■■ はじめに・・・ ■■ *当ブログは2人組で運営しております。*内容は男性同士の恋愛等をメインに取り扱った一次創作です。 BLなどのご理解を頂けていない方、嫌悪感を抱かれる方は回れ右でお願い致します。 ま
オリジナルBL小説です。主に高校生の恋愛(R-18)。管理人は2人で文と絵、基本ハピエン。毎日更新
CP傾向はドS×ネガティブ天然・後輩×先輩・弟×兄中心に展開です。 どんな形であれ受け溺愛。 S/鬼畜/わんこ/ツンデレ/ネガティブ/天然/不憫/小悪魔/クール/男前/など
「……ああ、ごめんね。大丈夫。俺は何ともないよ」 相手はすぐ笑顔になりながら立ち上がる。そしてあちこち曲げてみせたりしながら「ほらね。君も立ってみて」とむしろ向こうが手を伸ばしてきた。思わずその手を取って立ち上が
突然給仕の女性を見て青ざめだしたエルヴィンにいち早く気づいたニルスは、無言のまま自分もその女性へそっと目を向けた。 ……ヒュープナー嬢? あの頃のようなきらびやかなドレスでなく質素なドレスにエプロン姿であり、あ
いきなり町へと言ってきたデニスを怪訝に思いながらも、一介の騎士としては「今恋人と大事な話をしようとしてたとこなんでパスで」など言えるはずもない。 エルヴィンは仕方なくニルスの腕を持つ手を離した。 俺をすごく好いてくれていて、もっと触れたく
リックやデニスが仕事をしている間、ニルスやジェムはそれが雑談だろうが商談だろうが当然のように側についている。だがエルヴィンとフリッツは王子付きの護衛騎士としてこの旅について来ているものの、城内というのもあり部屋までは入ってこない。一応部屋
そもそもケーキとして味わえないなら接点さえ持たないってどうよ。 憤りさえ感じたが、元々接点などほぼなかっただけにイラつくのは何だか違う気がする。とはいえ結弦もイラつこうとしてイラついている訳ではない。 でも、さ。理由はどうあれ、ケーキだと
そもそも何故自分がそこまでムキにならなければならないのかと、一晩眠った後で結弦は気づいた。 何故、拓のため心身を微妙に削ってまで食わせてやらなければならないのかわからないが「俺はお前の何」と聞く必要などなかった気がする。実際、拓からは当た
そろそろ断ってもいいのではと結弦はいい加減思っている。味がわからないことに対しては同情しかないが、だからといって何故自分がここまで身を削る思いで協力してやらなければいけないのか。 元々友だちでもないんだぞ。今だって俺ら、いったいどんな関係
朝、エルヴィンと一旦別れて部屋へ戻り、水を飲もうが何をしようが我慢ならずにニルスがひたすら柱に頭を打ちつけていると「二日酔いで頭痛するにしても、そんな対処ある?」と呆れた声が聞こえてきた。「あとニルスの力なら柱が壊れちゃうでしょ」「&he
そんなわけないでしょうと、パンをようやく飲み込んだ後にエルヴィンが言い放つと、リックは大いに不満そうだ。「何です?」「え、だって二人きりでしかもニルス、酔ってるんだよ? なのに何もないとか、そんなことある?」「ありますよ。酔ってる相手に何
朝食の席で顔を合わせたリックがにこやかに「あれ? エルヴィンってば寝不足?」などと聞いてくる。朝の柔らかな心地いい日差しにぴったりな爽やかな笑顔に対し、エルヴィンはじっとりとした顔を向けた。「あん……あなた、ニ
「なあ……、別に……そこまで頻繁に、食わなくても、よくないか?」 最近ますますアルバイト終わりに拓の家へ連れ込まれ味わわれている気がしている。今日も拉致されるかのごとくアルバイトを終え
拓と会うのはアルバイトの時だけだ。他で会うことは今までなかったし、多分これからもない。 だが拓がフォークだと知り、ついでに自分がケーキだと自覚してからはアルバイトの後に拓の家へ行くことが増えた。 俺はできれば行きたくないけどな&helli
あれ以来、拓によく絡まれるようになった。幸い大学が違うので四六時中顔を合わせる羽目にはならないが、アルバイト先へ行くと大抵いる。「……以前はここまで見かけなかったと思うんだけど」 更衣室で顔を合わせたら「おう」
「ニルス! 魔法引っ込めて!」 慌てて言うとニルスがこくりと頷いてすぐに火は消えた。恐る恐る絨毯を見ると焦げ跡は全くなかった。酔いながらも魔法の火力を調整できるほど、ニルスもそこそこ魔力があるのかとエルヴィンはつい感心していたが、すぐに「そ
部屋まで来た時も、ニルスなら「じゃあ……」と呟くくらいで手を上げてからそのまま去っていくだろうなという確信に近いイメージをエルヴィンは持っていた。キスくらいはしてくれるかもしれないが、紳士らしくそのまま去るよう
