松本宗利音/東京シティ・フィル
最近名前をよく見かける若手の指揮者、松本宗利音(まつもと・しゅうりひと)が東京シティ・フィルの定期演奏会を振った。松本宗利音は以前東京シティ・フィルの指揮研究員だった。その意味ではお里帰りのようなものだ。 1曲目はドヴォルザークの交響詩「英雄の歌」。実演は稀な曲だが、松本宗利音の希望の選曲らしい。さすがに彫りの深い演奏だった。この曲にかける意気込みが伝わった。単一楽章の交響詩だが、実質的には4楽章構成の交響曲だ。リストの影響を受けているのかもしれないが、弦楽器の音色にはスラブ舞曲のような音色が残っている。東京シティ・フィルの演奏は松本宗利音の意気込みに応えるものだった。 2曲目はアルトサックス…
2025/07/04 11:14