小説 死神 第八章 餓鬼
第八章餓鬼練馬当たりの住宅地だろうか?窓の外には梅畑が見える。固定資産税を安くするために農地にしておきたいのだが、もはや農業をするには手間も暇もなくなった勤め人農家が、形の上での農地を維持するために梅畑を作った時期があった。しかしそれももはや手入れが行き届かず剪定をしていないから徒長枝伸び放題のジャングルのような梅畑になっている。部屋の入り口に車いすが置かれ、玄関の上がり框も部屋のふすまもバリアフリーようにスロープに改造され、手すりがつけられた車いす使用のアパートの一室。百キロを超える太った男が布団に横になっている。部屋に来た瞬間、異様な腐敗臭が気になった。まさか既に?ではなさそうだが障碍者の一人暮らし?誰かが来て面倒を見ているのだろうか?今まで感じたことがない気配に違和感を感じた。「それではこれより作業開始で...小説死神第八章餓鬼
2020/10/30 00:00