「そろそろ夜も更けてきた。君たちも部屋に戻るといいよ」 エルヴィンが切り出す前に、珍しくリックからそう言ってきた。もしかしたらリックもさすがに疲れているのかもしれない。 グラスなどをある程度片づけてから戻ろうとしていると、リックがニルスに「
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
どうやら知らないうちにフラグを立てていたらしい。 その日、結弦は酒が回って少々鈍くなった頭をぐるぐるさせながら思った。 だって誰がそんなこと思う? そもそもこの飲み会も最初は行く予定なかった。飲み会自体が嫌いなわけではないが、あまり楽しめ
「お疲れ様でした」「お疲れー」 カフェでの就業時間が終わり、結弦はまだ働いている人に挨拶しつつロッカーへ向かった。「佐野、終わりか……? お疲れ」 その途中、ちょうど今から入るのであろう、黒シャツにギャルソンエプ
その後もどこかへ案内されたり商談が始まったりと全然ゆっくりする間もなく、気づけば夕食の時間となっていた。「結構忙しいんですね」 食後ようやく酒を飲みながらゆったりできた。 マヴァリージでは食後酒によくシュナップスを飲むが、ゼノガルトでもそ
目的地に到着してからはそこそこ慌ただしかった。 さすがにゼノガルトには王子たちが向かう旨、連絡があらかじめ入っているため、希望通り盛大に歓迎の儀など行われなかったものの、すぐさま宮殿へ案内された。そして一旦部屋でゆっくりする暇もなく、ゼノ
ゼノガルトまでは馬車で一週間半かかった。途中宿に泊まりながらの行程なので予定通りではある。これが竜馬でだと十八時間くらいあれば行けるらしい。 ただ王とその家族以外は基本使えない。騎竜馬隊なら別だが、それこそエリート中のエリートだし適性がな
「次はホラゲ作りましょうよ」 伸行がにこにこと言った途端、昌史が顔をそらしたことに気づいて智也は口元が緩むのを感じた。 智也は知っているものの、基本的に他の皆にはホラーが苦手だと内緒にしているらしい。そういうところもかわいくてならない。「本
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
◆恋愛ゲームは続行中◆ 篠原 智也(しのはら ともや)は、二年目の大学生活の勉強以外の時間や労力をほとんど大学でのサークル活動に費やしていた。 サークルでは、みんなでゲームを作成している。 内容は恋愛シ
多分ジェムがデニスに対してひたすら敬語なのは、元々そういうタイプなのだろうと今のやりとりでエルヴィンはひしひしと感じた。 ただ、テキパキと仕事をこなしそうな風に見えるジェムと、遡る前のジェムがあまり一致しない。遡る前のジェムは遠目でしか見
慌ててエルヴィンは手を退けようとしたが、それはそれでかなり失礼ではと躊躇してしまい、結局握手される。『……だしな。でも俺の弟とここまで仲がいいのは少しずるいだろ……』 何故第一王子が
心底本当だと言ったものの、仕事を終えた頃からじわじわと「一緒の旅」という事実がほんのり桃色をしながらエルヴィンの中にしみ込んできた。それは外側にも少しだけにじみ出ていたようで、何人かに「何かいいことでもあったのか?」「にやついてるようだけ
店に入る前から昌史が何となく悲しそうというか元気ない気はしていた。 そういえば俺が、ちょうど話したいこと、あったって言ったら悲しそうな顔したように見えたけど……もしかして今の話からして、俺がこいつを振るために話
昌史としては智也を困らせたいわけではなかった。そもそも伝える予定は元々なかった。 だが気持ちがばれてしまった以上、もう隠しても仕方ないとあからさまに気持ちを出すことにした。もう知られているのだ、隠す必要ないなら全面的に出してしまって何か問
結局再確認するだけだった自分の気持ちを完全に自覚すると、改めて昌史を見るたびに「智也のことが大好きだ」と全く隠す気がなさそうなほど全開な言動が嬉しくてたまらなくなる。普段の智也なら引いてそうだというのに、好きな相手だと思うとあからさまに向
「え、俺も殿下の付き添いに、ですか……」 久し振りにしっかり訓練を行っていい汗をかいたとすっきりしていたエルヴィンの元に、リックから呼び出されていると連絡が入った時には「今度は何をやらされるのか」などと少々思いつ
体の芯から凍えるような冷たい季節が続いていたが、最近ようやくどこかほんのり暖かな風を感じるようになってきた。まだまだ寒い日々ではあるものの、ふとした時にそれに気づく。 もう少しだ。 そう、もう少しすればラウラの大好きな季節となる。色とりど
せっかくリックに買ってきたものを、戻ってきた途端「それ、エルヴィンに届けて」とリック自身に言われた。ニルスは仕方なく、いや、エルヴィンに会いに行く口実ができるのは最高にありがたいものの、リックのために買ってきたものを恋人へ届けることに何と
