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始まりとその先197
ルークの死から2週間が経とうしている。 つくしはあれから元気が無い。 その事は、美作家や西門家そしてNYの道明寺家でも知れ渡った。 「滋さん桜子です。先輩の処のルークが老衰で亡くなったってご存知ですか?」 「ええっ、ルークが死んじゃったの?...
2019/07/31 00:00
始まりとその先196
つくしはいつまでも、ルークの亡骸から離れなかった。 いや、離れられなかった。 段々ルークの温もりが消えて行くのをつくしは 現実だと捉えられないでいる。 今朝まで、ここで元気に・・いや元気ではなかったが直ぐに逝ってしまう程 身体が悪かった等思...
2019/07/30 00:00
始まりとその先195
つくし達が出掛けて暫くして、雅恵はルークの様子がおかしい事に気付いた。 「旦那様、ルークの様子がおかしいのですが。」 「おかしい?何処がおかしんだ?」 「それが、息が辛そうです。」 「雅恵さん、動物病院に電話して直ぐに診察に来てくれないか聞...
2019/07/29 00:00
始まりとその先194
午後から東条先生のお宅に行く事を薫に伝える。 薫は快く出掛ける事を許した。 「お世話になったのだから、それはちゃんとお礼もしなければね?」 「はい、おじ様。」 「ママ、るーくはいっしょじゃないの?」 「ルークはお留守番ね。ここから上り坂だし...
2019/07/28 00:00
始まりとその先193
翌朝、つくしは朝早く目が覚めて散歩に出た。 りんや類はまだ夢の中である。 いつもなら、ルークが一緒に行くのだが、ルークも起き上がらずに眠っている。 坂を下り潮風に吹かれながら、ゆっくりと海を眺める。 水平線の向こうから朝日が昇って行くのを眺...
2019/07/27 00:00
始まりとその先192
御宿に近づくにつれ、海の潮の匂いが風と共に運ばれて来る。 眠っていた筈の、ルークがクンクンと鼻を鳴らす。 「ルーク、御宿の海よ・・久しぶりでしょう?」 「つくし、海でちょっと遊んで行く?」 「そうだね・・うん・・宜しく。」 懐かしそうにルー...
2019/07/26 00:00
始まりとその先191
久我の別荘に行く日 類が用意した車はランドクルーザーだった。 「類、これどうしたの?」 「海だし・・こういう車の方が動きやすいでしょう?」 「でも、なんか類には似合わない。」 「だから黒じゃなく白にした。いかついけどこれならどうにかなるんじ...
2019/07/25 00:00
始まりとその先190
その日 心配になったつくしは、ルークを連れて動物病院に連れて行く。 「どうしました?」 「最近、散歩を嫌がる様に・・それに食欲も無くて・・。」 そこの院長先生が、ルークを診終わるとつくしに告げた。 「もうシニアだし・・老化現象でしょうね・・...
2019/07/24 00:00
始まりとその先189
あれから数日後 優紀からつくしに電話が掛かって来た。 いつより明るい声の優紀に、つくしは総二郎と仲直りしたんだと 直ぐに気付いた。 総二郎があの夜から熱を出して数日仕事を休んだ事を聞き その翌日に祐一郎も熱を出して、そして優紀まで熱を出して...
2019/07/23 00:00
始まりとその先188
総二郎が話を終えようとしている、優紀は何故か急に寂しさを覚えた。 目の前の珈琲に総二郎が口を付けないのを見て 優紀は新しい珈琲を淹れようと立ち上がる。 すると総二郎が優紀に声を掛けた。 「珈琲ならもういい・・何だか体調が悪くて・・」 「お熱...
2019/07/22 00:00
始まりとその先187
優紀が珈琲を淹れて総二郎と自分の前に置く。 その横に常備薬の風邪薬と水の入ったグラスが置かれた。 「あゝありがとう。」 「先にお薬飲んでください・・お熱計りますか?」 「いや・・いいよ。」 総二郎は自分で額に手を当ててそれを断った。 微妙だ...
2019/07/21 00:00
始まりとその先186
重苦しい空気の中、優紀が耐え兼ねて部屋の窓を開ける。 涼やかな風が部屋の中をすーぅと通っていく。 優紀は大きく深呼吸した。 「・・優紀、俺はお前を裏切ってはいない・・だが隠してた事が 裏切りとなるなら・・俺は優紀を裏切ったんだ・・ 悪かった...
2019/07/20 00:00
始まりとその先185
優紀は黙ったまま、総二郎が話すのを待っている。 だが総二郎は何を話せばいいのか分からないまま 離婚届をただ見つめていた。 「お家元?」 「なあ、お前が俺を家元って呼び始めたのはいつからだった?」 「・・・西門ではそういう仕来りだと教わりまし...
2019/07/19 00:00
始まりとその先184
総二郎が西門に仕事を終え戻ると、優紀は自分の部屋で片づけをしていた。 「優紀は?」 「家元お帰りなさいませ。若奥様はお部屋の方のいらっしゃいます。」 「そうか分かった。」 総二郎が部屋に入るが優紀はそこには居ない、祐一郎の部屋を覗いてみるが...
2019/07/18 00:00
始まりとその先182
総二郎がやっと口を開き、自分が三人の女性と浮気したと言う 事情に付いて、つくしに話をした。 大人しくつくしは、総二郎が話している事を聞いていた。 「じゃあ・・浮気って・・。」 「あゝ実際に何も無かった・・・だが、優紀には真実は言えない。 あ...
2019/07/17 00:00
始まりとその先181
つくしが西門を出た同じ頃、優紀は西門の車で戻って来た。 西門の運転手が、花沢の車が出て行くのを停止して先に行くのを待った。 運転手同士が会釈する。 後部座席に乗っていた、優紀はその時は気付かなかったが 車窓に見慣れた、黒塗りの車が映り込...
