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幕末血戦録 http://thshinsengumi.seesaa.net/

若者達が異なる信念の元に命を賭した時代、幕末。新撰組と御陵衛士を中心に、人々の生き様を書き記します。

服部武雄
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2013/12/07

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  • 鬼の章(89)

    やはり先日の戦いで、無謀ではあっても決着をつけるべきだったか。だが、それでは藤堂の手当てが手遅れになった可能性がある。 服部は一人、答えの出ない自問自答を繰り返していた。 どれくらいの時間が経っていただろうか。音もなく襖が開き、毛内が顔を覗かせた。 「服部さん、少し宜しいでしょうか?」 服部は一度、藤堂の顔に視線を戻した。先日の戦闘後、藤堂は油小路の小さな寺の境内で応急手当てを受けた。その際の止…

  • 鬼の章(88)

    油小路での京都天狗党との戦いから3日目の朝を迎えていた。 戦いの翌日から、この時期には珍しい大雨となっていた。この日は厚い雲が市中を覆っていたものの、雨は落ち着きを見せていた。 この日の早朝、新撰組からの使いが伊東を訪ねていた。 京都天狗党の騒動も落ち着いた。禁裏や会津の理解も得ている。ここで一度、尊攘派、倒幕派、左幕派などの各勢力の現状を整理把握すると共に、今後の情勢について議論したい、という…

  • 鬼の章(87)

    「先程は鬼でも逃げ出すような殺気を放ち、あの芹沢さんをも退けたかと思えば。あの狼狽えようは、まるで泣き出しそうな子どもではないですか」 「違いない」 土方は苦笑した。土方自身、付き合いの長い藤堂を案じる気持ちは決して小さくはない。本来であれば誰よりも先に駆けつけたい所だ。しかし、沖田と服部に先を越された事で、そして服部の様子を目にした事で思い止まったのだ。ある意味、我に帰ったと言っても良い。新撰…

  • 鬼の章(86)

    狼狽える平間や野口の視線を受けながら、そう言って笑う芹沢の表情には、既に余裕が戻っていた。 「京都天狗党、芹沢鴨である。儂の前に立つならば、命と引き換えになると心得よ」 高らかな名乗りの後、芹沢は大刀を振り上げて新撰組隊士の包囲に飛び込んで行った。 沖田と斎藤が動きかけるが、土方がそれを制する。 「今はいい。今の奴は窮鼠どころじゃない。無理に追って被害が拡大してもつまらねえ。それに逃げ切ったとこ…

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