幸いというのだろうか、真っ先に気づいてきそうな女子たちからはあり得ないことかもしれないが昌史の「好き」オーラは気づかれていない。特に美恵はBL脳が過ぎてむしろ現実にあり得るわけがないとどこかで思っているのかもしれない。 あと元々昌史は智也
智也の前で昌史が「篠原先輩?」と首を傾げている。「あ……、いや。その、とにかく林くん云々とか一切関係ないから。普通に考えてあり得ないだろ、わかれ」「え、そんな強引な」「強引? 強引ね、お前が言うな感しかないな?」「う……。その、それは本当
パソコン画面ではちょうど、アンディがいつもの軽そうな雰囲気とは打って変わって真面目な様子で主人公に対しての気持ちを言葉にしてきていた。自動でシナリオを進める設定にはしていないので、そのシーンのそのセリフで止まったままだ。 女子である先輩方
「それよりもエルヴィン」 蜂蜜漬けのガルバンゾが入った袋を手渡してきた後、ニルスがじっとエルヴィンを見てくる。ついドキドキと胸を高鳴らせながら「何?」とエルヴィンも見上げた。「リックの様子……」 リックかい。「お
「およびですか」 ノックして「お入り」と返事があったため、エルヴィンはドアを開けて執務室の中へ足を踏み入れた。「やあ、エルヴィンだったんだね。えっと、君を呼んだのはね……、これこれ。君の父親に渡しておいて欲しい書類をいくつか、持って行っても
「ニルス、また串肉買いに行く?」 最近書類仕事が増えたリックが紙面を眺めながら言ってきて、ニルスは呆れたようにリックを見た。「……あれだけ立て続けに食べてまだ食べたいのか……」「うーん
翌日になると昨日のことが夢のようにも思えてくる。夢といっても「夢のようだ」という嬉しい感情ではなく、その言葉通りの意味だ。現実に起こったことのように思えない。もしかしたら本当に居眠りしている間に見た夢では? と考えてみたが、休日だった昨日
何故そんな情緒不安定な人みたいな様子になるのか。普段の昌史はどちらかといえば明るくてそこそこ落ち着いてそうに見える。見た目が整っているのもあり、あまりよく知らない頃は特にいかにもリア充といった風にも見えていたが、かといって智也がついていけ
セリフを読んだであろう昌史に智也は笑いかけた。「な?」「……」「? どうした?」「……何でもありません」 そう返してくる昌史の様子は犬が耳を垂らしながら落ち込んでいるようにしか見えな
ニルスの手は少しずつだが温まってきた気がする。 そこでエルヴィンは改めて手のごつさを感じた。背はあるものの、ニルスの手は繊細に見える。指が長いからだろうか。しなやかですらりとした指に見えていた。 だが実際じっくり触れると案外ごつごつしてい
実は部屋に入った際にこっそり施錠したことなど、清廉潔白そうなニルスは気づきもしないんだろうなとエルヴィンはそっと思った。 もしくは、騎士でもないわりに敏捷性の高いニルスは人の動作を案外逃さず見ていたりする。なので気づいている可能性もあるも
もしまた熱でも出すようなら連れて帰って看病しなければとニルスが思っていると、エルヴィンが呆れたように言ってきた。「ニルス……その、確かにニルスの前で俺は何度か具合悪くなったけど、思い出して。子どもの頃の俺、ニル
亮人そっくりのクリス攻略を始めたが、クリスの妙に淡々とした話し方などまで亮人に似ており、つい笑ってしまう。時折亮人とやり取りしているみたいだとさえほんのり思ったりもした。「このシナリオさあ、林くんが考えたんっすか? それとも外山さん?」「
何故かやたら恐縮して謝ってくる昌史を智也はむしろなだめ、シャワーを浴びさせた。その間にコンビニエンスストアへ行き、適当に下着を買い、ついでにいくつかパンも買う。 運動部に入っていた頃はそれなりに食事にも気遣っていたが、大学に入ってからは一
朝、ふと目が覚めると智也は自分がベッドに眠っていることに気づいた。確かソファーで寝たはずなのにと怪訝に思う。 昨日の飲み会でうっかり昌史が酒を口にして酔ってしまったのは先輩である自分たちにも責任がある。ただ関心のないことには潔いくらい関心
少し前、ニルスが袋いっぱいのリック所望串肉を持って執務室へ戻ってきたら、中から「失礼します!」と聞き間違えることなど絶対にない声が聞こえてきた。そしてニルスがドアを開ける前にドアが勝手に開いた。ニルスが唖然とドアの脇に立っているのにも気づ
思わず素で突っ込んでしまうと、リックがにこにこしながら見てきた。「エルヴィン、エルヴィン。私、どころか敬語すら忘れてるよ」「仕事の話せずに余計なことばかり話してくるあなたに使う敬語など忘れもします……!」「大丈
