シューカツ!
石田衣良/文春文庫2011年3月10日初版。著者には2013年2月8日「眠れぬ真珠」でお目に掛かった。随分久しぶりである。今回は「眠れぬ真珠」と違って、大学三年のフレッシュマンの話しである。いくら若い頃を思い出してとは言っても、とにかく若々しい文体(感覚)にちょっと驚く。学生が「ずっと学生で居られたら・・・」と思いながらも、シューカツに臨む姿が痛々しい。勿論、「散々遊んできたくせに」ザマー見ろ!というのもあるが。大学三年になって、人生の一大転換、切り替えを強いられる。しかもワンチャンスだ。自堕落な生活を送っている者にとっては、非情このうえないものだろう。社会における生活というのは、学生生活でもなければバイト生活でもない。責任重大で果てしない。ともすれば希望や思いを圧し潰す。そんなことに気が付いて恐れをなすのもよ...シューカツ!
2019/07/31 13:00