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  • 疑似短編集冬の霧 四の①(碧い海)

    冬の霧・四の①(碧い海)国道は真っ直ぐに延び左岸は日本海が陽の光を受け燦々と輝いていた。道すがら所々に掘っ建て小屋があり、軒下には鯣(するめ)になり切れない烏賊が干してある。小さな町を過ぎてから人家は疎らになり群落を構成するような形はなく、北海道にして、確かに陸の孤島とも言うべき地域である。俺は喉の渇きを覚えていた。しかしジュース類の自動販売機など一時間近く車を走らせていたが見当たらない。仕方がなく車を脇に避け木陰で一休みした。随分と辺鄙なところに来たと思った。大学に行っていた頃から津々浦々歩いたが、これほど人家の無いところも珍しかった。木陰で休みながら、これから行われる告別式の閑散たる情景を考えた。会葬者の少ない葬式は寂しさを思わせる。しかしそんなことは主観的なことであり、どんな人間であっても、その人間が死ん...疑似短編集冬の霧四の①(碧い海)

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