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  • キカ(1993) ☆☆☆☆

    「トーク・トゥ・ハー」「オール・アバウト・マイ・マザー」のペドロ・アルモドバル監督の映画。「フィフス・エレメント」や「コックと泥棒、その愛人と妻」のジャン・ポール・ゴルチエが担当した衣装が楽しい作品。出演はヴェロニカ・フォルケ、ビクトリア・アブリル、ピーター・コヨーテ。サスペンス展開もへんてこな登場人物も、すべてはキカという女の三歩歩けばすべて忘れちゃうあっけらかんとした性格を表現するための映画のように見る。タイトルにもなっているわけだしね。特別かわいい演出がされているわけでもなく、バカでドジなことがコミカルにされることもない。きっと監督はずるがしこい女が嫌いに違いない。構成はいたって雑である。たとえば登場人物の職業、メイド、作家、メイク、写真家、元精神分析医のリポーター。他者を見る飾る分析する仕事で自分のこと...キカ(1993)☆☆☆☆

  • アクラノフォビア(1990) ☆☆☆

    スピルバーグの作品の制作を務めるフランク・マーシャルの監督作品。出演はジェフ・ダニエルズ、ジョン・グッドマン、ジュリアン・サンズ。アクラノフォビアとはクモ恐怖症という意味で、そのアクラノフォビアの主人公が大量発生した毒グモと戦う。スピルバーグがこの映画にもアドバイスしたのだろう、パニックホラーとしては上出来だった。自分の問題なのだけど、クモが苦手じゃないからちょっと拍子抜けだったのが残念。クモだから上からも下からも横からジャンプでも、三次元の攻撃を駆使してくるというのは本当に恐怖なのだろうけど、いかんせんちっちゃい。サメには勝てないわ。「スネーク・フライト」は飛行機内という逃げられない状況が恐怖だけど、クモを敵にするならもうちょっと範囲を狭くすればよかったんだ。一番笑えたのは、セックスシーンをぼかし表現にした後...アクラノフォビア(1990)☆☆☆

  • 母なる証明(2009) ☆☆☆☆☆

    韓国映画。「殺人の追憶」、「グエムル-漢江の怪物」のポン・ジュノ監督。キム・ヘジャとウォンビンの演技だけでも見ごたえがある。キム・ヘジャのキレのないダンスでこの映画は始まって、ラストもダンスで幕を閉じる。強烈な印象を与えるこのダンス、そうそうダンスってもともと社交の道具でもかっこつけたり技術を競ったりでもなくて喜怒哀楽の感情の昂ぶりを表現するところから発生したんだろうなあなんてことを思わされつつ、狐につままれたような気持ちになる。ダンスで思いだす映画にパトリス・ルコントの「髪結いの亭主」がある、こちらも印象に残るおっさん踊り。どちらの映画も傑作。扱う題材も微妙で、身体障害者の息子が殺人を犯したと疑いをかけられ、それを助けようと奔走する母親。狂気混じりに駆けずり回る母の姿、退廃しきっている警察、なんとも不穏な街の...母なる証明(2009)☆☆☆☆☆

  • ファイト・クラブ(1999) ☆☆☆☆☆

    デヴィッド・フィンチャー監督作。「セブン」、「ソーシャル・ネットワーク」と並んで好きな作品。映像に遊びが多いという印象の監督。出演はブラット・ピット、エドワード・ノートン、ヘレナ・ボナム・カーター、ミート・ローフ、ジャレッド・レト。お金はあるけど生きる気力のないエドワード・ノートン演じるこの映画の一人称。魅力的な男タイラー・ダーデン(ブラット・ピット)と出会い、ファイト・クラブという男同士で素手の殴り合いに興じる地下組織を作る。社会生活で失われつつある男性の闘争心に対しての警鐘とも受け取れる作品。しかし、崩壊させるべく社会の悪い面の描かれ方が弱いので、タイラー・ダーデンたちがテロ集団というよりも人を殴るのが好きなやつらに見えてしまって釈然としない。下手に思想を持たせてしまったという印象。「ファイト・クラブ」にお...ファイト・クラブ(1999)☆☆☆☆☆

  • マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ(1985) ☆☆☆☆☆

    「ギルバート・グレイプ」、「サイダーハウス・ルール」、のラッセ・ハルストレム監督の作品。のどかなスウェーデンの田舎を背景にした日常生活とそこに生きている人々を見つめる「やかまし村」シリーズとこの映画が、ラッセ・ハルストレムの作品の中でも一番いい。ほかの作品はドラマに仕立てすぎている嫌いがある。父母と別れて暮らしている少年イングマルと、彼を取り巻く独特なリズムをもった村の人々との関わりが面白い。そして多感な時期にあるイングマルと友だちの女の子サガの、微妙な心情の揺れもよく描けている。こどもの視点で映画を撮ると変にこまっちゃくれたこどもになっていたり、大人の真似した仕草で演出してあったり、思考ばっかり大人びて違和感がにじみだしたりなにかと気持ち悪い。その点この映画は冒頭の独白を除いて、誰しもがすんなりと受け入れられ...マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ(1985)☆☆☆☆☆

