ブレンデルの想い出
ピアニストのアルフレッド・ブレンデル(1931‐2025)が6月17日にロンドンの自宅で亡くなった。享年94歳。2008年12月にコンサート活動から引退し、それ以来、詩の朗読会(ブレンデルは詩人でもあった)をやっていたが、そのうち消息を聞かなくなった。静かな余生をすごしたのだろうか。 ブレンデルには忘れられない想い出がある。まず2002年8月27日にエジンバラ音楽祭でベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」を聴いたことだ。プログラムはそれ一曲。演奏会は夜の10時30分から始まった。かなり遅い時間だが、それはエサ=ペッカ・サロネン指揮ロサンジェルス・フィルの演奏会が終わった後に同じ会場を使ったからだ…
2025/07/01 08:18