マヴァリージ王国は世襲君主制の上に一応生まれた順に王位継承上位となる。アリアネが第一子だったならば継承第一位は王女アリアネだっただろう。ただ、一応というだけで絶対ではない。現王の意志が一番であり、また周りの意見が影響されることもある。 そ
固まった体がようやくオイルの足りないブリキ人形並みには動けるようになったものの、昌史はこの状況で眠れそうにないだろうなとひしひし感じている。 こんなことある? ようやく体を起こすと頭を抱えた。 智也は知らないだろうが、昌史は智也と同じ中学
テストプレイで攻略対象の好感度が上がっているようで、昌史としても少々居たたまれない。何故なら自分の中を見透かされているような気になるからだろうか。 そんなある日、サークルメンバーと行うたまにある飲み会で、どうやら昌史はつい酒を口にしてしま
ついでに美恵だが、ゲームではグラフィックデザインを担当している。高校生の時には恋愛シュミレーションゲームを作成していたようだ。当然ながらBLだったらしい。大学で望美と知り合い、意気投合して二人で乙女ゲームを作った。今のサークルはそれがきっ
ついでに美恵だが、ゲームではグラフィックデザインを担当している。高校生の時には恋愛シュミレーションゲームを作成していたようだ。当然ながらBLだったらしい。大学で望美と知り合い、意気投合して二人で乙女ゲームを作った。今のサークルはそれがきっ
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
拍手メッセージでレンミヤの読みたいお話をうかがいまして。 大人になった二人とその周囲を見てみたいとのことでした。 こういうところとかそういうところとちょっとしたご希望的なコメントもありましたので、それらもさらりとではありますが組
三弥は時折切ってもらっているらしい。有希に髪なんて触らせるなと言いたいところだが、その辺の有象無象に触れられるよりは多少マシかもしれないので仕方なく受け入れている。「あいつ、絶対俺の髪で遊ぶ。間違いねえ」 有希でもさすがに三弥に対してそう
今回も相変わらずの安定ぶりだったようだ。迎えに来た廉治を愛しい目で見てくれなかったのは愛が冷めたからではなく、単に申し訳なく思いつつホッとしたからだとわかった。「いつも俺が抜けられないだろうからって迎えに来てくれて、ありがとう&helli
皆とは大晦日に集まる予定になっていてそれは楽しみだが、その前にある職場の飲み会に関してはどうにも楽しみとは思えなかった。「こういう大勢の集まりだけじゃなくてたまには私たちともゆっくり飲んでくださいよ斉藤さん」「あー、いつかな」「いつかって
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クリスマス企画 ☆Guidepost本編パラレル☆(12/08〜12/27) --------------------------------------------------- ディアミラーノは三大王国
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
「もうたくさん待ちましたよ。その気になってたのに、あなたが気にされてるかと俺的にほんとどうでもいい話までしました」 ろくでもない言われようだが、声は優しくそして艶がある。おまけに天使のような笑みを浮かべ優しげで軽いキスをあちこちに何度もして
ミツキの部屋から出て行ったセイヤの後を、確かに速攻でとは言えない上に城へ着いてからもそれなりの時間は経過していた。そして結局一晩が過ぎた。それでも王の首を取る時間だって必要だったことを思えばいくらなんでも神殿へ向かって力を調べてもらい、そ
「とにかく、普通ならお貴族様に手など出さないでしょうし、俺もミツキじゃなければこんなとち狂ったことなんてしませんよ」 とち狂っているとわかってはいるらしい。「じゃ、あ何で」「ですから、ミツキじゃなければ、と言いましたよ。あと、ミツキに言われ
ここぞという勢いで思い切り言い返したミツキを、セイヤは笑みを浮かべながら抱きかかえてきた。5インチくらいは身長差があるはずだ。それほどに身長差はあるというのに軽々と抱きかかえられドン引きする前に、さすがにうっかり落とされそうで正直怖い。「
途端、先ほどから浮かべていた笑顔はうさん臭いものだったのだなと一瞬で理解するくらい、純粋な笑顔を見た気がミツキはした。思わず凝視していると「嬉しいです」と言いながらセイヤが少し背伸びしてミツキにキスしてきた。「…&helli
