大河・かこがわ(242) 近世の高砂(36) 新、工楽松右衛門物語(7)
迷信松右衛門が、すぐれた船頭であることを示すエピソードを『風を編む海をつなぐ』(高砂教育委員会)から一部をお借りします。・・・松右衛門、24才のときのことでした。松右衛門は讃岐(現在の香川県)へ通う船の船頭となっていました。その当時、おおみそかの夜に船を出すと災難にあうという言い伝えがあり、おおみそかの夜に航海する者はいません。言い伝えを信じていなかった松右衛門は、おびえる水主(かこ)たちを説得してその夜出港しました。夜の海を航海していると、水主たちが騒ぎだしました。「山のような波が押し寄せてきた」というのです。それを聞いて船首で海の様子を見た松右衛門は、「山があれば谷がある。谷に向かって進め」と命じました。水主たちは谷を見つけ、力を合わせて船を進めました。すると目の前から山は消えました。松右衛門には最初からこ...大河・かこがわ(242)近世の高砂(36)新、工楽松右衛門物語(7)
2020/04/30 06:59