朱色の路面電車に揺られて
梅雨入りせぬまま夏至を迎えた。 紫陽花の紫が緑の葉の間からちらりと見えて、それでまた気持ちが和む。 暑くも寒くもなく風は心地よくこんなに爽やかな六月を私は知らない。 だから体調はまあまあでも、予定の講座には絶対に出かける。 バイクを止めたので今まで十四、五分で行けたところへ今はバスと電車を乗り継いで 一時間もかかる。 せっかちの私にとってこんなに悲しく悔しいことはない。都会と違って一電車遅れると十分は 待たなければいけない。 そこで私は気持ちの切り替えをした。のんびりとその時間を楽しむことにした。 見渡せば高層マンションが次々に出来ている。どんな人が住むのだろう。一時私も憧れた。 あれホテルの名前が又変わっている。新しいコンビニが出来ている。 電停のベンチだって楽しいではないか。私の中の野次馬百匹。 今日は予定も無いのでぶらり出かけ..
2019/06/24 17:09