「全然大丈夫。とりあえず王は倒したんで、俺が王でいいですよね?」「そ、れはさすがに我々では決めかねます。とりあえず我々で聖王様と、王派でないここの重臣たちへ報告いたします。セイヤ様はまず身を清められてください」「やってくれるなら、まあそれで
「ミツキ。ここにいらっしゃるのには気づいてましたが、何か悩んでおられるようだったのでとりあえずそっとしておきました。もう解決されたんですか?」 立っていたセイヤが爽やかで美しいと言っても過言ではない笑顔で振り返ってくる。大きな窓からそそぐ朝
魔物を一掃。ミツキは頭を抱えた。 そんなの、どこをどう探せばいいんだ。 こうしている間にもセイヤは魔物と戦っているかもしれない。確証はないが、こんどこそ間違いないような気がした。 王の首を取ることを思えば、魔物を倒すのはむしろ歓迎すべきこ
窓から出て行ったセイヤを追うにも、すでに跡形もない。だが向かった先がどこかはわかる。わかりたくないが、わかる。「ミツキ様、どこへ……」 執事に聞かれたが「ちょっと……」とあいまいにし
こうなってくるとセイヤが盗賊に襲われそうになっていた状況すら疑わしくなってきた。だがセイヤいわく「ひどいなあ。あれは本当に囲まれてたんですよ」らしい。「でも今のお前見てるとあれくらい、あっという間に解決しそうだけど…&hel
突っ込みも感情も色々追いつかない。「そんな風にまるで魚みたいに口をパクパクさせているミツキも素敵ですが」「何が……っ?」「とりあえずそのまだ癒えていない傷を治しましょうか」「え?」 肩に受けたひどい傷は魔術師の
数日後、とあるパーティでミツキは公爵家の息子と話す機会があった。公爵とはいえ、王の血族ではない。 話の流れで、最近孤児が誘拐される事件が増えているとは聞いていたものの、その公爵家でも一人の子どもが昔、人さらいに遭ったらしいとミツキは聞いた
「ていうか、何でミヤちゃん連れてきたの? もしかして怪我した?」「ちげーし。レンジに絡まれてたからおもしろそーだしかっさらってきたー」「ぶは。レンジぶち切れてただろ」「俺らの塔で用事あるからっつって引っ張ってきたから、どっちかっつーと唖然と
以前からしっかり治めている王と思ったことはなかったものの、最近だんだんひどくなっているのではないだろうか。「よくない噂も聞く、しな……」 とはいえミツキが勤める騎士団はもちろん国は当然ながら、王家を守るための存
「変な仕事っていうか、俺も昔からよくさらわれそうになってますね」「そう、か。でもよく無事だったね。よかった」「一度過去に結構ヤバい目に遭いかけたんですよ」「ええ……」「でも、それ以来鍛えてますから問題ありません。
「変な仕事っていうか、俺も昔からよくさらわれそうになってますね」「そう、か。でもよく無事だったね。よかった」「一度過去に結構ヤバい目に遭いかけたんですよ」「ええ……」「でも、それ以来鍛えてますから問題ありません。
少年はかわいらしい顔に笑みを浮かべながら「情報を売るのも俺の仕事なので」とまるで大人のような話し方をする。とはいえ貴族と違い、平民の子どもは学校も行けず幼い頃から働いている者が多いと聞く。子どもらしくなくもなるのだろう。ミツキはとりあえず
「この辺の治安も最悪だろうな」 ハルのため息交じりの言葉に、ミツキは頷きながら改めて辺りを見回した。 ここ、ディアミラーノは三大王国の一つであるフォルシャーラの王国都市だ。元々文化も栄え、小麦、米、トウモロコシ、大麦、オート麦、ライ麦、キビ
「そういえばデートに行ったんだってね」 にこにことリックがエルヴィンを見てくる。 相変わらず筒抜けかよ、とか、あなたは俺たちの保護者ですか、とか、諸々よぎりながらリックを見ると「そんなスンッとした顔しないで」と笑われた。「そういう顔にもなり
しばらくゆっくり散策した後、二人は軽食をとろうと店へ入った。 今までも公の場で食事したり、身内だけの小さな茶会で一緒に飲食したりしていたはずだというのに妙に新鮮で、いったい何が違うのだろうとエルヴィンはそっと首を傾げる。 思い当たることと
久し振りに町をゆっくり散策している気がする、とエルヴィンは思った。 ちなみに迎えの馬車を用意すると言っていたので、てっきりニルスとは町にある馬車を待機させたり乗り換えたりする宿駅で待ち合わせるものとばかり思っていた。しかし迎えに来た馬車に
ついでに昌史に関して智也はあまり詳しく知らない。 一つ年下の後輩で元々ゲーム制作経験もなく、ゲーム自体に興味があるかどうかも謎だ。どちらかといえば音楽などが好きなようで、中学高校と吹奏楽部に入っていたらしい。自分でパソコンを使って曲を作っ
