かつての仲間(後編)
前回からの続きです 学生時代、書店のアルバイトをしていた時の山田くんという人の話です 私が学生の頃は、就職浪人というのはよくありました どうしても行きたい会社があれば留年する人は珍しくなかったです そして、また一年が経ち、山田くんは大手の出版社を受けていきます その中でとうとう、ある出版社の最終選考まで残ることになりました もう名前は出してしまいますが、その会社は超大手の文藝春秋です 彼は『Number』というスポーツ雑誌をこよなく愛していて、それもあって文藝春秋は第一志望でした 出版社というのは本当に狭き門で、たしか数千人受けて、数人しか内定をもらえないというレベルです それがなんと、最後の…
2023/01/31 20:16