緑の威力が増し、ツバメが宙に翻る
本当ならば、のんびりしていては困る経済状況。なのに、いまだ週一回勤務のままにいる。その通勤は、片道1時間ほどかかり、ほぼ田舎道、田園風景の中、車を走らせる。晴れた日などは、エンジンもよくまわり、少し開けた窓から花の甘い香りを含んだ初夏の空気が流れ込む。水鏡だった田んぼに緑の苗が植えられ、苗の隙間には空が映り込んでいて、今だけの特別感が切ないくらい凄い。木々の緑も、やわらかでバリエーションに富んでいたものが、鮮やかさを増して原色味を帯び、既に色の幅が狭くなって夏を先取りだ。ツバメたちは、晴れた日は高いところを舞うように、雨が近くなると低空を切り裂くように飛び回っている。通勤路沿いにおける季節の移ろいを、週一回という間隔が感じさせてくれるようだ。緑の威力が増し、ツバメが宙に翻る
2024/05/21 16:58