智也としては多々突っ込みどころがある。一番の突っ込みどころは「何故主人公を自分にしたか」だが、それを差し置いても疑問点に事欠かない。 ゲームのストーリ設定だが、ある日主人公である令息もしくは令嬢の住む伯爵家に、遠縁だが庶民として暮らしてき
目の前にいる、昌史に似ている気がする綺麗な顔立ちの青年が微笑んできた。貴族のようにしか見えない彼がそして甘いセリフを囁き、また微笑む。その笑みに見いられていると、優雅に手を差し出してきた。ダンスに誘われたようだ。 智也はそれにこたえるため
約束していた日の朝、エルヴィンは最高の気分で目が覚めた。窓まで向かいカーテンを開けると清々しい晴れた青い空が広がっている。何なら世界へ向けて「おはよう、いい朝だ」と叫びたいくらいだ。 支度をしながら、先日ヴィリーと話していたことを思い返す
「まあ、間違ってはいません」「間違ってないの……!」 確かにどこかの令息に狙われた状態で無防備でいれば、もしかしたらただの告白で済まずにうっかり襲われてしまうという可能性もなくはないかもしれない。エルヴィン自身、
この間ニルスと一緒に茶を飲んでから、エルヴィンはひたすらその時のことを思い出しては緩む口元を何とか引き締めようとがんばるという流れを繰り返していた。「今度休みが合えば町の武器兼鍛冶屋へ剣を見に行かないか」 デートだ。 初めてのデートのお誘
秋からはクラスの皆も本格的に受験ムードとなっていった。推薦を受ける者もいて、ところどころ欠席者も増えていく。 水琴は今さら赤本などを必死にやらずとも自分が受ける大学に合格する気しかなかったが、それでも周りの空気に影響されてか休み時間に問題
◆それは、桜のような恋◆ 高校受験の試験会場で、香原 水琴(こうはら みこと)は、「伊桜 春海(いざくら はるみ)」と名前の書いてある受験票を拾う。 辺りを見回し、その受験票を探しているであろう少年に声をかけた
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その夏休みは、春海とて様々な計画を立てていた。 一昨年は行けなかった、そして去年は何人もの友だちと行った海に水琴と二人きりで行く。そして花火を堪能し、何ならそのまま外泊する。 他にもちょっとした旅行なども考えていた。下世話な言い方をすれば
今までもアルスランの屋敷には何度も訪れているし、茶会にも出ている。だがこれほど緊張したことはないとニルスは心底思った。大切で大好きなエルヴィンと二人きりの茶会。それだけで己の緊張っぷりが半端ない。 だがここまで緊張するのはもしかしたら鍛錬
何かを言わなくて、は……。何か、いや、何か、じゃない。今一番聞きたいことをちゃんと確認するべきだ。 ニルスは意を決するくらいの勢いで口を開いた。「……エルヴィン」「は、はい」「&he
エルヴィンが来ているとは聞かされていなかった。だからニルスはいつものように軽くノックしただけで執務室へ入ったのだが、まさか目の前でリックとエルヴィンが仲睦まじい様子で抱き合っているとは思わなかった。「……失礼し
高校生となって気づけばもう、三度目の春を迎えている。校舎までの桜並木も、一年生の頃に見た時と全然違った感覚で見ている気がする。最初の頃は風景を見るだけでも何だか少し緊張したりすることもあったが、今では慣れた光景だし我が物顔で歩いているかも
春海としては今もまだ少し信じられない思いだった。 この先もずっと伝えることのない気持ちだと当然のように考えていたはずが、まさか水琴から好きだと言ってもらえただけでなく、体を重ねることまでしてしまった。もしかしたらこれから先の運を全部使い果
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数日滞在し、その間フォルアは一日何度か例の曲を弾き歌っていた。それが人づてで広まったのか、店はわりと盛況している。「あなた方は私の神様だ」 オーナーは心底嬉しそうにしていたし、宿泊や飲食がただどころか、報酬も上乗せしてくれていた。そろそろ
◆水晶の涙◆ ── とある王国 神の子が禁忌を犯し、居なくなってから長い年月が過ぎ去った……。 辺境の村で少年2人は、いつも通り平穏に暮らしていたはずだった。 *赤&ra
今のファインとしては、どう考えても自分の都合いいように考えてしまう気もする。 だってそうだろ。家族みたいであって、オレとアルスは実際本物の家族じゃねぇし……もしかしたらオレだってアルスとカースが急にやたら親密に
アルスと反対側で眠っているカースを気にしながら、ファインは背を向けていたアルスへそっと向き直った。くっつかれていたので寝返りを打ちにくいかと思ったが、ファインが動くとアルスは素直に腕を緩めてくる。 ……目は覚め
