解 説

解 説

『新編 生駒の神話』についての解説 【1】この昔の物語の名前 (*)昔の話の呼び方には、説話・民話・昔話・伝説・伝承・神話・俗話・寓意などがあり、それらを基にしながら創作した話は、新訳・新編・翻案・訳編などといいますが、取り敢えず、『新編 生駒の神話』といたします(今後、変更することがあるかも知れません)。  【2】この物語を記すにあたって依拠・参考にしたもの⇒参考文献等ご参照【3】主人公・舞台(1)主人公 長髄彦 饒速日(2)舞台 奈良(大和)湖・河内(古大阪)湾 豊秋津洲とよあきつしま 長髄彦と饒速日の本拠地・・・生駒神話ゆかりの古蹟が集中している生駒四河川の源流・分水嶺地帯(生駒の地図・写真ご参照)とそ周辺 神武東征の目的地・・・当初は長髄彦と饒速日の本拠地であったが、のち、移行した(神武東征ご参照)。  【4】物語の構成 (1)【3】を主人公・舞台とし、できるだけ【2】の依拠・参考にしたものに記されたものから、物語を構成する上で最適な記述を選び、それらを組み合わせて筋の通った物語を構成するように努めました(このような、既述の文献に記されたものを組み合わせて神話を構成していく方法は記紀と同様のやり方です)。 (2)その際、生駒の神話は郷土生駒の人物・神を魅力的に描かねばならないことは当然であり(それが郷土の昔の話というもの)、そのような人物・神について、魅力を減じさせるような通説・記述※は、できるだけ荒唐無稽にならないように、あるいは、異説があればそれに沿って、魅力が減じないように解釈・記述し直しました。神話というものは本来、口から耳へ、耳から口へと語り伝えられた、口頭による伝承として存在し、記録のさいに、筆録の目的、あるいは筆録者の条件によって、整理されることが多く、削除・省略があったり、逆に付加があったりもし、そこには潤色や作為が作用するものとされています(上田正昭「日本人“魂”の起源」.pdfご参照)。 ※例えば、長髄彦は性質がよくなく、義理の弟(妹の婿)である神または甥(妹の息子)に裏切られて殺されてしまうのが通説(書紀や旧事紀の記述)で、そのように通説は長髄彦やその義理の弟(妹の婿)である神や甥(妹の息子)を悪く描いています。  (3)普遍性(多くの人が理解できる内容)を得るため、まったくの創作(【2】に記したものにまったく依拠しないもの)はできるだけ避けるように努め