変身。 (3)
からだを何かとても重いものに押さえつけられてるようだ。やたらと息苦しい。口を開け、長い舌を出してないと、空気のとおりがうまいぐあいに保てない。あやうく意識を失いそうになる寸前、やっとのことで、おれのからだが軽くなった。あわててするりと、ふかふかしてあったかいふとんに心を残したまま、抜け出す。顔を上げ、あたりを観た。夜どおし、となりにいたらしい図体の大きい生き物が、ついと起き上がったらしい。(あれは何だろ?)飼い猫のクロじゃない。第一、にゃんこちゃんの姿をしていない。ヒトらしいけど、いま一つおぼえがないのが、なんとなく悔しい気がする。髪の毛はぼっちゃん狩り。肌着らしく首のところから足もとまで、ずうっと白づくめだ。こしの辺りがもぞもぞしている。どうやらおっしこに行くらしい。そろりそろりと歩き、となりの広々とし...変身。(3)
2024/11/25 11:00