意地 密命・具足武者の怪
―巻之十九―佐伯泰英/祥伝社文庫2008年6月20日初版。享保十年(1725年)、相変わらず尾張の影がチラつく惣三郎の周辺だが、今回は具足武者という仮想大会の様な連中が現われる。戦の無い江戸時代でも、この戦国武者のような連中の行動はちょっと異なものだったに違いない。それはともかく、武士の本分である武術が長く実践から遠ざかることで、弓を射ることも馬を乗りこなすことも儘ならなくなっていることに、見て見ぬふりをしなければならない将軍の心境はいかばかりだったことだろう。自らの体制が天下を治めているとすれば、それは自らが導き出した結果であることに愕然としたのではないだろうか。176p「上野国吉井藩~先代藩主鷹司信清」ということで、ここでは「吉井藩」だったが、181p「上野国吉川藩~鷹司家」では「吉川藩」になってしまった。...意地密命・具足武者の怪
2021/04/30 12:24