大石邦子の「元日の地震」を読んで
友だちから頂いたおせちを夕食にと思っていた矢先、家が揺れ掛け軸がひらめき、3.11の恐怖が過った。12年前より短い緊急速報メールが鳴り響き、能登半島を襲った元日の地震だった。荒れから2週間、死者は230人を超え、3万人超の避難者、インフラが人手不足、祖父母に合わせたくて里帰りで、子ども達が犠牲に。母から子への手紙コンテスト審査員で、3.11の折の一文があった。震災直後の電話で帰宅してもいいかという医師資格取りたての大学院生の福島の母への電話で、帰宅の息子を見て愕然とする母に、僕は医師には向かない。僕は強くない。死者のあふれる医療現場に、大学院生が駆り立てられ、検死の仕事で、死を判定しなければいけない。母はしばらく仕事を休むように説得したが、翌朝彼は黙って被災地へ帰って行った。その日の最初は、ランドセルを背...大石邦子の「元日の地震」を読んで
2024/03/22 04:59