ファインがカースと言い合っていたら「もういいよ。とりあえず寝よう」とアルスがため息つきながら遮ってきた。「お、おぅ」 呆れられたのだろう。そういえばカースにアルスへの気持ちがばれてから、というかとっくにばれていたことを知ってから、ファイン
「演奏したがってた、ってよりはさ。ほら、フォルアって真実とやらを伝えるために吟遊詩人をしてるみたいなこと、セルゲイさんも言ってただろ」 ファインの言葉でアルスも思い出した。しばらく滞在させてもらっていた辺境伯セルゲイがモーティル教の話と共に
捕まった者たちをアルスもこっそり見せてもらったが、二人はファインやカースが言っていたようにその辺に溶け込みそうな目立たないおとなしそうな外見をしていた。こんな外見の人が人身売買のため誘拐を目論見、実行しているなど、実際捕まっていても信じら
「ぶは」 ファインの説明を聞いてカースはおかしげに笑っている。「そりゃアルスが疑うのも無理ないね」「いや、何でだよ。オレにその気ねぇっつーの」「でも、何でファインってそういう人から興味もたれやすんだろ」 ファインにその気がないというのなら何
いい話が聞けたのもあり、ナージフが帰る時も店の入口までファインは見送った。「オレはもう多分あなたにつくことはないと思うけど、会えてよかったよ」 見送る時には声も戻っていたのもあり、ファインは敬語も取り払ってナージフに笑いかける。「&hel
「変な客? 最近よく来ていたごろつきのことですかね」 客の言葉にファインは首を傾げ聞いた。「最近来ていたとかは初めて来店しただけにわからないけど……姿は見えてないんだ。ほら、半個室のようなものだろう、ここって」「
本当なら裏方の仕事はファインがしていた。そして仕事しつつ聞き込みなどをするつもりだった。 だが実際は接客する羽目になり、裏方はアルスとフォルアだ。そちらからの情報は申し訳ないがあまり期待しないほうがいいだろうとファインは早々に諦めた。 ど
実際店の手伝いをすることになり、アルスはファインが何故不満そうだったのか理解した。「ファインって俺からしたらそれなりに綺麗でかわいい顔してると思ったんだけどな」 カースがおかしそうに笑っている。「……うるせぇ。
「……かえってご迷惑をおかけして申し訳ない……。全額支払うのは難しそうだけど、払える限りは……」 困り果てたようなオーナーに、よそ行き用の顔になったファイン
叫び声などが聞こえた途端、今までのどかに飲み食いしていたアルスたちは剣を手にしていた。これはもう、習性と言うものかもしれない。 だが普通に考えてこういった店内に魔物が出るわけもなく、おそらくは酔っぱらった客が暴れたか何かだろうと次の瞬間に
ギルドでいくつか仕事も請け、四人は派手な照明が目に優しくない店の一つに来ていた。その店を選んだことに理由は特にない。この辺にあるどの店も似たような雰囲気だったので、正直どれも同じだとファインは思ったくらいだ。 カースに「俺がおごってやるか
ルナール王国には二日後に到着した。砂だらけの砂漠の中にある王国都市は城壁に囲まれ、緑に溢れている。そしてとても活気があった。「ねえねえファイン、見た? さっきのお姉さん。あんな恰好しちゃってさ。布面積少なすぎだよね最高。顔もスタイルもよか
ところでさ、とカースがファインに笑顔を向けてきた。 船でこちら側に着いてからルナール王国へ向けて歩いているところだった。ただその日のうちに到着というわけにいかず、今日はテントを張って休むことにしていた。 海の近くはまだ緑があったものの、内
トリンカから海岸沿いまで出るのに要した時間は一日くらいだったが、海に出てからはむしろフォルアやカースの魔法の力によっておそらくかなり早く向こう岸に着いた。距離だけだとはっきりわからないが、トリンカから海岸沿いへ来るまでよりあったかもしれな
「そのほうがいいんじゃない? もしフォルアがかかっちゃったら俺も悲しいし」「おいおい。オレらはかかっても悲しくねえってか?」 ファインが微妙な顔をカースへ向けている。「大丈夫だ、ファイン。ちゃんと悲しいから。でもフォルアはまた別」 相変わら
「……ああ、ごめんね。大丈夫。俺は何ともないよ」 相手はすぐ笑顔になりながら立ち上がる。そしてあちこち曲げてみせたりしながら「ほらね。君も立ってみて」とむしろ向こうが手を伸ばしてきた。思わずその手を取って立ち上が
突然給仕の女性を見て青ざめだしたエルヴィンにいち早く気づいたニルスは、無言のまま自分もその女性へそっと目を向けた。 ……ヒュープナー嬢? あの頃のようなきらびやかなドレスでなく質素なドレスにエプロン姿であり、あ
