではちょ

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,17

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊vol,17 勿論私の郷里の方へも、今度下宿を引き払って一軒家を持ったこと、女中代わりに十五になる少女を雇い入れた事、などを知らせてやりましたけれど、彼女と「友達の様に」暮らすとは言ってやりませんでした

  • 「痴人の愛」本文 vol,16

    「痴人の愛」本文 vol,16 ナオミは最初この家の「風景」を見ると、「まあ、ハイカラだこと!あたしこういう家がいいわ」 と、大そう気に入った様子でした。そして私も、彼女がそんなに喜んだのですぐ借りることに賛成したのです

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,15

      「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,15  浅草の千束町(せんぞくまち)のような、安アゴミゴミした路地の中に育ったので、帰ってナオミは反動的に広々とした田園を慕い、花を愛する習慣になったのであり

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,14

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,14 もしもあの時分、うららかな五月の日曜日の朝などに、大森あたりの青葉の多い郊外の路を、肩を並べて歩いている会社員らしい一人の男と、桃割れに結ったみすぼらしい小娘の様子を、誰かが注意していた

  • アスカミチル「管理人放送局」

     アスカミチル「管理人放送局」  3チャンネルをまとめて、スッキリさせました。💓  https://youtu.be/xjuSfXub7bg  

  • 三国志演義朗読第53回vol,2/3

    「三国志演義朗読第53回vol,2/3」  ご来場ごっつあんです!!💓★オモシロかったら、チャンネル登録お願いね。(*´ε`*)チュッチュ https://youtu

  • 「人魚の嘆き」本文vol,21

     「人魚の嘆き」本文vol,21 「成る程あなたがそう仰るのはご尤もです。しかし西洋の国々では、人魚はそんなに珍しいものではありません。私の国は欧羅巴の北の方の、阿蘭陀という所ですが、私の生まれた町の側を流れているライン

  • 「人魚の嘆き」本文vol,20

    「人魚の嘆き」本文vol,20白いという形容詞では、とても説明しがたいほど真っ白な、肌の光沢でした。それは余りに白すぎるために、白いと云うより「照り輝く」と云った方が適当なくらいで、全体の皮膚の表面が、瞳のように光っているのです。何か彼(か

  • 「人魚の嘆き」本文vol,10

    「人魚の嘆き」本文全29章vol,10やがて、その年の夏が暮れ、秋が老けて、十月朝(じえちょう)の祭りも終わり、孔夫子(こんふうつう)の聖誕も過ぎてしまいましたが、彼の頭に巣くっている倦怠と憂うつとは、依然として晴れる機会がありません。「う

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,13

    「痴人の愛」本文  角川文庫刊 vol,13 私が彼等に持ちかけた相談と云うのは、折角当人も学問が好きだというし、あんなところに長く奉公させておくのも惜しい児のように思うから、そちらでお差支えが無いのなら、どうか私に身柄

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,12

    「痴人の愛」本文  角川文庫刊 vol,12 何の躊躇するところもなく、言下に答えたキッパリとした彼女の返事に、私は多少の驚きを感じないではいられませんでした。「じゃ、奉公を止(や)めるというのかい?」 「ええ

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,11

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,11 「どうだね、ナオミちゃん、ほんとうにお前、学問をしたい気が在るかね。あるなら僕が習わせてあげてもいいけれど」それでも彼女が黙っていますから、私は今度は慰めるような口調で言いました。&nb

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,10

    (^_-)-☆アスカミチル更新連絡でっせー。★1/7(木)から以下の更新スタイル。  ●毎週日曜【三国志演義】朗読 1動画(約15分朗読) 午後9時までにアプロード。   ◆月火水木金土

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,9

     (^_-)-☆アスカミチル更新連絡でっせー。★1/7(木)から以下の更新スタイル。 ●毎週日曜【三国志演義】朗読 1動画(約15分朗読) 午後9時までにアプロード。 ◆月火水木金土【痴人の愛】本文掲載1日

  • 三国志演義朗読第53回vol,1/3

    (^_-)-☆アスカミチルご来場ごっつあんです!! 存分に楽しんで、日常生活に徹底して応用してチョーダイ(*´ε`*)チュッチュ💓 オモロかったら、チャンネル登録たのんだよん(

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,8

    (^O^)/アスカYOUTUBEチャンネル動画・ブログ本文更新休みの連絡です。・明日1/11月 「三国志演義」朗読第53回vol,1と、・明後日1/12火「痴人の愛」本文vol,9 ↓家内実家秋田市へ用事で行くため、更新休

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,7

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,7  この「伯父さん」は好きな活動に連れて行って、時々ご馳走をしてくれるから、一緒に遊びに行くのだというだけの、ごく単純な、無邪気な心持でいるのだろうと、私は想像していました。&nb

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,6

    (^_-)-☆アスカミチル更新連絡でっせー。★1/7(木)から以下の更新スタイル。 ●毎週日曜【三国志演義】朗読 1動画(約15分朗読) 午後9時までにアプロード。 ◆月火水木金土【痴人の愛】本文掲載1日1記事(約8

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,5

     「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,5 そのくらいなら、何故相当な所から嫁を迎えて、正式な家庭を作ろうとしなかったのか?これに就いては少し委しく話さなければなりませんが、一体私は常識的な人間で、突飛なことは嫌いな方だ

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,4

    (^_-)-☆アスカミチル更新連絡でっせー。★1/7(木)から以下の更新スタイル。 ●毎週日曜【三国志演義】朗読 1動画(約15分朗読) 午後9時までにアプロード。 ◆月火水木金土【痴人の愛】本文掲載1日1記事(約8

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,3

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,3 恐らくナオミ自身にしたって、あの頃はただ何事も霧中で過ごしたというだけでしょう。が、ハタから見た感じを言えば、どっちかと言うと、陰鬱な、無口な児のように思えました。顔色なども少し青みを帯び

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,2

     「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,2 そんな子供をもうその時は二十八にもなっていた私が何で眼をつけたかというと、それは自分でもハッキリと分かりませんが、多分最初は、その児の名前が気に入ったからなのでしょう。&nbs

  • 「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,1

    「痴人の愛」本文 角川文庫刊 vol,1 一、 私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私たち夫婦の間柄に就いて、出来るだけ正直に、ざっくばらんに、有りのまゝの事実を書いてみようと思います。それは私自身にとっ

  • 三国志演義朗読第52回ラストvol,4

      ご来場、「ごっつあんです💓(*´ε`*)チュッチュ」どぞーーーーーーーーーーーー🍜🍞☕🍵🍣

  • 三国志演義朗読第52回vol,3(ラストvol,4)

     (^_-)-☆アスカミチル 来てくれて「ごっつあんです💓」(*´ε`*)チュッチュ どうぞーーーーーーーーーーーー👧📳㈎

  • 三国志演義朗読第52回vol,2(ラストvol,4)

     押忍。令和2年度は、毎日たくさんのご来場をいただき、「ごっつあんでしたあ!!」 そ・し・て🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸&

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