不可抗力
桜の開花は寒の戻りで遅々として進まない「全然、咲いてないな」若い声が通りすぎていく青春は振り返るために存在することを只中の人々は知らないこの世界はなるようにしかならないこの人生もなるようにしかならない諦観はずっしりとした絶望と掴みどころのない安堵が混じり合う蒸し暑い部屋で冷たい汗を流したり弱者であることを滲ませる強がりを口にしたり大いなる鳥かごの中で小さく夢を見たりそして、ついには行き着くところに行き着くのだ只中にある人よこれから花が咲き暖かくなり日も長くなりどこまでも長くなりいつしか闇は消えて光に満ちた世界が完成されるね目に鮮やかな青天井の下足どり軽やかに美しく走れ青春が振り返るために存在することを知る、その日まで不可抗力
2024/03/27 11:46