■■ はじめに・・・ ■■ *当ブログは2人組で運営しております。*内容は男性同士の恋愛等をメインに取り扱った一次創作です。 BLなどのご理解を頂けていない方、嫌悪感を抱かれる方は回れ右でお願い致します。 ま
オリジナルBL小説です。主に高校生の恋愛(R-18)。管理人は2人で文と絵、基本ハピエン。毎日更新
CP傾向はドS×ネガティブ天然・後輩×先輩・弟×兄中心に展開です。 どんな形であれ受け溺愛。 S/鬼畜/わんこ/ツンデレ/ネガティブ/天然/不憫/小悪魔/クール/男前/など
「おい、スミー。またあのピーターパンが俺を狙ってるらしい。クソ。もう今年も終わりだというのにせわしねえ。だがヤツがどこにいるか昨日からまだ見つからねえんだ」 忌々しげに言う海賊の船長ジェームズ・フック・バーソロミューに、スミーと呼ばれた彼の
剣の柄に結ぶ紐は思っていた以上にうまくできた。我ながら器用だし才能あるのでは、とファインは自分の作ったアクセサリーを見ながらにやつく。 紐はすでに昨日出来上がっていたのだが、魔力は今改めて込めていた。一応紐を編む際にも込めながら編んではい
聖モナの日はセルゲイの城でも朝からミルク粥が出た。昔アイトールやトーレンス王国で食べたミルク粥をアルスは懐かしく思い出す。旅に出てからは食べる機会がなかったため、余計だろうか。 当時は安価で手に入る、セルヴォワーズにも使われる大麦を煮てい
クリスマス企画☆水晶の涙☆(12/24〜12/28)---------------------------------------------------セルゲイの城に滞在している間に『聖モナの日』が近づいていることをファインたちは知った。
セルゲイの城に滞在している間、ファインたちは何度か町へ出かけた。この地域へ着いた当初は気づかなかったが、そろそろ「聖モナの日」が近づいていたようだ。町の至るところで飾りつけがちらほら始まっていた。 聖モナの日は、神モーティナを祝って過ごす
「そういえばもうすぐクリスマスだよね」 三年生の十二月は期末試験が終わるとほとんど授業もない。一応自由登校という形なので学校で過ごしてもいいが、登校しなくても問題ない。自分で受験勉強する者もいれば、登校して自習する者もいる。ただ自由なので出
そんな悠犀が何故、とますます混乱しそうだ。それに対し秋李は自分を甘く評価しても見た目はまあまあと言えなくもないかな、くらいだろうか。勉強はそれなりにしてきているし、できるほうだと思うが到底悠犀には適わない。そもそもきちんと将来のことも考え
悠犀を部屋で待っていると、下の階で話し声がぼんやり聞こえてきた。最初はトイレの場所でも聞いているのかなと何となく思いつつ気にしていると、ぼそぼそ聞こえてくる微音はなくならない。どうにも気になって、秋李は一階へ下りていった。するとリビングで
気づけば十一月も半ばに入ったある日、秋李が突然「家へ遊びに来ないか?」と誘ってきた。とはいえ、ずいぶん親しくなったし友人同士ならお互いの家へ遊びに行くことも普通にあるだろう。それに「あと十日後に家へ遊びに来ないかって誘うから」と事前宣言す
学校から航太のマンションまでの帰り道にある公園に、悠犀は通りかかるたび足を止めてしまう。日中はそうでもないのだが、下校時はどうしてもイメージが被ってしまう。 別に似てないんだけど、な。 公園は全然似ていないが、あの事件の時もこの香りと、そ
高校三年の夏休みもあっという間に終わってしまった。 そういえば星羽くん、結構俺とかに付き合ってくれてたけど、受験勉強大丈夫なのかな。 秋李が心配することではないし、むしろ自分の進学心配だけしろと断言できるくらい、悠犀は頭がいい。それに基本
