2019年10月
結局、舞の懇願もあり離婚は留まった。凛は何も知らないとはいえ不穏な空気は感じ取っているようだ。それから現在に至る。舞は以前のように世奈ちゃんとよく遊ぶようにな…
『ねぇ…』「ん?」憔悴しきった夫に改めて尋ねた。『好きなの?彼女のこと』「…もう好きじゃないよ」『夫がいたから?』「それもある」『じゃぁ他に理由はなに?さっき…
松原琴美たちが去ったあとの部屋は私と夫のすすり泣く声で充満していた。夫が寄り添うたびに私は彼から離れようと身を捻って手の中から逃げ出す。彼はそれを捕まえようと…
テレビのワイドショーでは有名な芸能人が不倫をした話でもちきりだった。他人のことなど放っておけばいいものをコメンテーターの肩書を持った芸人やタレントになりかけた…
「あなたさえいなければ」そう叫んだ彼女の言葉が耳から離れない。私という人間が存在しなければ16年前の事件は起きなかった。果たしてそうだろうか。あれは北沢静香が…
「あれでよかったのですか?」帰りの車の中で大塚が困惑した表情のまま私に尋ねた。『いいのよ。あれで』「そうですか」『解決策なんて他にないもの。私と彼が別れる以外…
『それではこちらからの請求分を引いた額をお支払いいたします』私は大崎弁護士に向かって言った。そして今度は飛騨に視線を向けると彼に尋ねた。『ところで飛騨さん』「…
確かに彼は私にプロポーズをした。君を迎えに行くとそう言った。しかし、今目の前にいる彼はそのことを忘れているらしい。笹塚紗代の訝し気な視線が私の体に突き刺さる。…
2019年10月
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