智笑ポエム

★智笑ポエム「巣落ちせし雀の」

巣落ちした雀がゐました。飛び立とうとしないのでそっと掌に包んで、安心な場所に移しました。小さな雀のびっくりするほどの体温。鼓動が伝わってきます。しばらくすると…

2024/05/29 11:06

★智笑ポエム「原始スープ」

原始スープを飲みたいなみんな原始スープになってしまふ1971東松照明「波照間島1971」(22,12,11日経)とびかかるではなく柔らかに受容し、そっと映像に…

2024/05/28 09:57

★智笑ポエム「初物や」

初物や───ご機嫌生身魂。伸張ス皇帝ダリア胸に迫る。/初物や畑の中の探し物/どんみりと雨を待つ身の茄子南瓜/裏土間に淡竹が届くそんなこと/畑に撒くスプリングク…

2024/05/27 11:39

★智笑ポエム「緑彩それれぞれのままに」

緑彩それぞれのままに───/紅葉紅葉あのプロペラーの大宇宙/蝶泊めてしばし思案の毛蕊花(もうずいか)/ジャガイモの花芽はゆきずりしまゝに/梧桐に鳩の巣隠し緑雨…

2024/05/22 14:38

★智笑ポエム「上京、単身赴任」

上京。単身赴任。田舎の十薬と新宿の十薬。/富士は未だ雲に隠れし雪の峰/釈迦堂に寄り植栽を見て中央道/ドクダミは可愛さうだ十薬と呼びたし/勝頼の無念 緑に見え隠…

2024/05/22 09:28

★智笑ポエム「初夏の風」

ぼくは始祖鳥になりたいなんて絵本の中に閉じられた1933小石清「僕の若さの中に、僕の肉体の中に、僕の太陽は棲む」 社会の窓って云ふんですか間抜けです開けっ放し…

2024/05/22 07:49

★智笑ポエム「カッコーが鳴いて」

われわれはすべて精神現象学である。或る鳥はまったく葉っぱのやうに屋根瓦を滑り落ちて来た。2022,5,28ARTS ISOZAKI 詩画集「見者」 朝、目覚め…

2024/05/18 09:23

★智笑ポエム「残響」(24,5/4唐十郎死去84歳)

「唐さんのあちらにいってもシャレのめす花園神社ゴールデン街」「唐さんの昔なつかし停車場の花園神社、腰巻お仙」1967夏、東京・新宿の花園神社のテント劇場で上演…

2024/05/17 09:28

★智笑ポエム「ば様の散髪」(深大寺の薔薇)

最期の芍薬。ば様の散髪。義妹の誕生日。深大寺の薔薇園のこと。/芍薬の一期一会の日和かな/芍薬の仕舞ひと咲いて一期かな/絹さやの炊き込みご飯誕生日義妹に捧ぐ卵散…

2024/05/15 11:54

★智笑ポエム「梅捥ぎにゆく」(美しい日と云ふものがあって)

梅捥ぎにゆく─── 美しい日と云ふものがあってすべてに成長著しい遠慮は要らない、と云ふのであった軽トラでゆく土手にはキツネノカミソリが咲いていたかーさんと梅捥…

2024/05/13 18:00

★智笑ポエム「畑芥を燃やす」(雑草成敗)

畑芥を燃やす。雑草成敗。「雨が来るよ」───何してんのって/草むしり、草を引いてゐる/けふは朝6時半に畑の芥に火をつけて燃やした/家庭ゴミもついでに燃やした/…

2024/05/13 17:15

★智笑国の形「国の大借金と円安と」

円安。ああ、なにか悪いことが起こらなければいいが…。 いくら退職金もらったのか国民に公表しなさい。「国民に尻拭いさせ大綬章」(朝日新聞)黒田東彦前日銀総裁のこ…

2024/05/13 16:48

★智笑ポエム「緑雨降るよ」

雨は閑閑となむ春雨、だもの緑雨は畑をうるほす植栽を潤おす蜘蛛の絲にしげくいと、しずかに隠れてゐしものも出ておいで 燕たちの番にもやさしく水路伝いに海へと連れ出…

2024/05/13 10:51

★智笑ポエム「立てば芍薬」

立てば芍薬───/草引いて花壇に呼ばる私かな/初蝶にあらず初蚊に射されをり/藪漕ぎややぶさかでなきゆくへかな/丘に生まれ星に育つ兒のよい子/虫の目やものの芽の…

2024/05/07 10:13

★智笑ポエム「独活な平和」

新聞を広げるクシャ、kushaかもしれない見ろと云ふ為替の図表が上を目指してゐる空は晴れで真っ青である音が無音に感じたころ玄関の外の道をSSが奔って行った晴れ…

2024/05/06 09:42

★智笑ポエム「花の時候にてさぶらう」

花の時候にてさぶらう。候、さうらへば、ござさうらう/花の時候にてさぶらう/あわただしくせわしなく傍らを過ぎてゆく/それなのにいかん、いかん/ちびっこ松を忘れて…

2024/05/04 14:55

★智笑ポエム「五月の風は人を貴族にする」

聖五月へ───山菜採り、湯沢地区。五月の風は人を貴族にする。況や“緑のたぬき”とや。根曲がりを藪漕ぎに、山独活も薫り高く野辺に頂き、丘に登ればわれらがサンクチ…

2024/05/03 13:14

★智笑ポエム「芍薬の牡丹の後を追いかけて」(そして上京)

芍薬の牡丹の後を追いかけて───そして単身上京。/小菊小菊風に愛らし小首かな/穴開けて南瓜の葉っぱウリハムシ/芍薬の牡丹の後を追いかけて/芍薬の玉結びゆく蟻の…

2024/05/01 11:20