夏休みに悠犀は何度か秋李と遊んだ。こうしてまた一緒に遊べると思ってもみなかった。 何して遊ぼうかとメッセージで聞かれた時は「そうだ、ディラに会わせてみようか」と浮かんだが、と同時に「直接会わせてもし秋李に悪影響あったら」と過る。少し考えよ
悠犀に「夏休み、遊びに行こう」と誘われ、秋李は正直嬉しいと思った。三年生になって転校してきた悠犀と、最初は知り合ってからもあまり仲よくなる気配はなかった。だが今では結構仲よくなったと思っているだけに嬉しいのだろうと思う。理由は相変わらずよ
もうすぐ転校してきて初めての、そして高校最後の夏休みになる。悠犀はぼんやり、どうしようかと考えていた。 秋李と同じ学校に通うだけでいいなどと言っていたくせに、結局避けることなど到底無理で気づけば仲よくなっていた。昔のような「兄弟みたいなレ
たまに挨拶する顔見知りといった関係である悠犀のことが、秋李は何となく気になっていた。 コンビニエンスストアで知り合ったものの、同級生のわりにその後、顔を合わせることはあまりなかった。一応たまに顔を合わせると挨拶は交わす。毎回何となくその際
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人間の浅見鈴として寿也と宅飲みをしたその夜、すずはまた泊まることになった。とはいえ泊まる泊まらないといった明白なやり取りしたわけではなく、明日は休みだしと気軽に飲んでいて、気づいたらお互い眠っていたという状態だ。 ただ、すずは酔っていない
◆金の鈴◆ 異形となった黒猫は、かつての主人の魂を求めて彷徨い歩く── 今井 寿也(いまい としや)は、大学へ行く途中、カラスに襲われていた黒猫を助ける。 黒猫は鈴のついたボロボロの首輪をしていた。
アルバイト先で寿也が鈴と仕事しながら話していると、奏流が客として入ってきた。「よ。がんばってる?」 ニコニコ楽しそうな様子で、チョコレート味の棒アイスをレジへ持ってくる。「温めますか」「はい。……って、いやいや
まさかそんなに嬉しそうな顔をされるとはと軽く驚きつつ、寿也は自分も顔を綻ばせた。「そっか、よかった。浅見くんさえよければまた誘うよ。あとうちの子も見て欲しいし」「そう、ですね」 買って来たつまみだけでは足りないかもと、簡単なものを作って鈴
今朝は目を覚ました時からすずを見ていない。せっかくの休日の朝にゆっくりすずと遊べなかったのを、寿也は残念に思いながら掃除したり洗濯したりしていた。 猫は気まぐれらしいから、ベランダからするりと出てどこかへ散歩しに行っているのかもしれない。
「すず。ごはん」 寿也が穏やかな笑みを浮かべながら、すず専用のエサ入れへドライフードを入れてきた。すずとしてはカリカリは喉が渇きやすいため正直缶詰のほうが好みだが、寿也が与えてくれるものなら結局何でもいいとも思う。 ゴロゴロ喉を鳴らしながら
リン、と音がした。 その日、今井 寿也(いまい としや)は一匹の猫を拾った。「で、その猫ちゃん、息はあったのか」 大学の食堂で昼ご飯を話ながら食べている時、一緒にいた友人の松山 奏流(まつやま かなる)が心配そうに聞き返してきた。寿也は頷
「オレは……人間が羨ましかった」 ずっと羨ましいと思っていた。この人の周りにいる人間たちが。同じ目線、同じ姿、同じ生き方のできる人間たちが。 あまり動かせない頭をぐらりと向けると「俺はむしろ君たちのほうが、羨ましい、かも……とても自由だろ…
そろそろ昼下がりになるだろうか。切なくなるほど紺碧の、真っ青な空だった。何もかもが浄化されそうな明朗な青。吸い込まれそうなほどの青。 泣きたくなるような青の中、先ほどから胸が高鳴って止まない。鼓動の音が耳に届きそうな気がする。悠久の時を経
◆水晶の涙◆ ── とある王国 神の子が禁忌を犯し、居なくなってから長い年月が過ぎ去った……。 辺境の村で少年2人は、いつも通り平穏に暮らしていたはずだった。 *赤&ra