  • ひまわり(1970) ☆☆☆☆

    ヴィットリオ・デ・シーカ監督の代表作。マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレン主演。この三人は「ああ結婚」と「昨日・今日・明日」と「ひまわり」で組んでいて、どの作品においても強い女、甲斐性なしの男を演じていて面白い。恋愛と結婚と戦争と、この三つの要素を思い浮かべて物語を作れば出来上がるような話だが、しっかりとした構成でまとめあげられている。この映画が好きなのは、単に恋愛を描くだけではなくて、根本的な生きていくことの無情さとたたかう人物が映しだされているというところ。恋に落ちたからすぐに結婚して、戦争に行きたくないから狂ったふりをする。生き別れになってからはそれぞれ家庭を持っている。こういったことが多少なりとも感傷的ではあるけれど、すんなりと話が進む。理屈っぽく恋に落ちるわけでもないし、戦争なんて行きたくな...ひまわり(1970)☆☆☆☆

  • インビクタス/負けざる者たち(2009) ☆☆☆☆☆

    クリント・イーストウッド監督作品。脚本は南ア出身のアンソニー・ペッカム。南アのアパルトヘイト政策と、南ア代表のラグビーチームの軌跡の二つの軸となる物語が並行して映される。二時間を超える上映時間だが、この二つのストーリーを切り離しても一本の映画が出来上がる内容。政治的にも、スポーツにおいても、史実に基づいたきれいな終着点があるよくできた映画であった。主演はラグビーチームの主将をマット・デイモンが、ネルソン・マンデラをモーガン・フリーマンが演じる。モーガン・フリーマンは腹の底が見えない政治家を演じるとしっくりくる。良くも悪くも、いくつもの切っていないカードを持っているような不気味なじいさんである。この物語の肝は、ラグビーというスポーツが南アでどの様な位置を占めていたかというところ。大きなコートや高価な装具を必要とす...インビクタス/負けざる者たち(2009)☆☆☆☆☆

  • ステイン・アライブ(1983) ☆

    「サタデー・ナイト・フィーバー」の続編。主演は前作と同じくジョン・トラボルタ。監督はシルベスター・スタローンが務め、ディスコ・ダンス映画が前衛筋肉踊り映画となる。ギラギラとしたジョン・トラボルタの役も引き継がれていて、慢心と挫折なども描かれる者の、肝心の見せ場であるダンスがなんだかわからないものに仕上がっていて狐につままれた気持ちになる。なにやってんだろうおれ。余談だがこの気持ちシンクロナイズドスイミングを見ているときに似ている。鼻を洗濯ばさみでつまんだ同じ表情が水から浮き上がったり沈んだりという光景に目が点になるのであった。ビージーズの曲ももはや合っていない、トラボルタの肉体を見たいという物好きか、狐につままれたい方におすすめな映画。ステイン・アライブ(1983)☆

  • パーフェクト・ワールド(1993) ☆☆☆☆

    クリント・イーストウッド監督・出演、共演はケヴィン・コスナーとローラ・ダーン。脚本は「しあわせの隠れ場所」のジョン・リー・ハンコック。刑務所から脱走したケヴィン・コスナー演じるブッチが、押し入った家の8歳の少年フィリップを人質にして逃走する。その間、共に過ごすうちに二人の間には信頼が生まれていくのであった。一方、クリント・イーストウッド演じる警察署長のレッドがローラ・ダーン演じる犯罪心理学者のサリーは二人を追跡する。疑似親子ものであり、男同士の友情物語である。フィリップは母子家庭に育ち、ブッチも父親に捨てられて育ったため、二人とも父親というものを知らない。もしも父親がいたらこんななのだろうかと、お互い知らない父親像を手探りで思い描いているように関係してゆく。また宗教上の理由から、一般のアメリカの子どもがやってい...パーフェクト・ワールド(1993)☆☆☆☆

  • 雨の訪問者(1970) ☆☆☆

    監督は「禁じられた遊び」「太陽がいっぱい」「狼は天使の匂い」のルネ・クレマン。これら芸術性の高い難解な作品と比べると、「雨の訪問者」はヒッチコックのサスペンスのような映画。脚本のセバスチアン・ジャプリゾは「殺意の夏」や「ロング・エンゲージメント」の原作者である。そういえば「殺意の夏」もレイプされた相手に復讐をするであった。この脚本の後に発表した作品だから少しく影響を与えたのかもしれない。チャールズ・ブロンソン、マルレーヌ・ジョベール、ジル・アイアランド出演。マルレーヌ・ジョベール演じる女が自宅で暴漢に襲われる。女は隙を見て暴漢を殺害し、死体を海に捨てる。次の日、殺された男を探してチャールズ・ブロンソン演じる正体不明の男が現れる。男の目的は何なのか、というのがこのお話。見どころはいやらしく不敵に女を追い詰めてゆく...雨の訪問者(1970)☆☆☆

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