無我をめぐる誤解
◇無我をめぐる誤解◇これまで無我をめぐる誤解について何度か記事を書いてきましたが、今回はそれらをひとつにまとめてみようと思います。一つ目は、無我とは私がないことであるという誤解です。原始仏教等で悟りの三要素として、無常、無我、苦が挙げられることがありますが、この無我とは、私(自我)がないという意味ではないのです。この無我とは、一切に実体がないという意味なのです。自我との関係で言えば、無我には私という実体がないことも含んでいます。なお、私という実体がないことと、私がないは、意味が異なります。二つ目は、私がないの誤解です。悟りに関連した体験に伴って、私がなくなったような感覚(錯覚)が生じることがあります。このような錯覚は、悟りの行程をある程度の幅で一気に進んだときに起こりやすいです。悟りの行程を一気に進むと、...無我をめぐる誤解
2022/09/26 20:30