翌日、アルスが動けないためファインはとても献身的に何でもしてくれた。それもあるし、そもそも確かに誘ったのが自分のため、アルスは文句の一つも言えず献身的なファインに甘えさせてもらうしかなかった。 ようやく出発すると、二人はとりあえずフィール
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
フォルアが初めてモナと出会った時のことを思えば、そして気が遠くなるような永久の時を経てもあれほどモナを求めていたフォルアを思えば、何ら不思議ではないと思えた。 アルスはといえば、そう聞いてから隣にいたフォルアをぎゅっと抱きしめている。さす
世話になった家には、たくさんの獲物や木の実などを置いてきた。ファインたちの生まれ育ったアイトールでもそうだったが、現金はさほど役に立たないというか、王国などへ出向くなら必要かもしれないが、普段の生活ではあまり必要なかった。それよりも食料や
子どもたちや家で話してくれた女性の話を聞くと、ファインでも間違いなく老婆がモナだろうと思えた。 森に魔物や獣が出なくなったのも、モナの影響だろう。転生したモナにまだ神の子としての力があるのかどうか定かではなかったが、きっとモナの力だと思え
少女の母親が言うには、気づけば魔物どころか危険そうな獣も見当たらなくなった森に、食べ物は必要なため木の実などを取りに恐る恐る入ったら、その老婆を見つけたらしい。 素朴な村だ。今すぐ餓死するといった風ではないが、決して裕福な暮らしもしていな
翌日、四人はプラデェ王国を出た。その足で今度は反対側にあるクーニグという村を目指す。途中、ちらほら小さな集落があったので、そこでもモナについての情報を集めようとした。ただ残念ながら王国で得た情報以上の話は入ってこなかった。 クーニグに入っ
ファインとそういった行為ができた翌日、アルスはさすがに自分の体の限界を知った。「普段から鍛えてるのに残念」「いや、さすがに……」「俺としては余すところなく鍛えてたつもりだったんだけど、まだまだだったんだなってち
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
じゃあ、とアルスは今さらながらに気づいた。 ファインが言ってた「欲望押しつける」って、そういう? いや、欲望って言ってんだしそういうことだろうと漠然とどこかで多分思っていたかもだけど、えっと……子作り的なこと、
フォルアが一通り演奏し終えるのを待って、食堂で今後のことを話しながら食事した。 あいにくフォルアの歌を聞いて何か情報提供してくる者は残念ながらいなかったが、歌や演奏はかなりお気に召した者が多かったようだ。カースの用意した袋には客から得たチ
ファインの口から明確に「一生薄れない」と聞いたとたん、アルスの中で表現しがたいほどふわふわとした弾けるような何かが広がった。「何だろ。何かふわふわする」「ふわふわ?」「うん。何だろな。気持ちが上がる、っぽい感じっていうか」「&hellip
動揺が全然隠せていなかったのだろう。少しだけ黙ってアルスを見ていたファインが苦笑してきた。「いいって。言ったろ。お前はお前のままでいいと」「聞いたっ、けど、すごく優しいこと、言ってくれてる、けど! でもそれじゃあ」「いい。いいんだ。アルス
カースに言われて少しポカンとしていたアルスだが、ファインが「問題ねえ。大丈夫だから食堂先行ってて。すぐ行く」と口にしたことでハッとなった。 珍しい……か。確かにそういえば俺とファインって多少言い合うことはあって
どういう意味だと聞かれ、アルスは正直戸惑った。押さえつけられなくとも話すし逃げないと言った。それにもちろん逃げるつもりはないが、話そうにも言葉がうまく浮かばない。「意味、って……た、単に嫌じゃなかった、って、だ
