此の物6
私たち衆生は何時の間にか人間(此の物)を自分だと認識してきました。長い間、何か分からない、誰とも分からない「人間(此の物)」を自分だと思ってきたところに大きな問題があります。そこで道元禅師はこのように語っておられます。「仏道を習うというは自己を習うなり、自己を習うというは自己を忘るるなり、自己を忘るるというは万法(まんぼう)に証せらるるなり、万法に証せらるるというは自己の身心、他己身心を脱落せしむるなり」と。どいういう事かというと、「人間(此の物)」を認めて自己とみなしてしているもの、それは何か」「一体自己というが是は何者か?」という問いを参究して行く事が仏道の修行であるという事なのです。此の物6
2023/10/31 08:59