いきなり町へと言ってきたデニスを怪訝に思いながらも、一介の騎士としては「今恋人と大事な話をしようとしてたとこなんでパスで」など言えるはずもない。 エルヴィンは仕方なくニルスの腕を持つ手を離した。 俺をすごく好いてくれていて、もっと触れたく
リックやデニスが仕事をしている間、ニルスやジェムはそれが雑談だろうが商談だろうが当然のように側についている。だがエルヴィンとフリッツは王子付きの護衛騎士としてこの旅について来ているものの、城内というのもあり部屋までは入ってこない。一応部屋
そもそもケーキとして味わえないなら接点さえ持たないってどうよ。 憤りさえ感じたが、元々接点などほぼなかっただけにイラつくのは何だか違う気がする。とはいえ結弦もイラつこうとしてイラついている訳ではない。 でも、さ。理由はどうあれ、ケーキだと
そもそも何故自分がそこまでムキにならなければならないのかと、一晩眠った後で結弦は気づいた。 何故、拓のため心身を微妙に削ってまで食わせてやらなければならないのかわからないが「俺はお前の何」と聞く必要などなかった気がする。実際、拓からは当た
そろそろ断ってもいいのではと結弦はいい加減思っている。味がわからないことに対しては同情しかないが、だからといって何故自分がここまで身を削る思いで協力してやらなければいけないのか。 元々友だちでもないんだぞ。今だって俺ら、いったいどんな関係
朝、エルヴィンと一旦別れて部屋へ戻り、水を飲もうが何をしようが我慢ならずにニルスがひたすら柱に頭を打ちつけていると「二日酔いで頭痛するにしても、そんな対処ある?」と呆れた声が聞こえてきた。「あとニルスの力なら柱が壊れちゃうでしょ」「&he
そんなわけないでしょうと、パンをようやく飲み込んだ後にエルヴィンが言い放つと、リックは大いに不満そうだ。「何です?」「え、だって二人きりでしかもニルス、酔ってるんだよ? なのに何もないとか、そんなことある?」「ありますよ。酔ってる相手に何
朝食の席で顔を合わせたリックがにこやかに「あれ? エルヴィンってば寝不足?」などと聞いてくる。朝の柔らかな心地いい日差しにぴったりな爽やかな笑顔に対し、エルヴィンはじっとりとした顔を向けた。「あん……あなた、ニ
「なあ……、別に……そこまで頻繁に、食わなくても、よくないか?」 最近ますますアルバイト終わりに拓の家へ連れ込まれ味わわれている気がしている。今日も拉致されるかのごとくアルバイトを終え
拓と会うのはアルバイトの時だけだ。他で会うことは今までなかったし、多分これからもない。 だが拓がフォークだと知り、ついでに自分がケーキだと自覚してからはアルバイトの後に拓の家へ行くことが増えた。 俺はできれば行きたくないけどな&helli
あれ以来、拓によく絡まれるようになった。幸い大学が違うので四六時中顔を合わせる羽目にはならないが、アルバイト先へ行くと大抵いる。「……以前はここまで見かけなかったと思うんだけど」 更衣室で顔を合わせたら「おう」
「ニルス! 魔法引っ込めて!」 慌てて言うとニルスがこくりと頷いてすぐに火は消えた。恐る恐る絨毯を見ると焦げ跡は全くなかった。酔いながらも魔法の火力を調整できるほど、ニルスもそこそこ魔力があるのかとエルヴィンはつい感心していたが、すぐに「そ
部屋まで来た時も、ニルスなら「じゃあ……」と呟くくらいで手を上げてからそのまま去っていくだろうなという確信に近いイメージをエルヴィンは持っていた。キスくらいはしてくれるかもしれないが、紳士らしくそのまま去るよう
「そろそろ夜も更けてきた。君たちも部屋に戻るといいよ」 エルヴィンが切り出す前に、珍しくリックからそう言ってきた。もしかしたらリックもさすがに疲れているのかもしれない。 グラスなどをある程度片づけてから戻ろうとしていると、リックがニルスに「
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
どうやら知らないうちにフラグを立てていたらしい。 その日、結弦は酒が回って少々鈍くなった頭をぐるぐるさせながら思った。 だって誰がそんなこと思う? そもそもこの飲み会も最初は行く予定なかった。飲み会自体が嫌いなわけではないが、あまり楽しめ
「お疲れ様でした」「お疲れー」 カフェでの就業時間が終わり、結弦はまだ働いている人に挨拶しつつロッカーへ向かった。「佐野、終わりか……? お疲れ」 その途中、ちょうど今から入るのであろう、黒シャツにギャルソンエプ
その後もどこかへ案内されたり商談が始まったりと全然ゆっくりする間もなく、気づけば夕食の時間となっていた。「結構忙しいんですね」 食後ようやく酒を飲みながらゆったりできた。 マヴァリージでは食後酒によくシュナップスを飲むが、ゼノガルトでもそ