食堂に集まることになっているから、いくら何でもこんな状況で気づけばアルスを押し倒しているなんてことはない。 それがまさかのフラグだなんて誰が思おうか。少なくともファインは思わない、というか思いたくない。 だが今、間違いなくファインはアルス
思えばカースが加わってからよりもずっと前のフォルアが加わって以来、ファインとアルスは昔のように二人きりでくっついて眠ったりしてこなかったように思う。 いや、セルゲイの城では二人で同じ部屋だったが、なるべく狭い部屋を希望したもののそれでも二
アルスが一応いつものように元気になると、カースが「君がいてくれてよかった」とアルスに笑いかけていた。「フォルアやファインはまた別だけど、俺みたいに基本魔法で戦うタイプには相当戦いにくい相手だったよ」「そうなんだ」「アルスも気づいてたようだ
打破したいが、普段の戦闘でもギルドの仕事でも、大抵カースやフォルアがいればあっという間にどうとでもなる。 そりゃもちろん、フォルアやカースの力はとてつもなくありがたいし、二人がいなかったら俺とファインはとっくにディロックにやられてたかもだ
「ディロックゥ……ッ」 おもわず出たファインの言い方が気に食わなかったようで、ルビアはますますこちらが凍りつきそうな表情で「私の弟を舐めた風に呼ぶとは」と睨んでいる。「いや、舐めてねえ、けど…&he
アルスの声に反応したファインは転がるようにとはいえ、よくとっさに避けられたなとアルスは思った。一瞬の内に体勢を変えるのは案外難しい。 やっぱファインって魔法系なのに運動能力も結構あるよなあ。 しみじみ思ってから、そんなことを考えている暇は
「そういや今も勇者たちって水晶のままってことなのか? モーティナも眠りについたままなのか?」 ふと思ってファインが聞くと、カースは「多分」と頷いてきた。「多分?」「俺はフォルアに聞いた話しか知らないから。フォルアさえ知らない内にもしかしたら
翌日、知り合いとなった人たちに改めて別れを告げてからファインたちはルナール王国を後にした。 王国から少し南に下ったところにあるセルデスという町から、島であるローヴァン王国へ向かう船が出ている。ギルドでそれを確認し、そこへ向かおうとファイン
勇者たちの願いを受け入れるにはかなりの勇気が必要だっただろう。だがモーティナも勇者の一人だ。迷うことなく決意した。 モーティナはまず自らの魂を二つに分けた。そして片割れを他の勇者たちとともに水晶へ封印する。そして片割れである魂の半身は永遠
セルゲイは言っていた。「あれはそれこそ真実について表現しています。モーティナの神話では神の子を放棄した少女は禁忌を犯して逃げ、そして世界が犠牲になったとありますが、本当はそれは関係なく、ただし勇者たちが自らを犠牲にして世界を守ってくれてい
「記憶、っていうのは?」 アルスが聞くとカースはにっこり微笑んできた。「歌かな」「歌?」「そう。英雄の真実」「ああ……」 ファインが頷いている。アルスにとっては話の断片を聞いているようで、全体図が見えてこない。と
これはやはり、罰なのかな。 少女は途方もない時間が経過しても、死を迎え転生されることも許されず、ひたすら眠り続けている。フォルアはそれをずっと目の当たりにしたまま、同じく死んで転生するどころか少女のように眠りにつくことさえできない。 どち
四度目の出会いも街中だった。「君は神の子だというのに、護衛もつけず一人で歩いていいの?」 勇気を出してフォルアが声をかけると、少女は少しだけいたずらっ子のような笑みを浮かべた。「ご褒美なの」「ご褒美?」「ええ」 頷くと少女はフォルアを共犯
モーティルは神殿のある町だったからか、神殿のある島そのものだったからか、どの国よりも信仰にあつかった。そしてその恩恵か偶然か、住民は強い魔力を持つ者が多かった。 そこで生まれたフォルアも、親に連れられて祈りに行くことはたびたびあった。だが