2019/07/16 00:00
始まりとその先180
つくしは、二人の話を聞くと決めたのだが どちらと先に話せばいいのか考えた こういう事は順番を間違えてはいけない。 優紀の性格は子供の頃から良く知っている、 自分と同じで優紀も 一途な思い込みが激しい一面を持ち合わせている。 ここは総二郎に先...
2019/07/15 00:00
始まりとその先179
翌日、会社と幼稚舎に行く類とりんの二人を見送り つくしは、優紀に電話を掛ける。 プライベートの番号に掛けたが通じない。 10時過ぎた頃今度は西門に電話を掛けた。 生憎、優紀は西門流の仕事で留守にしていた。 だが前家元夫人である総二郎の母が ...
2019/07/14 00:00
始まりとその先178
皆が帰って、りんとつくしと類は夕食を食べて仲良く3人でお風呂に入る。 髪を乾かし合いながら、パジャマに着替えて ベッドに入る。 「りん、今夜はママ達と一緒に寝ない?」 「・・・でも・・。」 「どうかした、嫌なの?」 「ううん、そうじゃないけ...
2019/07/13 00:00
始まりとその先177
食事が終わると、後片付けを使用人に任せて皆でお茶の時間になった。 「ねぇ、さっき皆で何を話してたの?」 「あゝ・・それは・・。」 「ママ、あのね・・たくまとあおとのおうちに、赤ちゃんが来るんだよ。」 「まあ、本当?おめでとう、滋さん、道明寺...
2019/07/12 00:00
始まりとその先176
大人たちは一瞬息を呑む。 戸惑いそして顔を見合わせる。 類がりんに優しく聞いた。 「りん、何故そんな事を知りたいの?」 「だって・・あのね・・」 そこへ逞と碧斗が息を切らして走って来る、その後に遅れて祐一郎もやって来た。 「ハァハァ・・、り...
2019/07/11 00:00
始まりとその先175
不思議だった、りんを抱きしめた瞬間今まで忘れていた全てが 全てのピースがピッタリとつくしの頭の中で嵌った。 記憶が全て戻ったのだ。 「りん・・大きくなったね?」 「ママ・・」 「もう、どこにも行かない・・ずっとずっと・・りんと一緒に居るわ。...
2019/07/10 00:00
始まりとその先174
類と寝室に戻ったつくし。 だけど、なかなか寝付けない。 明日の朝、本当に今までの事を覚えて居られるのだろうか? また、類やりんを忘れてしまっているのではないだろうか? 「つくし?眠れないの?」 「・・・ここ、私達の寝室じゃないよね?」 「あ...
2019/07/09 00:00
始まりとその先173
つくしの瞳から涙が溢れ出す。 類はつくしを抱きしめた。 「もしかして・・つくしはあの事故の時、俺達のりんが死んだって思って居たんだね?」 「ええ・・ええそうよ・・それで私は現実から逃げ出す為に記憶を失くした。 大事な大事な・・りんの事を・・...
2019/07/08 00:00
始まりとその先172
つくしが目を覚ました。 熱で魘されていたので心配していたが 目を覚ましたつくしが俺を見て類と言った。 記憶が戻ったと言ったつくしだが、りんの事を話すと何か様子が変だ。 「つくし?」 「・・ひっく・・・ううっ・・。」 「どうして泣いているの?...
2019/07/07 00:00
始まりとその先171
花沢邸 部屋の中にシューシューと加湿器の音が響く。 規則正しい寝息を立てて眠るつくしの 息が急に変わる。 「つくし?どうしたの、苦しいの?」 「はっあ・・はあ・・はあ・・・」 「つくし?・・・はな枝、はな枝・・直ぐに医師を呼んで・・ つくし...
2019/07/06 00:00
始まりとその先170
男の子が居なくなり つくしはまた、独りぼっちになった。 霧が深く深くなっていく・・ 心細さと悲しみが襲って来る。 まるでこの世の終わりのような気分だ。 どうしたらいいのか分からない。 途方にくれて、立ち尽くす。 霧がいつしか雨に変わった。 ...
2019/07/05 00:00
始まりとその先169
つくしの瞳からボロボロと零れる涙。 悲しくて悲しくて・・ 心が張り裂けそうだ・・。 あの時・・ りんを庇ってりんを守れたと信じた。 自分の身を盾にして・・りんを守れるなら自分がどうなろうと良かった。 車がりんに向かって突進してくる、 りんを...
2019/07/04 00:00
始まりとその先168
ここには自分だけしか居ないと想ってた。 霧が晴れたのか、自分の周りが段々明るくなった。 つくしの目の前には、いつの間にか小さな男の子が立っていた。 「ねぇあなたは、誰?」 「・・・。」 「ねぇ、あなたも一人なの?ここが何処だか知っている?」...
2019/07/03 00:00
始まりとその先167
しとしとと雨が降っている。 花沢の邸の全てを重苦しい空気が流れている。 青白い顔をしたつくしは、ベッドに眠ったまま。 白く細くなったつくしの内肘に点滴の痕が痛々しい。 そこだけ液漏れしたのか、痛々しく青紫色に変わっていた。 主治医が来てくれ...
2019/07/02 00:00
始まりとその先166
滋がドバイに旅立ち3日後の事だった。 夜、類のスマホに電話が掛かって来た。 「類、俺。」 「司・・無事だったんだ。」 「類、無事に決まってんだろうが・・今回は滋が大変世話になったな?」 「類、道明寺なの?ちょっと電話代わってよ。」 「あゝう...
2019/07/01 00:00
2019年7月 (1件〜100件)
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